電子マネーによるトラベラーズカードを観光プロモーションに活用

2013年6月5日9:20

観光プロモーションの1つに国内外の旅行者を対象としたいわゆる“トラベラーズカード”がある。トラベラーズカードには、特定の都市における観光施設のアクセスができる「シティトラベラーズカード」、旅行者向けに限定し、コンタクトレスIC交通カードをベースにして、土産物店やレストランなどのディスカウントサービスなどが付帯された「IC乗車券を用いたトラベラーズカード」、磁気カードのオープンループのオンラインプリペイドカード機能を用いた「オープンループのオンラインプリペイドカードを用いたトラベラーズカード」の3つのタイプがあり、欧州や米国、アジアなどで観光誘致のプロモーションに活用されている。

2008年に発行された「YOKOSO! Japan Card」サンプル。電子マネー「nanaco」を搭載し、フェリカポケットの機能も搭載されていた(出典:社団法人日本観光協会)

ヨーロッパや北米の主要な観光都市では、従来からシティトラベラーズカードの取り組みが積極的に行われていて、我が国の個人旅行者の間でもリピーターを中心にこうした欧米のシティトラベラーズカードの愛用者も多い。アジアにおいては、近年の経済発展に伴って観光ブーム、旅行ブームが起き、シンガポール、香港、韓国、中国などではIC乗車券を用いたトラベラーズカードやオンラインプリペイドカードを用いたトラベラーズカードが積極的に発行されている。特に中国では2008年の北京五輪や2010年の上海万博、広州アジア大会などを機に国内旅行が急増し、銀聯カードをベースにした上海トラベルカードなどオンラインプリペイドカードを用いたトラベラーズカードが中国各地で発行されている。また、首都ソウルや釜山などの主要都市でIC乗車券を導入している韓国やシンガポール、香港、台湾、中国の上海や北京、天津などでは、IC乗車券を用いたトラベラーズカードの発行が積極的に行われている。

日本でも社団法人日本観光協会が訪日外国人旅行者の利便性向上に向け「YOKOSO! Japan Card キャンペーン実行委員会」を組織し、非接触 IC カード技術(FeliCa)を利用したJR東日本の「Suica」およびアイワイ・カード・サービス(現セブン・カードサービス)の「nanaco」にそれぞれオリジナルデザインを施した「YOKOSO! Japan Card」を活用し、外国人旅行者に東京都内及び近郊において同カードを利用したポイントラリーに参加してもらうキャンペーンを2008年に行った。

また、トラベラーズカードは、そう遠くない先に、旅行者が旅先で持ち歩く一台の“NFC”(Near Field Communication)対応の“スマートフォン”がこれらすべての機能やサービスを代替するようになると思われる。“スマートフォン”には、観光情報の提供のみならず、ナビゲーション機能やクーポン機能、チケット機能、IC電子マネー機能、IC乗車券機能、さらには会話の翻訳機能などをすべて持ち合わせることが可能となるからだ。

書籍「世界の電子マネー・プリペイドカード市場要覧」では、「世界のトラベラーズカードとIC電子マネー」について紹介している。

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