カード会員にプレミアム・コンシェルジュ・サービスを提供する「Aspire Lifestyles」とは?

2013年11月11日8:00

カード会員にプレミアム・コンシェルジュ・サービスを提供する「Aspire Lifestyles」
高付加価値かつ高ホスピタリティなサービスにより顧客ロイヤリティ向上へ

国内でもプラチナカードを中心に、カード会員への付帯サービスとしてコンシェルジュ・サービスを提供する企業がある。インターナショナルSOSが提供する「Aspire Lifestyles(アスパイヤー・ライフスタイル)」は、ラウンジ、ファーストトラック、送迎サービスなどの「空港VIPサービス」、緊急トラベル・医療アシスタンス、医療アドバイスなどの「グローバルアシスタンス」、都市情報や医療事情提供などの「オンライン渡航情報」など、多様化する顧客のニーズに対応した新しいコンセプトのコンシェルジュ・サービスを提供している。

900名以上のコンシェルジュスタッフを有す
カード会社と契約し、黒子となってコンシェルジュ・サービスを提供

internationalsos2インターナショナルSOSは、グローバルでアシスタンスサービスを提供している企業として№1の実績を誇る。従業員は約1万人。そのうちECサービスが1,200名、コンシェルジュ・サービスが900名となっている。

同社では、銀行やクレジットカード会社を対象としたコンシェルジュ・サービスを20年以上にわたり展開してきた。これまで多くの国で個別にサービスを提供してきたが、1つの1つのプラットフォームで新しいサービスを展開するため「Aspire Lifestyles(アスパイヤー・ライフスタイル)」を2013年4月に立ち上げた。

「Aspire Lifestyles」サービス提供の流れ

「Aspire Lifestyles」サービス提供の流れ

 

アスパイヤー・ライフスタイルは、コンシェルジェサービスを提供する韓国「EMSM」と米国の「VIPDesk」の2社を買収し、インターナショナルSOSが戦略的に展開するトータルライフスタイルコンシェルジュ・サービスとなる。

世界19拠点に900名のコンシェルジュスタッフを有しており、24時間365日の対応が可能だ。また、90以上の言語に対応しており、50カ国に79のオフィスを展開している。世界で6,000万名以上、年間300万件以上のリクエストに対応。例えば、MasterCard等の国際カードブランド、シティバンクといったカード発行会社のコンシェルジュサポートを担っているそうだ。

サービスの流れとしては、同社が銀行やカード会社、国際カードブランドと契約し、契約企業の名前でサービスを提供するパターンが多いという。各社との契約に基づき、特典、情報、各種アレンジ、イベント、プロモーションなどのサービスを黒子として提供している。

ライフスタイルに合った斬新な情報とサービスを提供
顧客セグメントに沿ったサービス設定が可能

導入企業のメリットとしては、ライフスタイルに合った斬新な情報とサービスを複数のチャネルからエンドユーザーに提供できる点が挙げられる。また、導入企業は、サービス提供を通じて顧客エンゲージメントを強化できるそうだ。

「日本のクレジットカードは、ポイント還元などにフォーカスが当たっていますが、それだけでは顧客ロイヤリティ強化には不十分です。弊社のサービスをご利用いただくことにより、エンゲージメントを高め、ロイヤリティ向上につなげていただきます」(インターナショナルSOSジャパン シニア・ヴァイス・プレジデント ヘッドオブアスパイヤー・ライフスタイル 小松哲也氏)

インターナショナルSOSジャパン シニア・ヴァイス・プレジデント ヘッドオブアスパイヤー・ライフスタイル 小松哲也氏

インターナショナルSOSジャパン シニア・ヴァイス・プレジデント ヘッドオブアスパイヤー・ライフスタイル 小松哲也氏

また、“モノからコト”へと消費者意識の変化などを勘案し、体験型サービスの提供を目指している。さらに、顧客セグメントや企業戦略に則したきめ細やかな商品設計が可能だ。

国内で発行されているカードには、コンシェルジュ・サービスが付帯されているものもあるが、利用者にとってはどう利用したらいいのかが分からないケースも多いそうだ。そのため、本当に分かりやすく、価値のあるサービスを提供することにより、カード会社の収益強化に結び付けていきたいとしている。

「昨今では、プレミアムカードの発行に力を入れる企業もありますが、顧客満足と顧客ロイヤリティの向上は、カードの適切な価格設定を可能にします。さらに企業ブランドの認知度向上とイメージの向上を実現できます」(小松氏)

加えて、利用実績の還元と顧客データベースとの統合により、高い次元でのCRMが実践できるそうだ。

サービスについては、顧客セグメントに応じた弾力的なサービス設計を実現。富裕層から、スパーリッチと呼ばれる超富裕層まで、段階に応じてさまざまなサービスの提供が可能となっている。

「例えば、特定の国際カードブランドが協賛するスポーツイベントの場合、他のブランドはそのサービスは提供できませんが、我々が間に入ることで、違った側面からイベントに関連したプロモーションを打つことができます」(小松氏)

会員の趣味、嗜好に沿ったコンシェルジュ・サービスを提供
顧客ごとにカスタマイズした特別な体験を提供可能

internationalsos5サービスの内容としては、まず従来型のコンシェルジュ・サービスがある。具体的には、「ダイニング&レストラン」「トラベル&パッケージのプラン」「ライブやスポーツ、ファッションイベントのアクセス」「ゴルフなどのスポーツ&レクリエーション」「アート、文化」といったサービスなど、顧客の趣味や嗜好に合わせた要望に対応する。小松氏は、「今後要望が高まると予想される医療相談やヘルスケアは弊社が強い分野であり、データベースを保持しています。それを活用し、医療相談や人間ドックのご案内などを提供できる体制を整えています」と説明する。

カスタマイズされた体験としては、グローバルで提携しているさまざまな特典を提供している。小松氏は、「現在、特典を提供する担当が全世界で20名おり、国を問わずボーダレスに提供することが可能です」と強みを口にする。

また、エンターテイメント、スポーツ、トラベル、アート、フード&ワイン、ファッションエクスペリエンス、教育・留学など、顧客のライフスタイルに合わせた体験型イベントの提供もできるそうだ。体験型イベント提供の例としては、「ラグビーワールドカップ」「フィギアスケート」「F1グランプリ」「2013カンヌ映画祭VIPパッケージ」などが挙げられる。

また、提携ブランドとしては、「PORCHE」「TheRitz-Carlton」「TIFFFANY&CO.」「Cartier」など、錚々たる面々が並ぶ。

世界400以上の空港で包括的なサービスを提供可能
ペイメントカードのセキュリティ基準「PCI DSS」にも準拠

internationalsos4空港VIPサービスとしては、包括的な空港サービスとして、世界400以上の空港で利用可能だ。海外の対象空港にて、出入国を優先的に手続きできるVIPエスコートサービス「ファストトラックサービス(空港VIPエスコートサービス)」、海外渡航に際して、日本語で各国の最新医療情報、都市情報やトラベルアドバイスを入手することが可能な「エアポートトランスファー(空港送迎サービス)」など、プレミアムなサービスを提供している。これらは、カード会社のカードプログラムの目的、ニーズ、予算に合わせた特典の設定が可能だ。

さらに、同社ではグローバルで2,000名以上の医師、看護師、セキュリティの専門家を抱えており、最高品質のサービスを世界中で提供することができるという。加えて、オンラインの渡航先の医療情報を閲覧可能だ。

「空港ラウンジなど個別のサービスを提供している企業はありますが、エンドツーエンドでサービスを提供できる企業は国内で弊社だけだと自負しています。弊社のサービスの強みとしては、自社でサービスを構築しておりスピードが速いこと、また、クオリティの高さとなっています」(小松氏)

サービスをサポートするカードの中には、会員情報を保持するケースもあるため、ペイメントカードの国際セキュリティ基準である「PCI DSS」にもグローバルで準拠している。

ジャックスの多通貨対応型プリペイドカード「Gonna」で採用
1年間で5~10社へのサービス提供を目指す

なお、カード会社が同社に支払うコストについては、利用するサービスや会員数などをベースに決定される。小松氏は、「サービスの品質を維持するため、コンシェルジュのスタッフは正社員、バイリンガルでホスピタリティの精神を持っている人材を厳選しています」と自信を見せる。

すでにジャックスが提供する日本初の多通貨対応型プリペイドカード「Gonna」でコンシュルジュ・サービスを提供しており、年内にもう一社でサービスが稼働する予定だ。それ以外の企業とも話し合いを進めているが、昨今では法改正への対応も一段落し、国内でも富裕層に対する取り組みを展開するケースが増えているため、ポジティブな反応を示す企業は多いという。まずは1年で5~10社でのサービス提供を目指す。また、クレジットカード等の付帯サービスとしての新しい価値として、アスパイヤー・ライフスタイルを国内で浸透させていきたいとしている。

取材(2013年10月):ペイメントナビ編集部 ペイメントナビゲーター 池谷貴

page toppagetop