NFCの普及がさまざまな分野で進む(下)

2013年8月1日8:23

NFCタグの読み取りには、スマートフォンをリーダとして活用できるというメリットがある。また、NFCタグも繰り返し書き換えて利用することが可能だ。その強みを生かし、さまざまな分野でNFCの活用がスタートしている。本日も書籍「NFCパーフェクトガイド」から、各分野でのNFCを利用した取り組みについて紹介する。

「再発見・日本の食卓 テイスティングフェスタ」各ブースには読取端末が置かれ、購入したい商品の札とチケットのタグを読み込ませることで購入手続きが完了

イベント分野では、国内及び海外で、今後数多くの事例が生まれそうだ。イベントの企画、立案、運営を行うJM&カンパニーでは、「アペリティフの日」や「再発見・日本の食卓 テイスティングフェスタ」といったワインイベントにおいて、NFCタグとスマートデバイスを活用したシステムを運用している。NFCタグによるスムーズな入場やポイントによる金銭管理に加え、正確な販売実数や消費動向の管理などにも役立てている。

街コンブームの火付け役になった横浜の「濱コン」(運営:DAS)では、NFCとスマートフォンを活用した「街コン支援システム」を開発し、運用している。NFCを利用した店舗の管理機能では、イベントスタッフが持つ専用アプリをインストールしたAndroidスマートフォンで、参加者のICチップ付きリストバンドを非接触でタッチすることにより情報を取得し、リアルタイムに全店舗の席数状況の見える化を図ることが可能となった。

「街飲み@新大久保」実行委員会では、2013年2月23日、24日の2日間、街飲み@新大久保の企画としてNFCスクラッチゲーム「そろえてKOREA」を実施した。参加者は、「かざすちゃん」カードを5つの拠点でスマートフォンにかざしてゲームを楽しんだ。

また、NFCラボは、2012年11月17日、NFC技術を利用した世界初の商店街でのイベント「Touch ♪Downtown 六角橋」を神奈川県横浜市の六角橋商店街で開催している。

特定の地域におけるNFCを活用した情報配信にも期待が高まる。シブヤテレビジョンは、サイバーエージェント、凸版印刷、渋谷駅周辺の各商店街組合と共同で、渋谷駅周辺の街路灯約300本にNFC対応のNFCタグ内蔵シールを設置し、NFC搭載スマートフォンをかざすとお得な情報が取得できる「Shibuya Clickable Project(シブヤクリッカブルプロジェクト)」を2013年6月10日から開始した。街路灯約300本にNFCタグ内蔵シールを設置。「シークレットクーポン」など厳選した情報を提供している。

また、実験としては、銀座の「東京ユビキタス計画・銀座」、ワイエスシーインターナショナル、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社および韓国のSKプラネット、キュエンソルブと共同で「新大久保NFCクーポンサービス」実現に向けた実証実験等が展開されている。

薬剤管理の分野では、大阪府薬剤師会が、NFC(FeliCa)対応スマートフォン等を活用し、お薬手帳を管理する「大阪e-お薬手帳事業」を実施している。現在、日常的にお薬手帳を持参する人は約40%だが、スマートフォンを活用したシステムを提供することで、残りの約60%の利用者のニーズを満たしていきたいとしている。また、日本薬剤師会などと連携し、将来的には全国展開につなげる方針だ。

水路の変状発生地点にNFCタグを添付する動きも見られる。農研機構農村工学研究所では、農業用水路の点検にNFCタグシステムを活用すべく取り組みを進めている。2013年4月にはプロトタイプを作成し、8月には実証実験を行う予定だ。

ライオンズ立川グランフォートには約30カ所にNFCタグのスポットを設置

また、マンション分譲から仲介・管理・リフォームまで手がける大京グループでは、マンションギャラリーにおける「接客改善」の取り組みとして、2013年2月9日にグランドオープンした「ライオンズ立川グランフォート」のマンションギャラリーから NFCタグを利用し、7インチのタブレット型PCをかざすことにより動画を取り込んで説明する営業手法を採用している。

ここで紹介したNFCの活用はほんの一例に過ぎない。また、NFCを活用した取り組みは緒に就いたばかりであり、今後もさまざまな分野でNFCの活用が進むと思われる。

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