米国でEMV ICカード化を推進する「Smart Card Alliance」の活動は?

2014年2月18日9:30

米国でEMV ICカード化を推進する「Smart Card Alliance」の活動は?

欧州では、SEPA(Single Euro Payments Area)によるEMV ICカード化が進められ、対面での不正利用が大きく減少したと言われている。その一方で、カード大国の米国では、磁気カードによる決済が中心で、ペイメントカードのEMV化は遅れている状況だ。米国でICカード技術の普及・促進を図る団体「Smart Card Alliance(スマート・カード・アライアンス)」のエグゼクティブディレクター Randy Vanderhoof氏に、米国でのEMV IC化について話を聞いた。

磁気カードからEMV ICカードへの移行を促す
150の会社がメンバーとして参加

――まずはSmart Card Allianceの取り組みについてお聞かせください。
Randy Vanderhoof:Smart Card Allianceは、ICカードについて理解、促進させるための非営利の業界団体です。米国の支払いのマーケットはさまざまで、金融機関、ペイメントのゲートウェイなど、多くの会社が存在します。しかし、多くのプレイヤーは磁気カードを使用しています。それをEMV ICカードに移行させるのは大きな取り組みとなります。

Smart Card Alliance エグゼクティブディレクター Randy Vanderhoof氏
Smart Card Alliance エグゼクティブディレクター Randy Vanderhoof氏

米国の市場において、効率よくEMV ICカードへ移行するために、フォーラムの開催など、準備のために何をするのかをサポートしています。フォーラムでは、ペイメントブランド、金融機関、マーチャント、ペイメントゲートウェイ、POSターミナルやスマートカードの製造会社、インテグレータ、テストを行う組織など、さまざまなプレイヤーがEMV ICカードへ移行させていく取り組みを行っています。

――具体的な取り組みについてお聞かせください。
Randy Vanderhoof:ミーティングは年に6回行っています。ワーキングコミニティでは教育、意識・気づきを高める、(磁気からの)インフラをどのように変えるか、EMVコンタクトレスへの移行などについて話し合われています。実績として、データ・ディクショナリを作成しました。また、イシュア(カード発行会社)や流通・小売りのグループを設けました。

さらに、ATMにフォーカスしたグループもあります。米国は複雑なデビットカードのネットワークがあります。デビットカードのプロバイダが特化した、EMVの規制について話し合わなければいけません。デビットカード・コミッティがATMに特化した問題について話し合っています。

また、EMVについて教育するためのドキュメントも作成しました。これは自由にWebサイトで閲覧可能です。

――現状のメンバーについてお聞かせください。
Randy Vanderhoof:現在、150の会社がメンバーとして加わっています。EMVの移行には年数が必要ですが、長期的なサポートをすべてのイシュアやカード業界、コンシューマが理解できるまでサポートしていくのが目的となります。

現状、1,500万枚のカードが発行
2015年までに5億枚の発行を予定

――ICカード対応のPOS・決済端末を未設置の加盟店におけるカード偽造の債務責任がアクワイアラに課せられるようになる“ライアビリティシフト”が2015年10月以降に行われますが、成果として挙がってきていますか?(ガソリンスタンドを除く)
Randy Vanderhoof:ライアビリティシフトは、不正に対する負債の責任が変わります。特に政府の関与はなく、Visa、MasterCard、American Express、Discoverが決めています。2015年移行、1~2年経ってEMV化が進んでいくでしょう。

――現在、EMV ICカードの発行はどの程度進んでいるのでしょうか?
Randy Vanderhoof:現状、1,500万枚が発行されていますが、まだまだ米国の市場から考えると初期の段階です。現在の米国のペイメントカードの発行枚数は12億2,000万枚となっており、2015年までに5億枚の発行を予定しています。

――EMVコンタクトレスに関してはいかがでしょうか?
Randy Vanderhoof:多くの金融機関は興味を持っているようです。また、流通店舗もスピードや効率化が図れると期待しています。特に、輸送、ファーストフード、タクシー、自動販売機などの業種がEMVコンタクトレスに関心を持っています。

※取材はCARTES 2013にて

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