◇ 国内におけるFeliCaの現況

2010年8月10日  08:09

・大型システムはすでに一巡 

FeliCaの主要な市場、交通、電子決済、セキュリティのうち、まず交通系では、国内のJR東日本、西日本、東海、北海道などJRグループ、首都圏の私鉄・バス各社が運営する「PASMO(パスモ)」、関西の「PiTaPa(ピタパ)」など、主要な事業者、路線には、四国を除いてほぼ行き渡ったと言える状況だ。 

図1

電子決済では、電子マネーのEdyは、ICキャッシュカード、ICクレジットカードなど、金融系カードをはじめ、各種メンバーズカード、企業のIDカードなどの領域にも搭載が進んだ。「nanaco(ナナコ)」や「WAON(ワオン)」など、流通系の電子マネーも、大型のチェーンへの採用はほぼ出揃い、いまは中規模の企業/団体がターゲットになっている。 

個人ユーザーがFeliCaを使う環境も整ってきた。FeliCaの読み書きができる「FeliCaポート」の出荷台数は、2010年2月末時点で累計950万を超えた。ソニーのバイオをはじめ、NEC,、富士通、東芝など、FeliCaポートを搭載した機種も増え、3,000円前後で販売している外付けの「パソリ」も、順調に数を伸ばしている(図1)。 

・FeliCaの適用領域を拡大する 

大手の需要が一巡したいま、ソニーが力を入れている領域は、まず、FeliCaアプリケーションの採用拡大がある。交通、決済、社員証などのIDカード、そして会員証/ポイントカードを、より安価に提供することで、これまでFeliCaが適用できなかった分野への浸透を狙う。 

図2 FeliCa Lite

もう1つは、開発経緯の項でも取り上げた「FeliCa Lite(フェリカライト)」と、「FeliCa Plug(フェリカプラグ)」を軸とした新分野の開拓だ(図2)。スタンダードのFeliCaカードとはアーキテクチャーが異なる製品で、「軽量、安価なFeliCa」によって、新しいアプリケーション開発を狙っている。 

FeliCa Liteは、セキュリティ機能を簡略化し、コストを抑えたICカードチップ。会員証、はがき、ポスター、POP広告、ノベルティグッズなど、いろいろなオブジェクトに添付して、FeliCaの機能を付加できる。 

FeliCa Plugは、小型の電子機器に、FeliCaポートやパソリと無線通信を行う機能を提供する無線インターフェースモジュールだ。例えば、体温計、歩数計などの電子機器に搭載することで、FeliCaの無線方式を使って、簡単にパソコンなどとデータのやり取りができるようになる。 

交通インフラ、電子マネーの領域に浸透したFeliCaは、この分野では横の展開、すそ野の拡大を狙う。そして、FeliCa Lite、FeliCa Plugをラインアップに加えたことで、個人ユーザーのマーケットへのさらなる浸透と、新しいアプリケーション、ビジネスの展開を目指していく。 

次項からの各論では、FeliCaの技術開発、適用分野、アプリケーション開発について、詳細に見ていく。 

※本記事はTIプランニング発行の「FeliCa・NFCレポート」の一部分をご紹介したものです。ただいま、「ペイメントナビオープン記念 夏のレポート祭り」を開催中ですので、「FeliCa・NFCレポート」にご興味がある方はこの機会にぜひ、購入をご検討いただければ幸いです。

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