外部提携先に「Yahoo!ウォレット」の約2,100万の会員を送客(Yahoo! JAPAN)

2011年7月13日8:00

外部提携先に「Yahoo!ウォレット」の約2,100万の会員を送客
国や地方自治体でのYahoo! JAPAN ID活用も視野に

Yahoo! JAPANが提供する「Yahoo!ウォレット」は、約2,100万のユーザーを擁する会員サービスである。Yahoo!ウォレット会員は登録後、Yahoo! JAPAN IDとパスワードの入力だけで、Yahoo! JAPANの「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!オークション」「Yahoo!プレミアム」「Yahoo!ゲーム」などのサービスで決済が行える。同社では外部提携先を積極的に開拓することでYahoo! JAPAN IDの価値を高めている。

Yahoo! JAPAN

外部提携先企業はYahoo!商品検索の掲載や

スポンサードサーチに出稿可能

Yahoo! JAPANでは2006年から本格的にYahoo! JAPAN以外のドメインで利用できる加盟店の募集を開始。Yahoo!ウォレットを導入した外部提携先のサイトでも、約2,100万の会員がYahoo! JAPAN IDとパスワードの入力だけで、決済などのサービスを受けることが可能だ。また、外部提携先企業は、スポンサードサーチ(検索連動型広告)に出稿できる。これにより、自動的にYahoo!ウォレットが利用できるサイトであることが検索結果でわかり、提携加盟店への送客効果を高めている。

ヤフー株式会社 R&D統括本部 プラットフォーム開発本部 部長 谷田智昭氏

「加盟店がYahoo!ウォレットを導入する際、会員管理、決済、ポイント管理システムをすべてYahoo! JAPANの基盤の上で提供する環境を用意しています。Yahoo! JAPAN IDという識別子を軸にコマースの経済圏を広げることで、導入サイト自体の価値を上げることが可能です。また、約2,000万の会員を送客することでお客様の利用機会が増えるとともに、売上金額をスポンサードサーチなどの広告に対する引き当てに利用できます」(ヤフー株式会社 R&D統括本部 プラットフォーム開発本部 部長 谷田智昭氏)

すでに、Oisix(オイシックス)、モバゲー、ZOZOTOWN、セブンネットショッピングなどの大手サイトでYahoo!ウォレットが利用可能だ。現時点での利用者の傾向としては、加盟店のサイトに直接訪れたユーザーが決済手段としてYahoo!ウォレットを利用するケースも増えてきている。

外部加盟店には「ツール連携」と「API連携」を用意

Tポイントと連携し、それぞれ貯めて、使うことが可能に

加盟店の決済手数料は3.6%。月額料金は、3,000~5,000円となるが、すでにYahoo!ショッピングに出店中で、ネットラストと契約している加盟店は、無料となる。

Yahoo!ウォレットの利用可能カード

外部加盟店がYahoo!ウォレットを導入する場合、「ツール連携」と「API連携」の2種類の連携方法を用意している。ツール連携では、Yahoo!ウォレットの専用管理ツールを利用して、注文ボタンの作成、注文管理などを行う。API連携では、購入システムや注文管理システムに組み込むことで、在庫連携や独自の送料設定など注文管理を一元化できる。

「Yahoo!ウォレットではID、決済、ポイントの連携を行います。ポイントと決済はパッケージでオープン化しており、IDは『OAuth』もしくはOpen IDのプロトコルを利用しています。決済については基本的に、すべての企業に対してAPIを公開しており、インターネット専業でビジネスを展開している企業の場合、早ければ1~2カ月で導入が可能です」(谷田氏)

外部提携先の開拓では、GMOインターネットグループのpaperboy&coやGMOメイクショップ、決済代行事業者のイプシロンやソフトバンク・ペイメント・サービスなどと提携している。例えば、paperboy&coとGMOメイクショップでは、オンラインショップ構築ASPサービス「カラーミーショップ」と「MakeShop」を利用できる「GMOとくとくポイント加盟店」において、Yahoo!ショッピングとの連携を行っている。これにより、GMOとくとくポイント加盟店の商品情報が、Yahoo!ショッピングへ掲載可能となった。

同社では、外部提携先のセキュリティ面にも最大限、気を配っている。まず、パスワードを安全に取り扱うための仕組みを構築しており、「顧客のパスワードを一方向で暗号化して保管しており、複合化することができません」と谷田氏も自信を見せる。また、ペイメントカードの国際基準であるPCI DSSにも加盟店としていち早く準拠した。

ヤフー株式会社 コンシューマ事業統括本部 ID決済サービス本部 決済企画部 部長 田鎖智人氏

Yahoo!ショッピングでは、カルチュア・コンビニエンス・クラブが提供する共通ポイントサービス「Tポイント」との連携も開始した。これは、Yahoo!ショッピングの利用でTポイントが貯まり、使うことができるもの。

「Tポイントの『TログインID』をお持ちの会員がYahoo!ショッピングにログインしたうえでTポイントが利用できます。ログインをした状態でショッピングの手続きに進むと、裏側で連携をしているTポイントの残高数を表示できます。一度、連携を行うと、Yahoo!ポイント、Tポイントの切り替えを1回1回行うことができ、それぞれ貯めて、使うことが可能です」(ヤフー株式会社 コンシューマ事業統括本部 ID決済サービス本部 決済企画部 部長 田鎖智人氏)

Yahoo! JAPANでは今後、Yahoo! JAPAN IDを軸にして他のポイントプログラムとの提携を進めることも検討している。

鶴ヶ島市で公共施設の予約にYahoo! JAPAN IDを活用

外部提携先でYahoo!ショッピングと同様の売上を目指す

また、Yahoo! JAPANはOpen IDファウンデーションのメンバーとしても活動している。最近では、Yahoo! JAPAN IDのオープンな仕組みを活用してもらうため、国や地方自治体などのプロジェクトに積極的に参加し、Yahoo! JAPAN IDを民間や公共で広く利活用してもらうための取り組みを行っている。すでに埼玉県の鶴ヶ島市などでは、Yahoo! JAPAN IDとパスワードで公共施設の予約ができる実験を行った。

同社では将来的にYahoo!ウォレットを米国におけるPayPalや中国におけるAlipayのような存在に育てていきたいとしている。そのためには、顧客が利用できる面をさらに増やしていくことが求められる。

「弊社としても加盟店に対し、Yahoo!ウォレットの会員の送客を強化していきたい。外部サイトでも、約2万店舗が出店しているYahoo!ショッピングと同等の取扱高を目指していきたいです」(田鎖氏)

まずは、外部提携先での売上の金額をYahoo!ショッピングと同じ数字にすることが当面の目標となる。すでにデジタルコンテンツに関しては、ほぼ同じ割合になっており、その目標が達成されるのはそう遠い日ではないと見ている。

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