国内発行のクレジットユーザーを中心にQUICPayの利用を積極的に訴求(JCB)

2012年4月17日8:00

国内発行のクレジットユーザーを中心にQUICPayの利用を積極的に訴求
他のポストペイ/電子マネーもあわせて提案し、非接触IC決済の裾野を広げる

ジェーシービー(JCB)では、2005年4月から、後払い(ポストペイ)方式の電子マネー「QUICPay」を展開している。同社では、2011年下期からQUICPayを再強化し、JCBブランド会員への利用の訴求、利用できる加盟店の開拓を積極的に進めるという。

ジェーシービー

積極的な広告宣伝を行わずとも取扱高は上昇

QUICPay利用者の稼働率はそのほかのクレジット会員を上回る

ジェーシービー(JCB)が推進する非接触IC決済「QUICPay(クイックペイ)」の2011年6月末時点での会員数は460万人、端末台数は26万6,000台となっている。

同社を中心とする非接触IC決済の普及を目指す「モバイル決済推進協議会」は、2011年9月に解散した。同社でも一時、積極的なQUICPayの広告宣伝等は見合わせていたが、2011年9月に今後の方向性について議論し、その結果、2011年度下期以降、再強化する方針で固まった。

「弊社では昨年度上期まで、QUICPayの積極的な広告宣伝は控えておりましたが、その期間においても取扱高は伸びています。カード会員を見ても、純粋なクレジットカード会員と、QUICPay利用者を比較すると、後者のほうが全体の利用金額が高い結果となりました」(ジェーシービー ブランド事業統括部門 QUICPay事業推進室 次長伊集院康弘氏)

会員数に関しては、2010年12月と比較し、2011年6月の公表数値は減少している。その点についてジェーシービー ブランド事業統括部門 QUICPay事業推進室部長代理 古賀康介氏は、「昨年6月の段階では、サービス開始時に大量に獲得したクレジットカード会員の退会に伴い減少しましたが、稼働会員の一カ月単位での利用金額については、毎年伸びています」と説明する。現状、新規に入会されるカード会員の稼働率は2~3割となっているが、同社ではこの数字をさらに高めていきたいとしている。

QUICPayの決済単価は約1,700円。古賀氏は、「単価の低いコンビニエンスストアと、高単価のガソリンスタンドとに二極化しています」と説明する。

アクワイアリングはJCB、トヨタファイナンスが中心

QUICPay以外のポストペイ/電子マネーもあわせて導入を目指す

加盟店開拓については、従来JCB、トヨタファイナンスが中心となり行っているが、「今後は他のカード会社様にも積極的にアクワイアリングを実施してもらうとともに、クレジットカードを発行する国内イシュア様にもQUICPayを会員に利用してもらう効果を訴求していきたい」と力を込める。

ジェーシービー ブランド事業統括部門 QUICPay事業推進室 次長伊集院康弘氏

また、最近では複数の決済ブランドを加盟店が導入できるマルチ決済端末のラインアップが増えてきた。それに伴い、加盟店がポストペイや電子マネーを導入する環境が整備され、アクワイアラも加盟店開拓を行う環境が整ってきたそうだ。現状、QUICPayを導入する加盟店については、他のポストペイ/電子マネーと同時に採用するケースが多いという。

「加盟店さんとしては、ポストペイ/電子マネーの導入など、決済の間口を広げたいという思いはありますが、投資コストは最小限に抑えたいのが実情です。また、われわれの本業であるクレジットカード決済の導入を広げる観点でも複数のポストペイ/電子マネーへの対応は必須であると感じています」(古賀氏)

現在、子会社の日本カードネットワークでは、他の電子マネーを含めたマルチ決済端末をすでに保有しているそうだ。また、最近ではポストペイ/電子マネーの各種情報をサーバ側で管理するシンクライアント型の端末も登場しており、すでにQUICPayはトランザクション・メディア・ネットワークスの端末に対応している。

JCBでは、セブン-イレブンなどクレジット加盟店においてNTTドコモが推進するポストペイ「iD」や「nanaco」、「Suica」など他の電子マネーのアクワイアリングも行っているが、「弊社として、将来的には、QUICPay以外のアクワイアリングでも十分な収益を確保できるようにしていきたいです」と古賀氏は話す。

具体的な施策としては、「まずは自社のJCBブランド会員に対し、利用明細書などで訴求していくことからスタートしたいと思います」と伊集院氏は説明する。当然、同社発行のカードだけではなく、クレジットカードを発行する国内イシュアに対してもQUICPayの良さをPRしてもらいたいとしている。

JCBでは以前、QUICPayの一体型クレジットカードも発行していたが、会員に十分なサービスの認知向上を図れなかったため、今後は携帯やスマートフォンを活用したQUICPayの利用促進策の提供も積極的に考えていきたいとしている。

将来的にポストペイは必ず消費者に受け入れられると期待

TypeA/Bベースの決済には慎重な姿勢を示す

具体的なQUICPayの目標取扱高については、2014年度末までに数千億円規模を目指す方針だ。伊集院氏は、「非常に厳しい目標ではありますが、チャレンジしていきたいです」と意気込みを見せる。また、2014年までに40万台の決済端末設置を目指している。強化する業種としては、「利用ニーズの高いスーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニエンスストアなどを中心に営業を行っています」と古賀氏は説明する。

 

ジェーシービー ブランド事業統括部門 QUICPay事業推進室部長代理 古賀康介氏

伊集院氏は、「将来的には、料金のチャージが不要で、月々の料金が自動的に引き落とされるポストペイのメリットを自発的にご理解される会員は増えると思います。我々としては、2013年度には右肩上がりに成長すると感じています」と期待する。また、「QUICPayは、他のポストペイ/電子マネーに比べても規模という意味で劣後にいると思います。まずは先行している事業者を追いかけつつ、会員への訴求をしっかりと行っていきたいです。弊社には航空やガソリンスタンドなどの有力なパートナーとも関係があり、FCネットワークもありますので、その長所を生かすことで、JCBならではの展開力の強化を図っていきたいです」と自信を持って語った。

なお、TypeA/BベースのNFC決済については、JCBでは海外で「J/Speedy」を提供している。ただ、国内については、FeliCaベースの決済が普及しており、「現状、NFCとなるからという理由でお客様にとっての利便性が向上するものでもなく、必ずしもデバイスの変更が会員数の伸張や、取扱高が増えるとは想定していません。お客様の動向を見ながら、対応の検討を進めて参ります」と古賀氏は慎重な姿勢を示した。

⇒⇒⇒特集トップへ

page toppagetop