2014年1月30日8:00

ANAのマイルを貯めるクレジットカード 第2回目

株式会社ポイ探 代表取締役 菊地崇仁

今回は、前回出した4つの条件「フライトマイルは考慮しない」「マイルへの移行は毎年行う」「年間利用額は50万円以上利用」「三井住友カードのマイ・ペイすリボは利用しない」と、年会費・移行手数料、入会・継続マイル、クレジットカードのボーナスポイント、年間利用金額から最適な「ANAカード」を選ぶ。計算が多くなるため、結論だけ見てもらっても構わない。

各グレード毎でのお勧めカード

年間50万円、100万円、150万円、300万円をクレジットカード決済した場合の獲得マイル数を以下の表にまとめた。ボーナスポイントも考慮してある。色が付いているのが、そのグレードで一番還元率が良いカードだ。年会費が異なる場合は、年会費の安いカードに色が付いている。

表1.「ANAカード」の比較

グレード カード名 年会費+移行手数料(税別) 入会・継続マイル 年間利用額による獲得マイル数、還元率
50万円 100万円 150万円 300万円
一般カード ANA VISA一般カードANAマスター一般カードANA VISA Suicaカード 7500
(※1)
1000 5150
(1.03%)
10450
(1.05%)
15675
(1.05%)
32700
(1.09%)
ANA JCB一般カードANA To Me CARD PASMO JCB 4000 5150
(1.03%)
10600
(1.06%)
15900
(1.06%)
31800
(1.06%)
ANAアメリカン・エキスプレス・カード 1万3000 5000
(1.00%)
10000
(1.00%)
15000
(1.00%)
30000
(1.00%)
ANA JCB ZERO(30歳未満限定) 0 2650
(0.53%)
5600
(0.56%)
8400
(0.56%)
16800
(0.56%)
グレード カード名 年会費+移行手数料(税別) 入会・継続マイル 年間利用額による獲得マイル数、還元率
50万円 100万円 150万円 300万円
ワイドカード ANA VISAワイドカードANAマスターワイドカード 1万2750
(※1)
2000 5150
(1.03%)
10450
(1.05%)
15675
(1.05%)
32700
(1.09%)
ANA JCBワイドカード 9250 5150
(1.03%)
10600
(1.06%)
15900
(1.06%)
31800
(1.06%)
グレード カード名 年会費+移行手数料(税別) 入会・継続マイル 年間利用額による獲得マイル数、還元率
50万円 100万円 150万円 300万円
ワイドゴールドカード ANA VISAワイドゴールドカードANAマスターワイドゴールドカード 1万3000
(※1)
2000 5300
(1.06%)
10900
(1.09%)
16350
(1.09%)
35400
(1.18%)
ANA JCBワイドゴールドカード 1万4000 5150
(1.03%)
10600
(1.06%)
15900
(1.06%)
32250
(1.08%)
ANAダイナースカード 2万 5000
(1.00%)
10000
(1.00%)
15000
(1.00%)
30000
(1.00%)
ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード 3万1000 5000
(1.00%)
10000
(1.00%)
15000
(1.00%)
30000
(1.00%)
グレード カード名 年会費+移行手数料(税別) 入会・継続マイル 年間利用額による獲得マイル数、還元率
50万円 100万円 150万円 300万円
プレミアムカード ANA VISAプラチナ プレミアムカード 8万 1万 7500
(1.50%)
15000
(1.50%)
22500
(1.50%)
45000
(1.50%)
ANA JCBカードプレミアム 7万 6650
(1.33%)
13600
(1.36%)
20400
(1.36%)
41250
(1.38%)
ANAダイナースプレミアムカード 12万 5000
(1.00%)
20000
(2.00%)
25000
(1.67%)
60000
(2.00%)
※1 Web明細登録による年会費割引を考慮

それぞれのグレードごとに考えよう。最初に「ワイドゴールドカード」を確認する。年会費が一番安く、それぞれの利用金額で還元率が一番良いのは「ANA VISAワイドゴールドカード」「ANAマスターワイドゴールドカード」となり、それ以外は除外できる。還元率がカード毎に違うのは、年間利用額に対するボーナスポイントの影響だ。

次にワイドカードを確認しよう。ワイドカードと一般カードに関しては、還元率だけ見ると全く同じだ。違いは年会費と入会・継続マイル、フライトボーナスマイルとなる。フライトボーナスマイルを考えなければ、5250円の年会費アップで入会・継続マイルの1000マイルがプラスとなるだけだ。要するに1マイルを5.25円で購入した事になる。

ここで、1マイルの価値を考えてみたい。例えば東京(羽田)-沖縄(那覇)間のレギュラーシーズン料金は安くても往復3万3000円程度、特典航空券に1万8000マイル必要であるため、1マイル=1.83円程度で考えると良いだろう。今回の場合は、1マイル=5.25円で購入し、そのマイルを1マイル=1.83円として使うと考えると、損をしているわけだ。マイルを購入する場合は1マイルを2円程度で購入できなければ得とは言えないだろう。この考えは以降でも使うため、覚えておいて欲しい。

このことより、ワイドカードより一般カードの方がお得となり、ワイドカードは選択肢から外す。

次に一般カードを見てみよう。「ANAアメリカン・エキスプレス・カード」「ANA JCB ZERO」は年会費、還元率から除外できる。年間利用額が300万円未満の場合は「ANA JCB一般カード」または「ANA To Me CARD PASMO JCB」、300万円以上の場合は「ANA VISA一般カード」「ANAマスター一般カード」「ANA VISA Suicaカード」となる。ただし、VisaブランドとJCBブランドでは300万円の利用で900マイルの差が出るが、年会費が3500円アップと考えると1マイル=3.9円。条件は良くないだろう。年会費の差額を考慮すると500万円未満であれば「ANA JCB一般カード」「ANA To Me CARD PASMO JCB」で良い。

最後にプレミアムカードを考える。プレミアムカードは年会費が異なるために比較が難しい。表1では50万円利用時の比較もあるが、7万円以上の年会費を考えると、年間利用額が最低300万円以上なければ活用できないだろう。300万円の利用で考えると、「ANAダイナースプレミアムカード」と「ANA JCBカードプレミアム」の獲得マイル数の差は1万8750マイル。年会費が5万円アップで、1万8750マイルの獲得と考えると、1マイル=2.7円程度。同様に「ANA VISAプラチナ プレミアムカード」と「ANA JCBカードプレミアム」を比較しても、年会費1万円で3750マイル差となり、1マイル=2.7円となる。1マイル=2.7円はお得とまでは言えないため、年会費が安く抑えられる「ANA JCBカードプレミアム」を選ぶと良い。もちろん、1マイル=2.7円でもマイルを多く獲得したいのであれば「ANAダイナースプレミアムカード」でも問題ない。

年間500万円利用した場合はどうだろうか。表には無いが、年会費と獲得マイルの差を考えると、1マイル=1.6円程度となるため、マイル獲得数が多い「ANAダイナースプレミアムカード」がおすすめだ。

各グレード毎でのお勧めカード

以下は、表1から一般カードの「ANA JCB一般カード」「ANA To Me CARD PASMO JCB」、ワイドゴールドカードの「ANA VISAワイドゴールドカード」「ANAマスターワイドゴールドカード」、プレミアムカードの「ANA JCBカードプレミアム」を抜き出し、年会費+移行手数料と年間利用額による獲得マイル数(入会・継続マイル含む)を表にした。

表2.各グレード毎の比較

グレード カード名 年会費
+移行手数料
(税別)
年間利用額による獲得マイル数
(入会・継続マイル含む)
50万円 100万円 150万円 300万円 500万円
一般カード ANA JCB一般カード
ANA To Me CARD PASMO JCB
4000 6150 11600 16900 32800 54000
ワイドゴールドカード ANA VISAワイドゴールドカード
ANAマスターワイドゴールドカード
13000
(※1)
7300 12900 18350 37400 61000
プレミアムカード ANA JCBカードプレミアム 70000 16650 23600 30400 51250 78750

最後にプレミアムカードを考える。プレミアムカードは年会費が異なるために比較が難しい。表1では50万円利用時の比較もあるが、7万円以上の年会費を考えると、年間利用額が最低300万円以上なければ活用できないだろう。300万円の利用で考えると、「ANAダイナースプレミアムカード」と「ANA JCBカードプレミアム」の獲得マイル数の差は1万8750マイル。年会費が5万円アップで、1万8750マイルの獲得と考えると、1マイル=2.7円程度。同様に「ANA VISAプラチナ プレミアムカード」と「ANA JCBカードプレミアム」を比較しても、年会費1万円で3750マイル差となり、1マイル=2.7円となる。1マイル=2.7円はお得とまでは言えないため、年会費が安く抑えられる「ANA JCBカードプレミアム」を選ぶと良い。もちろん、1マイル=2.7円でもマイルを多く獲得したいのであれば「ANAダイナースプレミアムカード」でも問題ない。

年間500万円利用した場合はどうだろうか。表には無いが、年会費と獲得マイルの差を考えると、1マイル=1.6円程度となるため、マイル獲得数が多い「ANAダイナースプレミアムカード」がおすすめだ。

各グレード毎でのお勧めカード

以下は、表1から一般カードの「ANA JCB一般カード」「ANA To Me CARD PASMO JCB」、ワイドゴールドカードの「ANA VISAワイドゴールドカード」「ANAマスターワイドゴールドカード」、プレミアムカードの「ANA JCBカードプレミアム」を抜き出し、年会費+移行手数料と年間利用額による獲得マイル数(入会・継続マイル含む)を表にした。

表3.300万円を分岐点としたおすすめカード

年間利用金額 グレード カード名
300万円未満 一般カード ANA JCB一般カードANA To Me CARD PASMO JCB
300万円以上 ワイドゴールドカード ANA VISAワイドゴールドカードANAマスターワイドゴールドカード

ただし、前提条件で結果は違ってくる。マイ・ペイすリボを利用すると、一気にVisa・MasterCardブランドが有利になる。毎年ポイントをマイルに移行しなければ一般カード・ワイドカードの移行手数料を安くすることも可能だ。また、マイルは国内線では使わず、国際線のみで利用するのであれば獲得マイル数の差と年会費の差が1マイル=3円程度でも安いと考える事もできる。

次回は、今回の比較条件で300万円未満の場合に有利となった、一般カード「ANA JCB一般カード」と「ANA To Me CARD PASMO JCB」の比較、さらにもう1枚クレジットカードを追加することで、ANAのマイルがさらに貯まるようなクレジットカードを紹介したい。

菊地 崇仁(きくち たかひと)1998年に法政大学工学部を卒業後、同年日本電信電話株式会社(現NTT東日本)に入社。社内システムの開発、Lモードの料金システム開発、フレッツ網の機器検証等に携わり2002年に退社。同年、友人と共に起業し、システムの設計・開発・運用を行う。2006年、ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年3月代表取締役に就任。ポイント探検倶楽部に掲載されているポイントは約230種類。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られる。三児の父であり家計のやりくりをすべて担当。ポイントのみならず、クレジットカードや保険なども守備範囲で、近年は投資にも挑戦している。著書は「新かんたんポイント&カード生活(自由国民社)」、「得するポイント(カード)の貯め方・使い方(日本監督協会)」。運営サイトは「ポイント探検倶楽部(ポイ探)」「株式会社ポイ探」「菊地崇仁オフィシャルホームページ」等。

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