「無印良品」が顧客との時間を共有させる体験型のO2Oを展開

2013年4月10日8:00

「無印良品」が顧客との時間を共有させる体験型のO2Oを展開
リアルとネット間のシームレスな連携で顧客の購買行動をスムーズに

いち早くソーシャルメディアを活用した取り組みに着手し、独自のプロモーション施策を展開しているのが、「無印良品」を運営する良品計画だ。同社では、Online to OfflineおよびOffline to Onlineの双方の流れがスムーズに進む形でのO2O実現を目指し、キャンペーンなどを積極的に行っている。

隠れた逸品的な商品を伝えるチャネルとしてTwitterを運用
Facebookのコメント機能で顧客の意見を可視化

良品計画のSNSの取り組みは、2つの課題解決が目的としてあったという。1つ目は、無印良品は約7,500アイテムを取り扱っているが、テレビCM、チラシ、Webサイト、メールマガジンなど、既存のメディアで取り上げられる商品はわずかで、こういったメディアでの露出が無い商品でも、顧客に伝えたい、優れた商品が数多くあった。その解決の場として注目したのが、2009年10月にスタートしたTwitterである。いわゆる、隠れた逸品的な商品を伝えるチャネルとして、運用を開始した。

カレープロモーションの一環として実施した「MUJI福カレースゴロク」

また、もう1つの目的は、顧客からの意見の反映だ。良品計画では2001年から、Webを通して顧客と意見交換を行い、それを商品開発につなげる「モノづくりコミュニティー」という活動を実施してきた。同取り組みから、「体にフィットするソファ」や「持ちはこびできるあかり」など、今では無印良品を代表するような商品も誕生している。「モノづくりコミュニティー」は、2009年、商品に限らず生活スタイル全般を顧客と考える場である「くらしの良品研究所」に発展し、活動を続けている。この「くらしの良品研究所」では、毎週コラムという形で無印良品からのライフスタイル提案を発信し、それについての意見を顧客からもらっている。毎週多くの意見が寄せられるというが、「そのご意見を活かしきれていない(届いたご意見を提示するには、選定、編集、Webページ作成等の手間や時間がかかる等の理由)という課題を抱えていました」と同社では説明する。

そこで注目したのが、Facebookのコメント機能だ。この機能を自社サイトに実装することにより、寄せられた意見のリアルタイムな可視化、Facebookページと自社サイトの連携による意見数増を目的として、Facebookページを開設した。

「MUJI福カレースゴロク」では1人あたり約50分の時間を共有
「KNIT Like COLLECTION」では「いいね!」数をリアルで確認

同社では、ソーシャルメディアと連携した体験型のキャンペーンを積極的に展開している。まず、2011年12月26日~2012年1月10日の期間、カレープロモーションの一環として、「MUJI福カレースゴロク」というキャンペーンコンテンツを実施した。これは、2011年から「my MUJI」(ソーシャルレビュー)、「MUJI LIFE」(ソーシャルゲーム)といった、ソーシャルメディアアカウントで連携して楽しむサービスの一環で、スゴロクをプレイする中で、無印良品のカレーのラインナップに触ったり、店舗で引き換えができる無料カレークーポンを獲得することができるゲームコンテンツとなった。

このスゴロクで提供した1万枚の店舗で引き換え可能なレトルトカレー引き換えクーポンは、のべ9.761人が利用。Webを接点とする店舗送客につながり、対象商品(レトルトカレー)の売上も、計画比203%と大きく伸長したそうだ。また、このスゴロクキャンペーンへの参加人数は2万8,256人、総プレイ回数は約300万回となった。

「スゴロク一回あたりの所要時間が30秒なので、1人あたり約50分の方が、無印良品と接点をもったことになります。単なる売上結果だけでなく、50分という時間を共有できたことにも大きな価値を感じています」(良品計画)

「いいね!カウンター」を採用して有楽町店で行った「KNIT Like COLLECTION 」

また、2012年11月16日~26日まで、凸版印刷提供の「いいね!カウンター」を日本で初めて採用した店舗とSNSの連携企画「KNIT Like COLLECTION (ニットライクコレクション)」を旗艦店である無印良品 有楽町にて開催した。同取り組みは、無印良品の定番商品「首のチクチクをおさえた洗えるタートルネック」を中心とした婦人、紳士合計10体からお気に入りのコーディネイトに「いいね!」をクリックしてもらうものである。コーディネイトはWebで確認できると同時に、無印良品 有楽町で実物を閲覧可能だ。また、「いいね!カウンター」採用で、オフラインの店舗でも「いいね!」数をリアルで確認することができた。

その結果、対象商品の「首のチクチクをおさえた洗えるタートルネック」の売上は前年比134%にアップ。店内のいいね!カウンターにも多くの顧客に興味を持ってもらったそうだ。また、日本初のいいね!カウンター導入ということもあり、数多くのメディアの注目も集めたのも収穫として挙げられる。良品計画では、「今回は単店のみでの実施でしたが、同様の体験を複数店舗で如何に実施するかが1つの課題です」とコメントしている。

「みんなの手作りヘクセンハウス」を全国の無印良品で開催
お菓子の街ジオラマを設置した有楽町店には約15万人が来場し、対象商品の売上が前年比328%に

また、2012年12月にはクリスマス企画としてクリスマスキャンペーン「みんなの手作りヘクセンハウス」を全国の無印良品で開催した。クリスマス商戦の主力商品である「自分でつくる お菓子づくりを楽しむヘクセンハウス」の売上最大化を目的として実施したという。

お菓子の街ジオラマを設置した有楽町店

昨今、O2O(Online to Offline)という言葉が声高に語られているが、Online to Offlineの一方向のO2Oではなく、Online to Offline、Offline to Online、双方の形の共存が顧客の購買行動に即した形だと考え、店舗とWeb、どちらも入り口になるような設計でキャンペーンを構築したそうだ。

結果として、お菓子の街ジオラマを設置した有楽町には約15万人が来場し、「自分でつくる お菓子づくりを楽しむヘクセンハウス」の売上が前年比328%となるなどの成果を生んだ。また、写真撮影可の案内の明示とSNSに投稿された画像もジオラマ内やWebコンテンツの一部に使用したことで、顧客に参加型の新しい店舗体験を提供することができたという。

良品計画では今後も、Twitter、Facebook、mixiともに、各プラットフォームの特性を活かしながら、アカウント運用を継続していきたいとしている。同社では、購買情報だけではわからなかった顧客の行動を蓄積し、より精度の高い効果的なアプローチを実施していきたいとしている。

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