PayPalのリアル決済サービスの今後の展開は?

2014年12月15日8:40

スマートフォンを利用した事前オーダーの浸透を目指す
オンラインで構築した簡単でセキュアな決済をオフラインでも展開

世界203カ国・地域で、1億5,700万以上のアクティブアカウントを有する「PayPal」は、オンラインに加え、実店舗での展開を強化している。日本でも複数の店舗で運用がスタートしているが、米国での状況についてPayPal パブリックリレーション Chris Morse氏に話を聞いた。

数多くのパートナーと提携しモバイルサービスを提供
数千のモバイル決済を処理するBraintreeと連携

――現在、PayPal様が米国で注力されているビジネスについてお聞かせください。
Chris Morse:我々のこれまでのコアビジネスはオンラインでのネット決済でした。現在は、それをストアビジネスに移行しようとしています。PayPalならではの簡単、スピーディーな決済を提供しようと考えています。また、重要なのは安全な支払いが行えることです。

「Money20/20」では「ペイパルチェックイン支払い」で決済するとコーヒーが1セントになるサービスを提供

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――スムージーストアのジャンバジュースで採用された「オーダーアヘッド(事前注文)」の浸透状況はいかがでしょうか?
Chris Morse:カードをスワイプするやり方はまだ継続して利用されています。ただ、スマートフォンを使ったマーケティングはポテンシャルがあると考えています。チェックイン支払い(顔パス支払い)すると同時に事前注文を行える「オーダーアヘッド」は我々が提案しているコンセプトと合致します。

「オーダーアヘッド」とは違うソリューションですが、現在、バーガーキングとのインテグレーションを発表しており、消費者が店舗で4桁のコードを入力すると支払いが可能です。また、モバイルアプリケーションを提供するTillstr(ティルスター)とのコラボレーションも行っており、ファーストフード等を中心にサービスを提供しています。

――事前オーダーについては、店舗のオペレーションなど、運用面での課題も指摘されています。
Chris Morse:確かに運用面での課題は多く、弊社でもサービスを展開する中で改良を行っています。モバイルアプリケーションを展開するレボルとパートナーシップを組み、システムを共同で開発しています。また、モバイルPOSを展開するLeapset(リープセット)のお客様に商品を提供しています。さらに、Eat24は、お客様自身のスマートフォンから商品の注文ができるモバイルアプリケーションを開発していますが、すでに連携を行っています。

世界40カ国以上の企業 が、ブレインツリーによる130 種類以上の通貨での決済を受け入れている

世界40カ国以上の企業が、ブレインツリーによる130 種類以上の通貨での決済を受け入れている

――事前オーダーはいつごろから本格的に普及するのでしょうか?また、英国では、店舗のPOSで顔写真の代わりに4桁のコードが表示される「ペイアットテーブル」の導入がスタートしましたが、米国での展開についてお聞かせください。
Chris Morse:米国においては、ジャンパージュースでサービスを開始しましたが、事前オーダーが話題になり、市場からの注目度も高まりました。まずは加盟店との関係づくりを行い、そこから消費者にも徐々に浸透していくと考えています。また、ペイパルアットテーブルについては、まだスタートしたばかりで導入はこれからです。

――eBayは「LivingSocial」や「Uber」といった決済を処理するBraintreeを買収しましたが、その理由についてお聞かせ下さい。
Chris Morse:モバイル決済アプリを提供するBraintree(ブレイントゥリー)と組むことで、ワンタッチで決済ができる革新的な方法を生み出します。極端に言えば、Uber等のように店舗での支払いを消してしまうことも可能です。

PayPal Beaconはまだテスト段階
「PayPal Here」のEMV ICカードへの対応は?

――2013年9月にハンズフリー決済を実現可能な「PayPal Beacon」のコンセプトを発表しましたが、ローンチが遅れている理由についてお聞かせください。
Chris Morse:「PayPal Beacon」はまだテストが行われている段階です。店舗でサービスを展開するためには、さらに多くの企業との協力関係が必要となります。ペイメントは店舗にとってコアのビジネスの位置づけです。弊社はペイメントカンパニーとして、もっと多くのことを学ばなければいけません。今後も加盟店や消費者にさらなる価値を提供するために努力していきたいです。

PayPal パブリックリレーション Chris Morse氏

PayPal パブリックリレーション Chris Morse氏

――スマートフォンが決済端末となる「PayPal Here」は、2015年10月のライアビリティシフトに向けて、米国でのEMV ICカード化は検討されていますでしょうか?また、EMV決済の際は、サインもしくはPIN入力のどちらを適用されますか?
Chris Morse:EMVリーダーについては、英国とオーストラリアにおいて提供しています。技術的には完成していますので、あとは米国にあった商品を提供していきたいです。また、サインかPIN入力かについては、法律・規制等に適用した方法で行っていく方針です。

――最後に今後の意気込みについてお聞かせください。
Chris Morse:まず、オンラインで構築したコアなテクノロジーを各方面に導入していきたいです。オンラインでもインストアでも便利に利用できる世界を目指していきたいと考えています。

※取材は2014年11月2~5日まで開催の「Money20/20」にて

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