2013年3月1日8:00
世界に広がるモバイルQR決済
☆☆☆ 日本の発明がモバイルで躍進 ☆☆☆
QR Payment
日本カードビジネス研究会 代表 佐藤 元則
メイドインジャパンの発明が、モバイルの普及によって、世界中で注目を集めだした。その発明とは、QRコードである。
なぜいま世界中でQRコードなのか。それは携帯電話やスマートフォンのほとんどがカメラつきで、QRコードを読取れるからである。いままでは専用のQRコードリーダが必要だった。
世界中の携帯電話がQRコードを読取れるのであれば、それを使ってビジネスしようと思うのは、ごく自然のなりゆき。特にモバイル決済での活用がめざましい。汎用性に加え、いますぐに使えるという即時適応性が支持されている。
当初モバイル決済の中軸として注目されていたNFC非接触決済。しかし、いつまでたっても離陸しない。これを尻目にモバイルQR決済はつぎつぎテイクオフし、高度を上げている。
スターバックス・モバイル、アップル・パスブック、スクエア・ウォレット、レベルアップ、フラッシュンペイ、キュースルーなど、モバイルQR決済が続々と飛翔している。
世界のモバイルQR決済は、どのようにQRコードを使っているのだろうか。決済手段をパワーアップするプラスアルファの活用法があるようだ。
●スマートフォン利用者の約半数がスキャン
QRコード(Quick Response Code)は日本で発明されたものである。デンソーが1994年に開発した2次元バーコードで、四角形のなかに多くの情報を格納できるのが特徴だ。
さまざまな情報にすばやくアクセスできることから、クイックレスポンスコードと呼ばれている。
それがいま、携帯電話の普及によって、世界中で活用されていることは誇らしい。QRコード規格に準拠したものは、特許権を行使しないというのもいさぎよい。だから世界中で使われるようになった。
従来のバーコードは、横方向にしか情報をもたせることができなかった。QRコードは四角形なので、縦と横の両方向に情報をもたせられる。小さなスペースながら大容量で、数字や英字、漢字・かな文字など多様なデータを格納できる。
QRコードはもともと自動車部品の在庫管理に開発されたものだが、自動車以外の広い分野で使われるようになった。
商品の成分やカロリー、製造国などの詳細情報の提供。Webアドレスやレシート詳細、イベントやショップへの誘導。E-mailアドレスや電話番号、名刺のデジタル登録。クーポンや航空券の代替表示。QRコードの可能性ははかりしれない。
カメラつきの携帯電話のほとんどがQRコード対応になっている。いちいち入力しなくても、QRコードをスキャンするだけで簡単に情報を登録したり、アクセスしたりできるようになった。
2012年時点で、毎月2,500万人以上がQRコードをスキャンしている。これは前年対比400%アップという飛躍的な上昇だ。iPhoneユーザーの40%、アンドロイドユーザーの48%が、商品やサービスの詳細情報取得のためにQRコードをスキャンしている。