ネットムーブがEMV ICカードに対応したスマホ決済サービスを提供

2015年4月9日8:21

■ネットムーブ
EMV ICカードに対応したスマホ決済サービスを加盟店や決済事業者に提供
継続課金に対応でき、セキュリティ対策アプリも搭載

ネットムーブは、磁気ストライプに加え、よりセキュリティの高い接触ICカード(EMV)にも対応した決済ゲートウェイ型サービス(mPOS)「SaATポケレジ(サート・ポケレジ)」の提供を開始した。リーダライタはMIURA Systems製の端末を提供。iOSやAndroidデバイスを利用したスマートフォン決済サービスを、ICカード(EMV)によるセキュアな環境で提供する。同社では加盟店に加え、決済代行事業者へのOEM提供も行うという。

ICカード(EMV)対応でセキュアなカード決済を実現
決済事業者へのOEM提供も可能

今回、ネットムーブが提供するサービスは、2種類を想定。まず、「SaATポケレジ」では、EMV端末とスマホアプリを用いた決済スキームをフルセットで加盟店向けに提供する。加盟店は、ネットムーブと契約することで、EMVに対応したスマートフォン決済サービスを利用することが可能となる。

決済のイメージ

決済のイメージ

「SaATポケレジ」の強みとして、都度課金はもちろん、学習塾の会費や公共料金の集金など、継続課金をサポートしている点が挙げられる。また、ネットムーブでは金融機関向けのセキュリティ商材の販売で実績があるが、mPOS端末を操作・管理するアプリ側には、セキュリティチェック機能として「SaAT Secure Starter」を標準で装備。これにより、アプリを起動したときにマルウェアなどをチェックでき、危険な状態で端末が利用できないようになっている。

ネットムーブでは、決済事業者に対してのOEMサービス、「SaATマネージドターミナルサービス」も提供する。これは、加盟店との契約や決済スキームは決済事業者のサーバで行うが、EMV端末を管理するサービスをフルセットで支援するもの。ネットムーブ シニアプロジェクトマネージャ 高田理己氏は、「決済代行事業者がスクラッチでEMVのアプリを作り込むと、相当なコスト負担が発生しますが、センター側のサーバやスマホアプリもライブラリ化して提供することで、スムーズにサービスインしていただくことが可能となります」とメリットを口にする。

MIURA Systemsの決済端末を利用
SafeNetのHSMを利用した鍵管理を実施

今回のサービスで利用するMIURA Systemsの決済端末は、国際ブランド認定の「EMVレベル1/レベル2」、PIN入力装置の国際基準「PCI PTS」に準拠している。また、ネットムーブの決済センターはペイメントカードの国際基準「PCI DSS」に準拠しており、センター側のEMV対応についてはVisa、MasterCard、JCBのブランド認定テストも完了している。

オーソリ処理までを弊社決済システムでおこなう「SaATポケレジ(フルセット提供型)」と、オーソリ・売上処理以外を弊社側で行う「SaAT マネージドターミナルサービス(TMS機能提供型)」がある

オーソリ処理までを弊社決済システムでおこなう「SaATポケレジ(フルセット提供型)」と、オーソリ・売上処理以外を弊社側で行う「SaAT マネージドターミナルサービス(TMS機能提供型)」がある

「SaATポケレジ」は、決済トランザクションごとに異なる暗号鍵を使用する「DUKPT」プロトコルを採用。決済センターにはHSM(ハードウェア・セキュリティ・モジュール)のセキュリティ基準である「PCI-HSM」に準拠したHSMが必要となるが、SafeNetのLuna EFTを導入している。

日本セーフネット CDP事業部 サービスプロバイダ営業部 部長 亀田治伸氏は、「従来、MIURA Systemsの端末はSafeNetのHSMではサポートしていませんでした。今回、ネットムーブ様からの依頼を受け、足りないコマンドを追加して純正品として提供しているのが特徴です」と話す。

SafeNetのLuna EFTはDUKPTインターフェースを提供するとともに各鍵を安全に登録、保護、アプリケーションが利用する各種APIを提供する。暗号化されたクレジットカード情報がスマートフォン上で復号化されたり、データが保存されることはないという。

決済代行事業者数社で採用が決定
3年後に決済取扱高720億円を目指す

「スマートフォン決済端末の多くは通常、工場出荷の前にセキュリティルームでIPEK(初期キー)のインジェクションを行って出荷されていますが、MIURA Systemsの端末は、筐体自体がDUKPTの鍵をリモートで取りに行くことが可能です。DUKPTを使う場合は初期キーを入れる必要がありますが、利用者がアクティベーションして初めて入る仕組みとなっています」(高田氏)

ネットムーブ シニアプロジェクトマネージャ 高田理己氏(右)と日本セーフネット CDP事業部 サービスプロバイダ営業部 部長 亀田治伸氏(左)

ネットムーブ シニアプロジェクトマネージャ 高田理己氏(右)と日本セーフネット CDP事業部 サービスプロバイダ営業部 部長 亀田治伸氏(左)

また、MIURA Systemsの端末は、PANをDUKPTで暗号化する「SRED(Secure Reading and Exchange of Data)」に対応。SREDはPCI PTSのVersion3.0以降から項目に盛り込まれた規格となるが、ブランドが定めるmPOS用のガイドラインではSREDの採用がベストプラクティスとして規定されており、ここも優位点に挙げている。

価格は、加盟店向けに提供する「SaATポケレジ」が端末代金1万9,800円および決済手数料(業種業態により手数料は確定、継続課金等のカスタム決済も対応)で提供し、決済事業者またはPOSベンダー向けの「SaATマネージドターミナルサービス」では月額20万円~、およびスマートフォンアプリのSDKやサーバ側のライブラリをセットで提供する場合は100~200万円程度となる見込みだ。HSMを自社で新たに設置する際にはシステム規模により異なるが HSM 費用も併せて約500万円が導入初期費用の目安となる。

なお、ネットムーブはすでに、イヤフォンジャックタイプのスマホ決済サービスを提供しており、大手学習塾などで採用された実績がある。また、スマホ決済サービスを提供している複数の決済事業者のバックオフィス系の業務をサポートしているそうだ。

今回、Visaが定めたmPOSのライアビリティシフトを目標にサービスを開始したことで、自社でのサービス提供はもちろん、EMV対応のサービスを提供する決済事業者を支援していきたいとしている。すでに決済代行事業者数社で採用が決定。同社では、3年後に本サービスでの決済取扱高720億円を目指す。

page toppagetop