接客力で差をつけろ!「スペシャリスト育成作戦」

2012年4月25日8:17

月刊「アイ・エム・プレス」Vol.192

接客力で差をつけろ!「スペシャリスト育成作戦」
スペシャリストの説得力のある接客が顧客満足度を向上する

昨今、店舗小売業を取り巻く環境は厳しい。長引く経済停滞で消費が伸びない中、インターネット通販の台頭などで店舗間の競合がますます激しさを増しているのだ。そのような中でリアル店舗ならではの差別化ポイントとして注目されているのが、スペシャリストによる質の高い接客だ。店舗小売業におけるスペシャリスト育成・活用のあり方を探った。

競合激化の中で注目される

スペシャリストの育成・活用による接客サービスの向上

店舗の接客力向上のために、専門知識・ノウハウを有するスペシャリストを育 成・活用することは非常に有効な施策であるが、その実現は容易ではない。 施策を成功に導くためには、スタッフの自発性をベースとしながら、十分なバ ックアップを行う体制を確立することが重要である。

わが国の店舗小売業の将来について、“バラ色の未 来”を思い描く楽観主義者は少ないだろう。今後、人 口減少が確実視され、消費自体の伸びが期待できない 中で、成長を続けるインターネット通販が市場の縮小 に拍車を掛けている。さらに、特に伝統的な小売事業 者にとっては、次々と登場するカテゴリーキラーも大 きな脅威だ。そのような中で多くの店舗小売業は、生 き残るための差別化ポイントを模索し続けているのが 現状と言えるだろう。

リアル店舗としての特徴を生かす施策として、多く の小売事業者が取り組んでいるのが、接客サービスの 向上だ。今回の特集でインタビューにご協力いただい た(株)リゾーム 代表取締役の中山博光氏が「ネッ ト時代におけるリアル店舗の魅力は何かと考えます と、やはり“人”だと思うのです」と指摘するよう に、フェイス・トゥ・フェイスの接客で顧客の“かゆ いところに手が届く”対応を行い、また、直接的なコ ミュニケーションを通じて顧客の潜在的なニーズをく み取って充足することができれば、その顧客のロイヤ ルティを高めてファン化し、さらにクチコミによる波 及効果の発揮を期待することもできるだろう。

しかし、接客サービスの向上は容易に実現できるも のではない。近年では生活者の価値観が多様化し、さ らに関心が“モノ”自体から、“モノ”をいかに活用 して生活を豊かにするかという“コト”に移行しつつ あることで、画一的な対応では通用しなくなっている。 また、インターネットの普及などによる情報化の進展 に伴い、生活者が豊富な商品知識を容易に得られるよ うになったことから、その期待を上回るサービスを提 供することの難易度も年々高まっている。

その中で昨今注目を高めているのが、スペシャリス トの育成・活用による接客サービスの向上である。確 かに、特定の商品分野について生活者が及ばない知識 やノウハウを持ったスタッフが、それらを生かして顧 客それぞれに応じた接客サービスを提供できれば、接 客レベルが向上することは間違いない。

しかし、その実現は容易ではなく、多くの小売業が 試行錯誤を続けているのが実情だ。そこで今回の特集 では、スペシャリストの育成・活用に積極的に取り組 む小売業のケーススタディを中心に、店舗小売業にお けるスペシャリスト育成・活用のあり方を探った。

月刊「アイ・エム・プレス」Vol.192 2012年5月号概要

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