決済に関する利用実態および意識調査の結果を発表(Visa)

2011年7月7日8:10

現金から電子決済へ移行するためのカギは?
全国の男女2,400人を対象に決済手段の実態について調査

ビザ・ワールドワイドは、電子決済普及のカギを明らかにすべく、早稲田大学商学学術院 教授の恩蔵直人氏と共同で、全国の男女2,400人を対象にインターネット調査を行い、消費者行動の視点から日本人の現金感を分析した。同社では2011年7月5日、マンダリンオリエンタル東京において、電子決済の阻害とさらなる普及のカギについて発表した。また、恩蔵氏と公認会計士の山田真哉氏、ファイナンシャルプランナーの山口京子氏を交えたトークセッションを行った。

ビザ・ワールドワイド

現在利用する決済手段は現金6割、電子決済4割

本来利用したい決済手段は電子決済6割、現金4割

早稲田大学商学学術院 教授の恩蔵直人氏(左)、パネルディスカッションの模様。右から山口京子氏、山田真哉氏、恩蔵氏

例えば、タクシーがすべて電子決済により行われるようになれば、強盗が起こることはなくなるだろう。電子決済は利便性が高い技術でありながら、国内における民間最終消費支出に占める割合はクレジットカードが約10%、デビットカードに至っては0.3%あまり。クレジットカードが24%、デビットカードが21%の割合を占める米国には遠く及ばない。「統計的に見ても日本の消費に占める電子決済比率は12%に届いたところです。先進諸国の例からいいますと4倍~5倍でも不思議ではありません」とビザ・ワールドワイド 代表取締役 岡本和彦氏が話すように日本は先進諸国でありながら現金への依存が極めて高い。

Visaでは、電子決済を単なる支払い手段ではなく、安心・安全で便利な財務管理インフラとして位置付けて普及拡大を図ることで、社会に貢献できるとしていると考えており、キャッシュレス化を推し進めている。

決済手段に関する利用実態と利用意向

今回、Visaが恩蔵氏と実施した調査では、消費者行動学の視点から日本人の現金観、日常行動・意識を分析し、電子決済の普及阻害となっている現金主義の背景や電子決済の実現に向けた仮説を導きだした。

同調査によるとクレジットカードなどの電子決済を利用する人は39.9%(現金ユーザーは60.1%)だったが、本来利用したいと思っている支払方法は59.9%が電子決済(現金は40.1%)となり、その比率は逆転した。

電子決済予備軍は約25.6%

その多くがキャッシュ・ストレスを抱える

また、現金ユーザーでありながらも、電子決済に移行したいと考える「電子決済予備軍」は25.6%、現金を利用しており、本来も現金を利用したい層である「現金依存派」は34.5%となった。さらに、現在電子決済を主に利用しているが、本来は現金を利用したいと考える「電子決済迷い派」は5.6%、電子決済を主に利用しており、本来も電子決済を利用したい層である「電子決済活用派」は34.3%を占めた。なかでも、「25.6%の『電子決済予備軍』は、電子決済普及の鍵となるポテンシャルの高いユーザーになる」と恩蔵氏は見ている。

電子決済予備軍はなぜ電子決済を利用したいのか?

全体の電子決済の利用状況をみると、1,000円未満の決済は約9割が現金だが、1万円前後でカードと現金がクロスし、カードで支払う傾向が強くなる。

電子決済のイメージとしては、デビットカードやプリペイドカードよりもクレジットカードのイメージが強い結果となった。なぜ、日常的にクレジットカードを利用するのかについては、「利用履歴が残るので安心」と回答した人が76.3%、「オトクである」が67.8%、「持ち歩きが手軽」が59.4%、「ステイタスになる」が56.2%などとなっている。

「電子決済予備軍」はなぜ電子決済を利用したいのかをみると、「現金は落としたらあきらめるしかない」が86.2%、「現金は財布のなかにある範囲しか利用できない」が80.5%などとなり、「現金を持ち歩く煩わしさや手間、不安感などのキャッシュ・ストレスを持っている」(恩蔵氏)結果となった。

クレジットカード以外の決済手段の認識不足と

セキュリティに対する意識の向上が必要

「電子決済予備軍」の電子決済方法の認知度を聞いたところ、クレジットカードが51.0%であったのに対し、プリペイド型電子マネー(Suica,Edy,nanaco,WAONなど)は30.1%、後払い式電子マネー(iD,QUICPay,VisaTouchなど)は11.6%、デビットカードは13.8%となった。また、約82.2%がクレジットカードを利用しているが、他の決済手段はそれに比べ利用率が低い結果となっている。

電子決済予備軍のクレジットカードに対する認識

クレジットカードに関する認識では、「使いすぎてしまう」が78.0%、「利用する際にセキュリティが心配」が77.5%、「後払い」が75.9%となり、支出管理やセキュリティへの不安があることが明らかとなった。

また、「電子決済予備軍」に対し、現金決済を利用したい理由を尋ねたところ、「いくら使ったか実感しやすい」が83.2%、「使いすぎない」が73.5%、「どこでも使える」が70.8%となった。

これらの調査結果から、電子決済予備軍の意識としては、「小銭がかさばる」「ATMへ行くのが面倒」といったキャッシュ・ストレスを抱えながら、「いくら使ったかを実感しやすい」「使いすぎない」といった現金を利用したい理由が見えてきた。そのうえで、電子決済社会の実現のためには、クレジットカードやデビットカードなど、電子決済サービスごとに異なる特性を理解することと、セキュリティに対する正しい知識の向上が必要であるとの見解を示した。

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