10周年を迎えた「おサイフケータイ」の次なる展開は?

2014年7月22日9:08

10周年を迎えた「おサイフケータイ」の次なる展開は?
デバイスやOSに依存しないサービスの提供を目指す

フェリカネットワークスは、「モバイルFeliCa ICチップ」の開発・製造・販売に関するライセンス事業、プラットフォーム運営事業を展開してきた。2004年に出荷を開始した「モバイルFeliCa ICチップ」は10周年を迎えたが、すでに2億4,500万個のモバイル向けICチップが出荷されている。また、2010年からはおサイフケータイ対応スマートフォン(Android)への搭載もスタートし、すでに5,000万台を超えている。同社では次世代ICチップの開発、HCE(Host Card Emulation)ソリューションの提供などのインフラ整備に加え、デバイスやOSに依存しないサービスの提供を目指している。

「モバイルFeliCa ICチップ」は三世代目
NFCフォーラムやEMVの仕様にも準拠

フェリカネットワークスでは、OSに依存しないサービスの展開を目指しているという。また「FeliCa Connect2014」では、「インタラクティブ・FeliCaカード」を紹介したように、モバイルありきではなく、他の技術を融合させたオムニチャネル対応ソリューションを提供していく方針だ。

新たなトピックとして、2014年夏からは、三世代目の「モバイルFeliCa ICチップ」の出荷を開始。フェリカネットワークスでは、Samsung Electronics Co., Ltd.、ソニー、東芝と、量産出荷を行うことで合意している。FeliCa対応サービスとの互換性があり、NFCフォーラムやEMVの仕様にも準拠したモバイル端末向けチップとなっている。暗号方式はトリプルDESに加え、AES(128bit)に対応しており、チップサイズも従来に比べ40%以上縮小したそうだ。

「モバイルFeliCa ICチップ」の1~3世代
「モバイルFeliCa ICチップ」の1~3世代

HCEソリューションは会員証、クーポン等からスタート
FeliCa SAMでスマートフォンをリーダライタとして利用可能に

クラウド戦略の強化も発表された。これは、NFCの新技術として注目されるHCE(Host Card Emulation)を活用し、おサイフケータイを構築するために必要な機能をクラウド側に実装する。利用者はAndroid4.4以降のNFC対応スマートフォンであれば、国内・海外を意識せずにグローバルでのサービス展開が可能となる。フェリカネットワークス 代表取締役社長 眞鍋マリオ氏によると、現状、HCEは「セキュリティ面の対策が必要となるが、可能性を模索している」状況であるそうだ。

フェリカネットワークス 代表取締役社長 眞鍋マリオ氏
フェリカネットワークス 代表取締役社長 眞鍋マリオ氏

「FeliCa Connect2014」ではHCEのコンセプトも紹介。従来の電子マネー等のセキュアなサービスは「“on FeliCa”プラットフォームサービス/かざすフォルダ」が従来通り利用されるが、HCEソリューションは会員証、クーポン、ポイント等での提供を想定しているそうだ。その際に、セキュリティの観点から、カード番号を別の番号に置き換えて利用するという。また、モバイルの子カードを生成する技術も紹介。カード会社と連携し、非接触ICカードをスマートフォンにかざすとクラウドに子カードのデータが生成される。利用者は生成したモバイルをカードの代わりとして利用可能だ。

HCEソリューションのコンセプト
HCEソリューションのコンセプト

フェリカネットワークでは、リーダ向けFeliCa SAM「RC-S500」も紹介。従来、おサイフケータイを利用したサービスの構築には、リーダライタ端末が必要だった。その負担を軽減するため、RC-S500をスマートフォンに挿入し、リーダライタとして利用してもらうという。これにより、小規模システムでもサービスの提供を可能としている。

リーダ向けFeliCa SAM「RC-S500」
リーダ向けFeliCa SAM「RC-S500」

「FeliCa二要素認証ソリューション」の提供を予定
ソニーとタッグを組んで海外展開を強化

そのほか、「FeliCa二要素認証ソリューション」の提供を予定している。インターネットバンキングの認証強化のためにトークンやSMSを用いた二重の認証が行われている。その際に、おサイフケータイもしくはFeliCaカードで認証を行うことで、「パスワードを入れなくてもかざすだけで認証が実現する」(眞鍋氏)という。

「FeliCa二要素認証ソリューション」のイメージ
「FeliCa二要素認証ソリューション」のイメージ

海外展開については、ソニーとタッグを組んでアジアを中心に展開しているそうだ。香港では、2013年秋から、Gemalto製のSIMカードを活用したチケットシステムをOctopusが、キャリアのPCCW-HKTと協力して実験を行ってきたが、2014年4月から商用サービスがローンチされた。同サービスでは、FeliCaアプリケーションをSIMカードにエミュレーションする形が採用されている。FeliCa ICチップについては、これまでのようにモバイル機器に埋め込んだ形態に加え、SIMやmicro SDソリューションも開発している。

SIMやmicro SDソリューションも開発
SIMやmicro SDソリューションも開発

なお、フェリカネットワークスによると、常日頃おサイフケータイを使っている人は1,000万人となっており、FeliCa対応携帯電話は7,000万台が流通しているという。しかし、昨今では、iOSの普及等により、「おサイフケータイのユーザーが流れており、一部の電子マネーのモバイル決済比率は落ちている」という声もある。同社では、ウェアラブル製品を含めて提供することにより、使えるシーンを増やしていく方針だ。従来はモバイルを中心にサービスを展開してきたが、領域を広げることで、OSに依存せず、ユーザーに便利に利用してもらいたいとしている。また、最近ではさまざまなカードサービスが登場しており、それぞれ仕様が異なっているが、同社ではそういったUXをまとめるソリューションを提供していきたいそうだ。

関連記事

ペイメントニュース最新情報

決済領域を起点に多様なビジネスニーズに応える各種ソリューションを提供(インフキュリオン)
ReD ShieldやSift等の不正検知サービスを提供し、お客様の不正対策を支援(スクデット)
「お金の流れを、もっと円(まる)く」決済ゲートウェイ事業のパイオニアとして、強固なシステムでキャッシュレス決済を次のステップへと推進します。(ネットスターズ)

国内最大級のクレジットカード情報データベース(アイティーナビ)

現金とキャッシュレスの売上をリアルタイムに確認可能なIoTプラットフォーム「IoT Cube」/Pay BOX(飛天ジャパン)

BtoCもBtoBも。クレジットカード決済を導入するならSBIグループのゼウスへ。豊富な実績と高セキュリティなシステムで貴社をサポートいたします。(ゼウス)
TOPPANの決済ソリューションをご紹介(TOPPANデジタル)
多様な業界のニーズに対応した、さまざまなキャッシュレス・決済関連サービスを提供する総合決済プロバイダー(DGフィナンシャルテクノロジー)
決済業務の完全自動化を実現する「Appian」とクレジット基幹プラットフォームを合わせてご紹介!(エクサ)

国内最大級の導入実績を誇る決済代行事業者(GMOペイメントゲートウェイ)

チャージバック保証、不正検知・認証システムなどクレジットカード不正対策ソリューションを提供(アクル)
電子マネー、クレジット、QRコード、共通ポイント、ハウスプリペイドなど、43サービスをご提供(トランザクション・メディア・ネットワークス)

非対面業界唯一!!カード会社とダイレクト接続により、安心・安全・スピーディーで質の高い決済インフラサービスを提供。Eコマースの健全な発展に貢献する決済代行事業者(ソニーペイメントサービス)

決済シーンにdelight(ワクワク感)を!PCI P2PE 認定国内実績 No.1の「確かな信頼」を提供します(ルミーズ)
stera terminalでお店のポイントがつけられる「VALUE GATE」(トリニティ)

Spayd スマートフォン、タブレットがクレジット決済端末に!(ネットムーブ)

DNPキャッシュレス 決済プラットフォームをご紹介(大日本印刷)

PAGE TOP