表参道ヒルズが全店舗で銀聯カード決済を導入

2011年9月30日8:02

表参道ヒルズが全店舗で銀聯カード決済を導入
欅会と連携し中国人に魅力のある街づくりを目指す

森ビルが運営する「表参道ヒルズ」は、2006年2月のオープン以来、約100店舗の専門店が集い、表参道の核となる文化商業施設となっている。表参道ヒルズが加盟する商店街振興組合原宿表参道欅会(欅会)では、2011年1月から、クレジットカード会社のジェーシービーと提携し、銀聯カード決済をスタート。同施設でも全店舗で銀聯カード取引を行っている。

表参道ヒルズ(森ビル)

2011年の春節を前に銀聯カード決済を導入

JCBと加盟店契約を締結

表参道ヒルズが加盟する欅会では、2011年1月から、クレジットカード会社のジェーシービー(JCB)と提携し、加入する約800店舗の希望に応じて銀聯カード取り扱い環境の整備を進めている。表参道ヒルズでも1月から銀聯カードを全店舗で導入した。

森ビル 営業本部 商業施設事業部 表参道ヒルズ運営室 館長 穐山壮志氏

「原宿・表参道を1つのエリアとして捉えた場合、地域として中国人観光客を受け入れるハード面の整備が必要であると考え、欅会として銀聯カードの取り扱いを進めました」(森ビル 営業本部 商業施設事業部 表参道ヒルズ運営室 館長 穐山壮志氏)

リーマンショック以降、日本の経済は厳しくなっている。それは、商業施設を運営する森ビルにとっても例外ではない。今後は、日本の都市部の人口も減少していくことが予想され、商業施設の売り上げにも大きな影響を及ぼす可能性が高い。その一方で、不動産ビジネスは活況を呈しており、「競争が激化する中で新しい顧客の開拓として、外国人観光客に対するサービスの充実が求められます」と穐山氏は説明する。原宿・表参道エリアでも中国人観光客は増加傾向にある。そうした中、ハード、ソフト両面の整備の充実を図る目的で銀聯カード決済を導入した。

すでに森ビルでは、お台場VenusFort(ヴィーナスフォート)において、銀聯カード決済を国内の他の商業施設に先駆けて導入を開始、2009年に全店導入を完了し、インバウンドの施策として成果を上げている。

欅会では、2010年10月から「訪日観光客誘致プロジェクト」を開始。2011年2月の春節を前に、中国人を中心とした訪日観光客の受け入れ態勢を整えるとともに、ショップスタッフの語学力向上などに取り組んだ。

導入に向けては、JCBと加盟店契約を締結。穐山氏は、「他のカード会社からもご提案をいただきましたが、JCBは青山に本社を構えるため、原宿・表参道との親和性が高く、一緒に街を盛り上げていこうという意識が感じられました」と説明する。

利用単価は表参道ヒルズ利用者平均の約3倍

中国人が訪れる街づくりを目指す

銀聯カード決済については、各テナントが従来使用しているPOSの仕組みに専用のソフトウェア機能を追加した。2011年の『春節』の際は、「スタート直後で告知やプロモーションもそれほど展開しませんでしたが、非常の多くの銀聯カード決済が行われました」と穐山氏は話す。

日本のファッション、文化の中心としてトレンドを発信し続けてきたストリート・表参道の核となる文化商業施設として2006年2月11日に誕生した表参道ヒルズ

その後、震災の影響で訪日中国人の数が減ったため、3月以降は銀聯カード決済の取引も落ち込んだが、「現在は導入時の7割程度の数字まで回復しており、来年の春節ではさらに高い取引が行われると期待しています」と穐山氏は語る。利用者の購入単価についても、表参道ヒルズ利用者の平均の約3倍と高い数字を示しているという。表参道エリアを訪れる中国人観光客は個人客が大半を占める。また、富裕層が多いため、決済単価が高くなっていると同社では考える。表参道ヒルズでは、免税対応店舗も設置しているが、同店舗でも銀聯カード決済の売り上げが伸びているという。

現在は、震災の影響もあり積極的なプロモーションは行っていないが、「エリアとしての魅力を高め、中国人観光客への認知度が高まることにより、年々、銀聯カードの利用率は高まると期待しています」と穐山氏は説明する。

指さし会話シートなど中国人へのサービスも強化

JCBでは多言語コールセンターを設置

中国人観光客に向けてのサービスも強化している。表参道ヒルズでは、欅会主催の語学研修への参加、指さし会話シートの設置、留学生インターンの制度導入によるコンシェルジェカウンターへの中国人留学生ワークインターンの配置などを行っている。

銀聯カードのアクセプタンスマーク

JCBでは、1月17日から3月31日まで、銀聯カードの利用対象店舗に対し、顧客とのコミュニケーションの中で言語対応に困った際、コールセンターを通じて通訳サポートを受けることができる「多言語コールセンター」を設置した。また、「中国で発行しているパンフレットに表参道ヒルズなど、原宿・表参道エリアの店舗の情報を掲載する取り組みを行いました」とジェーシービー 加盟店本部 加盟店営業部 アカウント営業推進グループ 田中美千子氏は説明する。JCBでは2014年3月末までに、国内の銀聯カード導入加盟店数4万店を目標としているが、「加盟店への導入は目標通り、順調に進んでいる」(田中氏)という。

参道ヒルズでは、銀聯カード以外にクレジットカード決済が利用できる。森ビルでは、表参道ヒルズと六本木ヒルズ等のクレジットカード機能が付いた共通ポイントカードである「コミュニティパスポート」(MasterCardブランドを付帯)を発行しているが、総売り上げに対する会員の平均売上比率は50%近い数字となっており、ポイントキャンペーンやプレゼントセールなどの実施の際には50%の売上を超えることもあるという。なお、電子マネーについては決済単価が高いため、現状のニーズはそれほどなく、様子見の状態だ。

穐山氏は、欅会の副理事長も務めており、原宿・表参道の街全体の魅力を高める取り組みにも力を入れている。今後も表参道ヒルズでは、最先端のファッションが楽しめる表参道の核となる施設として、外国人の観光客が買い物を楽しめる環境の整備を進める方針だ。

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