2013年4月30日8:00
ソーシャルで加速する金融サービス
☆☆☆ ソーシャルは金融サービスの加速器 ☆☆☆
Social Accelerator
日本カードビジネス研究会 代表 佐藤 元則
●ソーシャルでまたたく間にビッグビジネス
世界中でソーシャルメディア利用者が拡大している。フェイスブックの実利用者数は全世界で7億人、グーグルプラス3.5億人、動画ソーシャルのユーチューブ3億人、ミニブログのツイッター2.9億人、プロ集団のリンクトイン2億人、写真シェアリングのインスタグラム1億人、スクラップブックのピンタレスト6,000万人。数年前に立ちあがったベンチャーがあっという間に世界を席巻する。ソーシャルメディアのパワーである。
日本はどうか。フェイスブック利用者が1,700万人、ツイッター1,300万人、ミクシー500万人、グーグルプラス400万人となっている。無料通話・メールアプリのライン(Line)の日本の利用者数は4,000万人強だ。世界ではサービス開始から19カ月で1億人を突破した。
ニールセン調査によると、米国消費者がパソコンのオンライン利用時間の20%がソーシャルメディア。スマートフォンでは30%の時間をソーシャルメディアに使っている。その合計は月間約20億時間。ちょっと大きすぎてイメージできない。
米国インターネット利用者で、2013年1月にユーチューブなどのオンライン動画をみた人は18億人。動画をみた件数は362億件だった。ひとりあたり月間20件みたことになる。テレビ番組よりユーチューブのほうがおもしろいという人も多い。
2013年2月24日第85回アカデミー賞についてのツイートは1日で890万件になった。平常時の月間利用者数は2億人だ。1日平均667万件である。テレビをみながらツイートする。その大半はスマートフォンからのツイートだ。
ソーシャルメディアのパワーとはなにか。仲間と瞬時に情報共有できることであろう。文字だけでなく、写真や動画、音声、絵柄入りスタンプなど、伝えたい内容をさまざまに表現できるようになった。画一的な旧来型のテレビや雑誌、ニュース、あるいはE-mailとはまったく違うおもしろさとなって伝搬する。同じ趣味志向の仲間がネットワークにつながってひろがっていく。
ソーシャルメディアを金融サービスの加速器として使おう。そういう野望家が今回のテーマである。
アメックスはスモールビジネスを支援するキャンペーンにソーシャルメディアを活用。フェイスブックやツイッターを通じ、わずか3週間で120万人のファンを集め、市長や州知事、オバマ大統領までも登場して全米を巻込むムーブメントになった。
フェイスブックを利用してギフトカードサービスを提供するスウェーデンのラップの実績はすごい。サービスインしたのが2011年11月。それから14カ月後の2012年1月、100万ユーザーに達した。2013年2月21日には、贈られたギフトカードの利用件数が100万件を超えた。
ツイッターというソーシャルメディアを土台にして、世界初のツイッター決済を開発したペイ・ウイズ・ア・ツイート。サービスをスタートして最初の6カ月で40万人が利用。2013年4月時点で400万人以上がこのサービスを利用して、デジタルコンテンツをダウンロードしている。
ビジネスの勝機は地の利、時の利、人の利にあるといわれる。ソーシャルメディアは世界という地をカバーする。ソーシャルメディアの大きなうねりは、まさに時の利。ソーシャルでつながる人的ネットワークは人の利。ソーシャルを加速器にすれば、あっという間にビッグビジネスに育てることができる。
ソーシャルのリスクをモノともせず、ソーシャルの拡散力に挑戦する野望家たち。かれらはソーシャルメディアをどのように活用しているのだろうか。