「AOKI」「ORIHICA」の1,500万人の会員情報を一元管理し、販促に活用

2014年10月20日8:00

「AOKI」「ORIHICA」の1,500万人の会員情報を一元管理し、販促に活用
「会員証アプリ」の提供にも力を入れ、「iBeacon」のテストも予定

メンズ・レディスファッション専門店「AOKI」、「ORIHICA」で670店舗以上を展開するAOKIは、システム開発会社のアストロラボ株式会社との共同開発により、AOKIカンパニーおよびORIHICAカンパニーで使用する顧客システムを統合・刷新し、新顧客管理システムを導入した。また、ポイントカードを従来のリライト式からバーコード式に刷新し、グループ店舗の会員情報を一元管理することで、販促に有効活用できるようになった。さらに、iOS、Android対応の「会員証アプリ」を開発し、iBeaconのテスト運用を行うなど、スマートフォンを活用したサービスにも力を入れている。

新顧客管理システムを導入し、グループ全体での一元管理も視野に
既存のサーバを流用することで投資額を9,000万円に抑える

AOKIメンバーズカード

AOKIメンバーズカード

AOKIとORIHICAは、2014年6月17日より、バーコードを活用した新しい「メンバーズカード」に切り替えた。統合後もポイントはAOKI・ORIHICAそれぞれの店舗のみでの付与・利用となるが、顧客情報は一元管理できるようになった。統合時点での会員数は、AOKIとORIHICAの合計で1,500万人。既存のカード会員に対しては、順次切り替えを行っている。

AOKIでは従来、感熱式のリライトカードを発行していた。サーバ上で管理することができたが、エラーで印字されないことも稀にあったそうだ。今回、バーコード方式に変更し、サーバ上で統合管理することで、柔軟な使い方ができるようになった。

また、会員情報についてはこれまで、ポイントカードやメルマガ、モバイルなど、分散して管理していた。各チャネルで顧客情報を管理していたため、分析が煩雑になり、適切なアプローチが難しい課題があったという。

ORIHICAメンバーズカード

ORIHICAメンバーズカード

今回、それを統合したことで、適切な人に適切な方法でアプローチできるようになり、AOKI・ORIHICAの店舗やそれぞれのオンラインショップに加え、ブライダル事業やエンターテイメント事業などAOKIグループ全体での相互利用も実現できるプラットフォームは整った。ただし、それぞれ業態の特性が異なり、決済単価も違うため、当面はブランドごとの運用を行うそうだ。

店舗では既存のPOSを利用して、バーコードリーダでポイントカードのバーコードを読み取って管理している。開発コストについては、アプリも含めて約9,000万円。既存のサーバを流用することで、開発コストを抑えることができたという。

「会員証アプリ」は1年間で150万ダウンロードを目指す
都内3店舗で「iBeacon」を検証

今後は、取得した会員情報を販促に有効活用していきたいとしている。これまでは、会員数1,500万人分、年間900万枚にもなるレシートがあったため、売上や顧客情報の分析に時間がかかっていた。

システム統合のイメージ

システム統合のイメージ

新システムでは、メモリデータベース技術を使うことにより、分析スピードが格段に向上。施策を打つための準備が短縮し、分析からアクションにスムーズに移せるようになった。AOKI・ORIHICA両店舖を合わせた全国670店舗以上における1年分の顧客・購買データから、前年対比を含めた客層分析をおおよそ5秒以内で算出することができる。

また、iOS、Android対応の「会員証アプリ」を開発。1年間で150万ダウンロードを目指す。「会員証アプリ」は、ポイントカードの代わりとして店舗で使用できる“デジタル会員証”として利用できるとともに、クーポンが即時に確認・利用可能だ。既存のカードとの併用も含め、積極的に推進していく方針だ。

「会員証アプリはポイントカードとしての利用もでき、プッシュ配信も可能です。購買履歴別にセグメントを分けたメッセージ配信を行える環境を整えていきたいです」(アストロラボ株式会社 曽根氏)

なお、会員証アプリには、他社に先駆け近距離無線通信技術の「iBeacon」を搭載。iBeaconは、将来的に全店での運用を目指し、2014年下半期より、人の流動が多い3店舗でテスト導入を開始する。店内にBeaconセンサーを設置することにより、来店客に向けて、来店ポイントやクーポン情報・商品情報などの配信を行う。また、来店時の動線(トラッキングコード)が収集でき、その分析を行うことで、売り場づくりに役立てていきたいとしている。iBeaconは、長い距離を確保できる一方、距離の制御も可能だが、場合によってはタッチする方式も検討しているそうだ。まずはiOSに限定しての提供を行うが、運用については未知数な部分も多いため、長い目で使い方を検証する予定となっている。

新規顧客に向け共通ポイント「Ponta」も導入
2015年にはECサイトと顧客システムを統合予定

なお、AOKIでは、ポイントサービスとして、ロイヤリティマーケティングが展開する共通ポイント「Ponta」も導入している。顧客は、AOKIのポイントとPontaポイントのいずれかを選択して貯めることが可能だ。

会員証アプリのイメージ

会員証アプリのイメージ

今後のカードの入会促進策については、「秋から冬にかけて新作のご案内のキャンペーン等、アプリをダウンロードいただける販促を展開していきたいです」とAOKI 広報 小林氏は話す。来店客にはポイントカードの切り替えの説明をする必要があるため、その際にアプリの案内も行う予定だ。また、アプリについては、入力項目はできるだけ少なくして、多くの人に利用してもらいたいとしている。

現状の課題としては、ECサイトの顧客情報と、顧客管理システムがつながっていないことだ。アストロラボ株式会社 矢島氏は、「2015年には、ECサイトと顧客システムを統合していく予定がありますので、今後はネットとリアルの相互利用を検討しています」と話す。また、その時点でアプリとECサイトの登録が一元化されるため、アプリにログインした状態でECサイトにおいて購入ができる環境を整えていきたいとしている。

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