イトーヨーカドーやセブン-イレブンではセブンカード・プラスとnanacoはどちらが得か

2014年12月8日8:00

イトーヨーカドーやセブン-イレブンではセブンカード・プラスとnanacoはどちらが得か

株式会社ポイ探 代表取締役 菊地崇仁

スーパーマーケットの比較が行われる場合、たいてい「イオン vs イトーヨーカドー」となるだろう。以前、イオンではイオンカードを利用するのが得か、WAONを利用するのが得かを比較したことがある。今回はイトーヨーカドーやセブン-イレブンで支払う場合、セブンカド・プラスとnanacoはどちらが得かを検証したい。

読者の中にはスーパーマーケットにはそれほど行かない人も多いとは思うが、スーパーマーケットを使わなくても、最後まで読むと役立つこともあるだろう。

還元率・利用可能場所どちらをとってもセブンカード・プラスが有利

2014年9月から従来の「セブンカード」が新規募集を停止した。今後は、「セブンカード・プラス」のみの募集となる。セブンカードとセブンカード・プラスの違いは、貯まるポイントだ。セブンカードの場合はセブンカードのポイントが貯まるが、セブンカード・プラスのポイントは関連付けたnanacoポイントが貯まる。ポイントとしてはnanacoへの再チャージも可能なnanacoポイントの方が使い勝手も良いだろう。

2014年5月末時点でnanacoカードが約2794万枚、nanacoモバイルが314万件。セブンカードは350万枚発行されている。イオンカードやWAONよりも発行枚数は少ないが、イトーヨーカドーをよく利用している人にとってはお馴染みのカードだろう。

セブンカード・プラスとnanacoの大きな違いはクレジットカードか電子マネーかの違いだ。セブンカード・プラスを申し込むと審査があるが、nanacoの保有には審査は必要ない。誰でも持つことができるのがnanacoだ。

また、セブンカード・プラスの場合は、セブン&アイグループ以外の国際ブランド加盟店でも利用が可能となる。JCBブランドが付いているセブンカード・プラスの場合は、海外を含む約2600万店のJCB加盟店で利用可能だ。nanacoの場合は、nanaco端末が設置されている店舗、国内の約13万6200箇所での利用となるため、セブンカード・プラスの利用可能場所はnanacoの実に200倍となる。

では、イトーヨーカドーで利用する際のポイントの貯まり方、特典等の基本的なスペックを比較しよう。

  セブンカード・プラス nanaco
券面
発行枚数 350万枚 2794万枚
年会費/発行手数料(税込) 初年度 無料 300円
(8の付く日にイトーヨーカドーで1000円現金チャージすると無料)
翌年度 1000円(前年度5万円以上の利用で無料)
利用可能場所 Visa/JCBカードの加盟店 13万6200箇所
ポイント nanacoポイント
イトーヨーカドーでのポイント付与率 200円(税込)で3ポイント 100円(税抜)で1ポイント
1ポイントの価値 1円
イトーヨーカドーでの還元率 1.5% 1.0%
優待 毎月8の付く日は5%OFF

イトーヨーカドーでのポイント還元率を見ると、セブンカード・プラスは1.5%、nanacoは1.0%とセブンカード・プラスの方が高くなっている。使える場所も多く、割引サービスも同じであるならセブンカード・プラスの方がお得だろう。

2年目以降の年会費は1000円必要だが、前年度5万円以上のショッピング利用で無料となる。普通に利用している限りは年会費は無料と考えても良い。

しかし、筆者のおすすめはイトーヨーカドーでもnanacoを利用することだ。

クレジットカードからのチャージを利用すると還元率がセブンカード・プラスの倍に

プリペイド型電子マネーの多くは、クレジットカードでチャージした時にポイントを貯めることができ、利用するときにポイントを貯めることができる。nanacoも同様で、対象のクレジットカードでチャージした場合、クレジットカードのポイントと、支払い時のnanacoポイントを貯めることが可能となっている。

 

例えば、年会費2000円+税の「リクルートカードプラス」は100円につきリクルートポイントが2ポイント貯まり、1ポイントは1円として利用できるため還元率は2%だ。リクルートカードプラスからnanacoにチャージするときに2%のリクルートポイントが貯まり、支払い時に1%のnanacoポイントが貯まる。合計すると約3%のポイントを獲得でき、イトーヨーカドーでセブンカード・プラス支払いするより2倍お得になる計算だ。

リクルートポイントは2014年7月からPontaポイントに交換できるため、クレジットカードで貯めたポイントをPontaポイントとしてローソン等で利用することができるようになっている。また、2015年春頃にはリクルートポイントが廃止されPontaポイントに統合。直接Pontaポイントが貯まるようになる。

nanacoを使うメリットはセブン-イレブンでの支払いにあり

イトーヨーカドーでもnanacoを利用するとお得だが、さらにnanacoを使うメリットはセブン-イレブンでの利用だ。

セブン-イレブンでnanaco支払いができないものは以下の2点となっている。

  • nanacoの発行手数料/再発行手数料
  • 電子マネーへの入金(チャージ)

つまり、切手・はがき・コピー代・税金などは何でもnanacoでの支払いが可能だ。また、1枚のnanacoにチャージ可能な上限は5万円+センター預かり分5万円の合計10万円まで。ただし、税金などは1回の支払いで10万円を超えることもある。しかし、セブン-イレブンではnanacoは5枚まで利用することが可能となっている。つまり、1回の支払いで50万円までの支払いが可能ということだ。コンビニでの収納代行は、30万円未満となっているため、最大50万円支払えるnanacoで支払えないものはないと言えるだろう。

もちろん、nanacoで支払っても切手や税金などの支払い時にはnanacoポイントは付与されない。しかし、クレジットカードでチャージした場合、切手や税金の支払いでも間接的にポイントを貯めることができるのだ。

筆者は自動車税、住民税、固定資産税、切手代等をnanacoで支払っているため、これらの支払いだけでも数万円分のポイントを毎年獲得できている。

 

 

nanacoのクレジットカードチャージにも暗雲が

現時点では、nanacoは非常にお得な電子マネーだ。イトーヨーカドーで買い物している主婦、住民税を自分で支払っている個人事業主、自動車税や固定資産税を支払っているサラリーマンなど、多くの人にとって利用価値のある電子マネーがnanacoだ。

しかし、懸念点が2つある。1つ目は、今回紹介したリクルートカードプラスの場合、2015年春以降に貯まるポイントがPontaポイントに変更となる事だ。その場合、nanacoにチャージして貯めたポイントをローソンで利用することができることになり、nanacoチャージがそのまま継続されるかどうかは不明だ。

2つ目は、最近ではnanacoへのチャージについて、カード会社も対策を始めている事だ。ビックカメラSuicaカード(JCB)ではnanacoへのチャージでポイントを付与していたが、2012年10月以降にポイント付与を終了。2014年12月からはライフカード(JCB)もポイント付与率を通常の半分に減らし、あるカード会社ではnanacoチャージに付いてコメントを求めると取材拒否と言う事も出てきている。

現時点では最強の電子マネーと言えるが、nanacoを今後もお得に利用できるかどうかは、保有カードがチャージでポイントがつかなくなった時に、切り替えられるカードを探せるかどうかだろう。nanacoチャージについての最新情報はコラムで紹介していく予定のため、定期的に情報収集してnanacoを活用して欲しい。

菊地 崇仁(きくち たかひと)

1998年に法政大学工学部を卒業後、同年日本電信電話株式会社(現NTT東日本)に入社。社内システムの開発、Lモードの料金システム開発、フレッツ網の機器検証等に携わり2002年に退社。同年、友人と共に起業し、システムの設計・開発・運用を行う。2006年、ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年3月代表取締役に就任。ポイント探検倶楽部に掲載されているポイントは約230種類。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られる。

三児の父であり家計のやりくりをすべて担当。ポイントのみならず、クレジットカードや保険なども守備範囲で、近年は投資にも挑戦している。著書は「新かんたんポイント&カード生活(自由国民社)」、「得するポイント(カード)の貯め方・使い方(日本監督協会)」。運営サイトは「ポイント探検倶楽部(ポイ探)」「株式会社ポイ探」「菊地崇仁オフィシャルホームページ」等。

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