2013年6月6日9:00
米小売流通はクレジットカード手数料が高すぎるとして、VisaやMasterCardを独禁法違反で訴えている。それに対し、国際ブランドや米銀は調停に持込もうとしているが、米国小売協会は反発している。
調停は降伏(surrender)に等しいとして、連邦裁判所に調停を受付けないように要請したのだ。
米国小売協会の見積もりによると、国際ブランドは年間300億ドル、約3兆円も消費者価格をつり上げているという。クレジットカード手数料を下げれば、もっと消費者に安く売れるというのだ。
しかし、現金がカードに置き換わることによって、処理スピードのアップやセキュリティの強化、事務手間の削減など、小売流通は多くのメリットを享受している。その価値は3兆円では足りないだろう。
消費者のためという御旗のもとに、紛争を吹っかける大手流通。結局は自分たちの利益のためであって、消費者のことは考えていない。
カードがいやなら、支払いを現金だけにすればいい。現金なら2%割引とうたえばいいだけである。現金を選ぶかカードを選ぶかは、消費者に任せればいい。
デビットカードの手数料を下げさせ、今度はクレジットカード。デビットカードの手数料は下がったが、消費者に還元されたという話は聞いたことがない。
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※本記事は日本カードビジネス研究会代表 佐藤元則氏の「カードBizと僕の勝手気ままログ」をご紹介しています。