共通ポイント戦国時代にライバルを迎え撃つ第一人者「Tポイント」の戦略は?

2014年10月8日8:20

共通ポイント戦国時代にライバルを迎え撃つ第一人者「Tポイント」
Yahoo! JAPANとの連携を実証中、エリアアライアンスも強化

共通ポイント業界がにわかに騒がしい。楽天が「Rポイント」を掲げて参入、ロイヤリティ マーケティング発行の「Ponta」はリクルートポイントとの交換開始と、それぞれネットとリアルの連携を模索する中、ひと足早くYahoo!JAPANとの提携を開始したTポイントはすでに「リアル」⇔「ネット」相互の送客戦略に踏み出している。(取材・記事:松崎典子)

ネット提携で提携店が激増
ポイントアップをキーにO2Oトライ

白戸家のお父さんがデザインされたソフトバンクオリジナルの「Tカード」を、ソフトバンクショップにおいて無料で発行

白戸家のお父さんがデザインされたソフトバンクオリジナルの「Tカード」を、ソフトバンクショップにおいて無料で発行

言わずと知れたことだが、Tポイント(発行:Tポイント・ジャパン)は共通ポイントの草分けであり、114社23万0,097店舗(2014年8月末)で使用可能という巨大商圏を築いている。事実、Tカードの月間利用件数は8月末で2億8,629万件と、日本の消費不況はどこへやらという数字だ。

この提携店増加の一因になったのが、昨年7月のYahoo!ポイントとTポイントの統合だった。Yahoo!ショッピング出店数が反映され、その数はさらに増加中という。「極端にいえば土地でも車でも、どんなものでも買えるのがネットの世界。そこで使えるポイントだということ」と話す、Tポイント・ジャパン DBマーケティング事業本部 コンサルティング部 副部長 髙原祥有氏。

無論、増えているのは提携店だけではない。9月末のアクティブ・ユニーク会員数(Tカードを単に所持しているだけでなく、一年に一度以上利用した名寄せ後の会員数)は5,061万人。総発行枚数だけで語ると1億4,000万枚を超えるというから、日本最大級のカードと言っても過言ではないだろう。「いつでも、どこでも、だれでも使えるカード」というのが基本コンセプト、と語る髙原氏。ネットという空間はまさにその理想を具現するともいえる。しかし、単にリアル店舗でためたポイントをネットで使う、またはその逆というだけでは進化がない。今の取り組みは、ネット(Online)の客をリアル(Offline)店舗に誘導する、あるいはその逆という、O2Oのトライアルだ。

アクティブ・ユニークな会員数が5,000万人を突破した

アクティブ・ユニークな会員数が5,000万人を突破した

例えば、2月と5月に行ったという試み。リアル店舗でTカードを使った回数が多いほど、ポイントを稼げる「Yahoo!くじ」を引く回数が増えるというもの。これはリアルからネットへの還流だが、その逆もある。ポイントアップの対象となるメーカー商品を決めて、Yahoo!JAPANサイト上で事前エントリーしてからTポイントの提携店である店舗で購入してもらうという建てつけで、ネットからリアルへの誘導がかなった。

「ひと言にネットからリアルへの送客といっても、一般的にいまだ明快な答えはないように思う。ただ、我々はTSUTAYAのフランチャイズからスタートしており、リアル企業との取り組みには競合他社にはない経験がある。それをもってYahoo! JAPANさんと今後しっかりやっていきたい」(髙原氏)

エリア戦略の重点化で
地域密着ポイントも目指す

Tポイント・ジャパン DBマーケティング事業本部 コンサルティング部 副部長 髙原祥有氏

Tポイント・ジャパン DBマーケティング事業本部 コンサルティング部 副部長 髙原祥有氏

アライアンス企業間の送客ツールとして活用できる「POSクーポン」も順調だ。クーポン発行企業も順調に増え、会員の半数を超えた女性客層に親和性が高いスーパーマーケット提携店では、レジにおいてデフォルトで発行されるという。また、7月には、期間中に双方を利用すると2~3倍のポイントが付与されるという、「ENEOS」×「すかいらーくグループ」共同キャンペーンも実施した。ロードサイド店舗同士が送客しあうというユニークな例だ。

いま力を入れているのはエリアアライアンスの開拓だという。「地域ナンバーワンのスーパーマーケットやドラッグストアとの提携、さらに地域の花屋さん、クリーニング屋さんなど、『いつでも、どこでも使える』ポイントをめざしたい」と話す髙原氏。実は、Tポイントの保有率を地域別で見ると、なんとトップは茨城県。2位に鹿児島県、3位に沖縄県。次がようやく神奈川、東京と続く。すべてをカード一枚で済ませたい、という共通ポイントスタート時点の理想は、「どこ(の地域)でも使える」フェーズに着実に進んでいく。

社会貢献型Tカードの発行も
顧客価値をすくいとるポイント施策へ

時は共通ポイント戦国時代。その第一人者として、競合他社をどう迎え撃つのか。Tポイントが考える秘策とは…。「カードの発行枚数を競っても意味がない。共通ポイントとは、利用者側が全種類を所持したうえで、使い分けるものになると思う。つまり、使っていただけるために価値をいかに高めるか。顧客にとって有益な価値とは何かについて、愚直に追及していくことだと思う」と話す髙原氏。言葉通り、新たなバリューを持つカードも次々登場している。

Tカード(POKÉMON with YOU デザイン)

Tカード(POKÉMON with YOU デザイン)

たとえば、ポケモンデザインのドネーション型カードでは、貯めたTポイントの半分が寄付に回り、福島県南相馬市のインドアパーク建設のために使われる。また、PGMグループが運営するゴルフ場ではTカードを登録すればスマートチェックインが可能、このサービスは利用客に好評だそうだ。

「実現するかはわからないが、たとえばホテルのカードキー、あれがTカードになったら?と考えると面白い。まだまだ、できることはあると思う」(髙原氏)

日本の総人口の約4割が保有するというTカード。強気の戦略は今度も可能だろう。

「ポイントといえば、つい貯めることが中心になりやすいが、使っていただいた時にこそポイントの価値が実感できる。特に1ポイントが1円として使えるため、消費増税後の買い物でもコインレスで済むというメリットもある。毎日コツコツ貯め、使っていただけるようなポイントであるよう、さらに場を広げていきたい」(髙原氏)

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