「Visa Business Pay」はB2Bの請求・支払業務を劇的に変える?

2014年4月15日9:20

B2B専用決済システム「Visa Business Pay」のサービスを開始
すべての請求・支払業務をインターネット上で完結可能

ビザ・ワールドワイド(Visa)は、2014年4月14日、B2B(企業間取引)専用決済システム「Visa Business Pay」のサービスを開始した。同サービスは、すべての請求・支払業務をインターネット上で完結可能な、Visaカードの支払い機能を利用したB2B専用決済システムとなっている。

説明書がなくても簡単に利用可能
他ブランドも含めて前例のないシステムを構築

「Visa Business Pay」は、サプライヤー企業がVisa加盟店となり、バイヤー企業がVisaカードを使用することで、同システムを通じて代金の請求と決済が電子的に行われる仕組みとなる。ビザ・ワールドワイド ジャパン コマーシャルソリューションズ ディレクター 森田智彦氏は、「説明書がいらなくて使えるものを意識して作りました」と説明する。同社によると、すべてWebで完結可能なB2B専用決済システムは、他ブランドも含めて前例のないシステムになるそうだ。

原稿のB2B決済と「Visa Business Pay」の違い

原稿のB2B決済と「Visa Business Pay」の違い

日本におけるB2B決済市場は約700~950兆円。BtoCの3倍以上の規模を誇る。Visaでは、原材料、仕入れ、運送、輸送費など、B2B取引を行う企業のカードでの支払い導入を目指している。現状、国内のBtoC市場の300兆円の中で、カード決済が占める割合は14~15%となっている。

B2B市場において、大企業のバイヤーが大企業のサプライヤーに支払うのは直接費があるが、ロットが巨大な相対取引でカード決済導入は浸透しづらい。また、大企業のバイヤーがSME(中小企業・個人事業主)のサプライヤーと取引を行う場合、パーチェシングカード(調達カード)やコーポレートカード(法人カード)との連携など、イシュイング(発行会社)との共闘が必要だ。Visaでは、ビジネスカードや個人カードを多く保有しているSMEのビジネス利用に着目した。

日本には、約365万の中小・個人事業主があると言われている。Visaの調査によると、現状、SMEのカード決済比率は3%程度。Visaではそれを現金からカードにシフトさせていきたいという。例えば、飲食店、オーナー、建築会社等の決済頻度はものすごく多いが、カードで支払えるケースは少ない。また、そのインフラは整っていないため、アクワイアラが加盟店に対し、営業できなかったそうだ。そのため、「Visa Business Pay」を提供することで、バイヤーやサプライヤーに便利に利用してもらいたいとしている。

サプライヤーは個別のIDで取引が可能
バイヤーとサプライヤーのコミュニケーションツールも提供

現状、B2B市場におけるカード決済に対するバイヤーの要望としては、「カードが使えるところがない」、「領収書が必要」、「明細書が欲しい」、「限度額が足りない」、「支払金額ごとの明細が欲しい」、「店舗に行くことはない」といった声が挙げられる。サプライヤーからは、「定価販売ではない」、「請求手順を変えたくない」、「カード情報の取り扱いは不安」、「加盟店手数料は支払いたくない」、「入金確認業務が増える」、「顧客は店舗に来ない」といった要望がある。

ビザ・ワールドワイド ジャパン コマーシャルソリューションズ ディレクター 森田智彦氏

ビザ・ワールドワイド ジャパン コマーシャルソリューションズ ディレクター 森田智彦氏

「Visa Business Pay」は、そういった声を参考に作られた決済システムとなる。バイヤーは、PCやスマートフォンを利用して、24時間365日いつでも支払いが可能だ。また、Visaカードであれば、個人カードやビジネスカードを含め、イシュアを問わずどのカードでも利用できる。さらに、PCやスマートフォンを利用して、外出先でも確認作業ができる。請求書のQRコードを読み込んで支払い手続きをすることも可能だ。加えて、Webブラウザを利用するシステムのため、誰でも気軽に導入できるという。

サプライヤーのメリットとして、Visa Business Pay画面上で請求書を作成し、請求書発行ボタンをクリックするだけで、買主に自動で請求書メールが送られる。これにより、手間のかかる請求書の発送業務は不要となり、業務の効率化でコストを削減できる。また、決済後は自動で決済完了確認メールが届くため、支払い状況はメールやWebで素早く把握できる。さらに、カード番号等の管理は不要で、個別のID情報で買主との取引を進めることが可能だ。

Visaでは、コミュニケーションツールも提供しており、バイヤーとサプライヤーは、Web上でやり取りを行うことができる。

なお、サプライヤーは「Visa Business Pay」の利用申し込みの際、カード会社との加盟店契約が必要となる。その際は、加盟店に対し、Visaが費用を請求することはないそうだ。すでに複数のアクワイアラから反響があるそうだ。

会計システムの連動も検討
GMO-PGが7カ月かけてサービスを構築

今後は、会計システムとの連動等も考えているという。また、現行はVisaブランドのみの利用となっているが、「担当者としては、他のブランドも同様のシステムを利用してもらいたい」としている。Visaでは、同システムの提供により、B2B決済市場を活性化させていきたいとしている。

なお、同システムは決済処理事業者のGMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)が7カ月かけて構築した。同システムの構築企業選定の際は他の決済処理事業者も含めて検討したそうだが、GMO-PGのB2B決済を含めたアクワイアリングシステムのノウハウ、各カード会社に対しての中立性、熱意や実績などをVisaでは評価したという。GMO-PGでは、運用・保守・コールセンターの運用も行うそうだ。同社のシステムはPCI DSSに準拠するなど、セキュリティも確保されている。

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