NFC対応チップの開発やプラットフォーム事業の準備を進める(フェリカネットワークス)

2012年3月14日8:00

NFC対応チップの開発やプラットフォーム事業の準備を進める
おサイフケータイの8年間の運用実績を生かし、NFC対応サービスを展開へ

フェリカネットワークスは、「おサイフケータイ」(FeliCa搭載携帯電話)のプラットフォーム運営事業、FeliCa技術のライセンス事業を担ってきた。同社ではおサイフケータイで培ったノウハウを生かし、NFC対応チップの開発やプラットフォーム事業についても準備を進めている。

フェリカネットワークス

2013年にNFCコントローラの導入を目指す

国内3キャリアが求めるチップを提供へ

2004年に誕生したおサイフケータイは、2011年9月末現在で、累計出荷台数約1億8,100万台に達している。フェリカネットワークスでは、モバイルFeliCa ICチップ内のメモリ領域管理と運営を行っており、現在、約100のサービスが展開されている。
同社がおサイフケータイのサービスを開始して8年が経過したが、「おサイフケータイを利用するすそ野は確実に広がっています」とフェリカネットワークス 企画部 部長 塩谷啓二氏は自信を見せる。

従来のおサイフケータイと互換性を保ちながら、グローバル標準規格であるNFC機能を取り込むことで、日本でも世界でも使えるおサイフケータイを実現へ(出典:フェリカネットワークのWebサイト)

2010年からは、おサイフケータイ専用アプリ「ピットモット」に加え、モバイルFeliCa ICチップにアクセスするための専用アプリ「おサイフケータイWebプラグイン」と同アプリによって生成される領域を利用した「かざすフォルダ」サービスを開始。大手企業以外でも可能なサービス展開を目指している。

「かざすフォルダでは、Webブラウザベースでアプリケーションが処理できるため、コンテンツプロバイダー様は、従来より安価にシステムの開発が可能となり、好評をいただいています」(塩谷氏)

同社では、国内で培ったおサイフケータイのノウハウをベースに、韓国のサムスン電子やオランダのNXPセミコンダクターズと連携し、従来のFeliCaに加え、TypeA/Bに対応したNFCコントローラの開発を進めている。すでに、スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress」に出展し、デモ展示を実施。2013年末の製品化を目指している。フェリカネットワークスでは、「FeliCaはNFCの中の一部である」と捉えており、NFCコントローラは、TypeA/BとFeliCa対応リーダやおサイフケータイ機能搭載の携帯電話との互換性を実現するという。

現在、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルが「モバイル非接触ICサービス普及協議会」を立ち上げ、NFCの展開について協議を行っているが、「各キャリアが求める仕様のチップやプラットフォームサービスを用意していきたい」と塩谷氏は意気込みを語る。

TSM事業ではグローバル展開をサポート

FeliCaのサービスにTypeA/Bをアドオン

また、FeliCa以外の非接触IC技術方式へ対応した、NFCプラットフォーム事業(TSM事業)について準備を進めており、グローバル展開を行う企業をサポートする予定だ。

右からフェリカネットワークス 企画部 部長 塩谷啓二氏、プラットフォームサービスビジネスユニット プラットフォーム事業推進部 市場開発課 マネジャー依田泰典氏

国内ではすでに数多くの企業がFeliCaのサービスを提供しており、それを利用する人も多い。同社では、今後もFeliCaのサービスをベースで行い、それにアドオンする形でTypeA/Bのビジネス領域にも取り組んでいく方針だ。

「弊社では、これまでのFeliCaのフォーマットにNFCを追加する方法で考えており、あくまでも『正常進化』していきたいと考えています。TypeA/Bであっても基本的な料金は変わりませんが、コンペチターが登場すれば、それに合わせ柔軟に対応していきたいと考えています」(塩谷氏)

なお、プラットフォーム事業の展開の際は、FeliCaとTypeA/Bの運用を効率的に行って行き、CP様に二重運用などが発生しないようにFeliCaを使ったサービスとTypeA/Bを使ったサービスで差が出ないよう構築していくことを考えている。

同社では、NFCが登場したからといって、交通乗車券や電子マネー決済などのインフラが大きく変わることはないと考えている。しかし、PtoPモードやリーダライタモードなどを活用した簡易的なアプリケーション、国際ブランドが提供する決済などは大きな市場が見込めると期待する。

また、国内だけではなくグローバル展開も見据えているが、海外のサービスインフラに関しては課題も多いと指摘する。

「海外では180箇所でNFCのトライアルが行われていますが、仕様の統一など課題も多く、実際にローンチして幅広く利用されているサービスは日本のおサイフケータイのみであると思います。また、NFCはグローバル標準と言われていますが、SIM上でサービスを展開する携帯キャリアとのアライアンス、セキュアエレメントの管理など、定まっていないことが多いのも事実です。弊社では国内で8年間、おサイフケータイの運用実績がありますので、その強みを生かせると期待しています」(塩谷氏)

売上については非公表だが、塩谷氏は、「NFCの普及により、かざす文化がさらに広がればおサイフケータイの展開にとってもプラスになると考えています。日本は携帯やスマートフォンを利用したサービスで先行していますので、この実績をベースに携帯キャリア様やサービス事業者様のグローバル展開をサポートしていく方針です」と意気込みを語った。

リアル送客サービスが日本郵政で採用

都内1,500店舗での口座開設で提携しているメディア企業のポイントが貯まる

なお、フェリカネットワークスでは、おサイフケータイを活用した「リアル送客サービス」を展開しているが、メディア会員や店舗企業が順調に拡大しているという。

大手モバイルサイト/会員サイトの会員が店舗来店した送客実績に応じた成果報酬型の集客手法となる「リアル送客サービス」(出典:フェリカネットワークのWebサイト)

同サービスは、DeNAの「mobage」、ロイヤリティマーケティングの「Ponta」、ANAの「ANAマイレージクラブ」などの会員に来店や購買を促す広告を配信し、リアルで展開する加盟店に送客するサービスである。2011年秋からはリアル加盟店での導入が増えており、送客率も高い結果となっている。

同サービスでは、2012年2月から、日本郵政での採用が決定。日本郵政では、郵便局、ゆうちょ銀行の都内約1,500店舗で口座の開設を行うと提携しているメディア企業のポイントやマイルが貯まる施策を開始する。

「日本郵政様では、新規にお客様が口座を開設するにあたり、響く施策を求められていました。多くの会員を有するメディア企業と個別に提携をすると相当程度の手間やコストが掛かります。弊社が提供するサービスは費用が低廉で、実際に来店して口座を開設した時に報酬をいただく成果報酬制となっていることをご評価いただきました。システム開発等が不要で読取端末を設置することでサービスを実施できる手軽さもメリットの1つです」(フェリカネットワークス プラットフォームサービスビジネスユニット プラットフォーム事業推進部 市場開発課 マネジャー依田泰典氏)

日本郵政では都内の郵便局検索ページにバナーを掲載し、利用者への訴求を行う。

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