楽天の経済圏拡大の鍵を握る「楽天ID決済」とは?

2014年9月12日8:00

楽天の経済圏拡大の鍵を握る「楽天ID決済」
簡単、安心、ポイントが貯まる・使える魅力で順調に導入企業開拓が進む

rakuten2国内最大級のショッピングモール「楽天市場」では、楽天会員登録を行った会員がサイト内でIDとパスワードのみでログインし、個人情報やクレジットカード番号の入力をせずに決済可能なサービスを提供している。楽天では、外部サイトでもIDとパスワードの入力のみで決済が可能な「楽天ID決済」を提供しており、導入企業を積極的に開拓している。

2014年8月の名称変更でサービスをより強化
ここ1~2年は30%以上の成長を見せる

「楽天ID決済」は、楽天会員が楽天グループ以外のサイトでもオンライン決済をすることができるサービスとなる。会員は、楽天ID決済を使えば、利用サイトごとに支払い方法を入力する手間もかからず、普段利用しているクレジットカード情報でスムーズに決済をすることが可能だ。また、インターネット上のポイントサービスで圧倒的な認知度を誇る「楽天スーパーポイント」も楽天市場含む楽天グループ各サービスと同様に貯まるのが特徴となる。

「楽天ID決済」の特長

「楽天ID決済」の特長

現在、無印良品、ドミノ・ピザ、TOHOシネマズ、アメーバピグ、フジテレビオンデマンド、ユナイテッド・シネマ、ランズエンド、ゼロハリバートンなどのサイトで利用可能となっている。

楽天では、2008年から外部の加盟店開拓をスタートしたが、すでに契約数で1,300以上にまで増えており、「ここ1~2年で見ると30%以上の成長があります」と楽天 チェックアウト事業 副事業長 鈴木壮弥氏は笑顔を見せる。同社では、これまで楽天あんしん支払いサービスの名称でサービスを展開してきたが、2014年8月から名称を「楽天ID決済」へ変更している。

「楽天は9,387万人(2014年6月現在)の会員を抱えており、インターネットユーザーに占める楽天会員は圧倒的な比率となっています。当初、楽天あんしん支払いサービスはクレジットカード番号を伝えなくていい安心感を訴求してきましたが、楽天会員IDは、インターネットにおいて国民的なIDになりました。楽天会員にとって馴染みのある『楽天ID決済』に名称を変更することにより、さらにわかりやすく、使いやすいサービスにしていきたいです」(鈴木氏)

参入企業の増加はむしろ歓迎?
楽天スーパーポイントの価値の高さが強みに

企業の開拓に加え、会員の利用も順調に伸びているが、エンドユーザーへの認知度はさらに高めていく必要があるとしている。ただ、最近では、ID決済への新規参入を果たす企業もあり、普及を後押ししているという。また、今後はさらにポイントとの連動も活発化すると予想される。

「競合の登場により、ID決済全体が底上げされています。競争は激しくなりますが、楽天会員ID利用者は国内で圧倒的に多く、何よりポイントの価値が高いため、『楽天ID決済』を選ばれる方が多くなると見ています。ある導入先からは、弊社のサービスは他のID決済サービスよりも数倍利用が多いというお声をいただいています」(鈴木氏)

普段、楽天市場を利用する人であればあるほど、「楽天ID決済」を利用するメリットは大きいという。鈴木氏は、「一部の導入企業で調査した結果では、クレジットカードよりも決済単価が高く、リピート率も高いという結果が出ています」と話す。

新規にサービスを導入した企業に対しては、ポイントアップキャンペーンを仕掛けて、サイト利用者への認知を図っている。

また、今年4月には、ポイントパーツを追加。楽天会員がログインしたままであれば、楽天スーパーポイントの残高が外部サイトにも表示される機能を無償で提供している。

「お客様が商品を検討してカートに入れる際、楽天スーパーポイントの残高がわかることで、購買喚起や単価を引き上げることが可能です。順次、導入企業に提案を進めていますが、すでに効果は出始めており、決済単価が10%増えている企業もあります」(鈴木氏)

「かんたん登録オプション」を提供
導入企業が楽天会員IDとパスワードで会員登録が可能に

2013 年10月11日からは、「楽天ID決済」導入企業が楽天会員IDとパスワードだけで会員登録を行える「かんたん登録オプション」の提供を行っている。これにより、導入企業は、会員登録からログイン、決済までを一気通貫で行うことが可能だ。

すでに導入の成果も出始めている。「例えば、ある企業では、新規会員の登録率が1.5倍伸びており、会員登録でドロップする課題を改善できています」と鈴木氏は微笑む。

また、サイト上での支払い時に住所や氏名の入力が利用者の負担となることもあるが、楽天ID決済では既に楽天会員として登録済みの情報をそのまま利用できるため簡単に支払いが行える。

手数料はクレジットカードよりは高いが、「簡単さによるドロップ率の低減、ポイントによる決済単価およびリピート率の向上など、一般のクレジットカード決済にはない売上増加のための付加価値を提供しています」と鈴木氏は自信を見せる。

ECサイトへのサービス導入の営業は自社を中心に行っているが、決済処理事業者としてはソフトバンク・ペイメント・サービスと提携している。また、今後も大手決済処理事業者数社と提携を進めていく構えだ。

サービス開始以降、順調にサービスを拡大する「楽天ID決済」だが、今後も楽天の“準経済圏”拡大を担う手段として展開を強化する方針だ。

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