モザンビークでソーラーパネル運用の電子マネーシステム開始(NBF)

2015年6月24日12:08

バイオ燃料事業を展開する日本植物燃料(NBF)は、モザンビーク共和国の無電化地域を中心とした金融情報インフラ構築についてのパイロットプロジェクトに関して、Movitelとの共同実施の合意書を締結したと発表した。日本電気(NEC)などと協力する。

ソーラーパネル1枚で運用する電子マネーシステムがスタート。NECの電子マネー技術とNBFの地域に根ざした活動が貢献(出典:NBFのプレスリリース)

ソーラーパネル1枚で運用する電子マネーシステムがスタート。NECの電子マネー技術とNBFの地域に根ざした活動が貢献(出典:NBFの資料より)

同プロジェクトにおいて、NBFは、バイオ燃料や農作物買取りなど地域に根差した活動を進めてきた実績を踏まえ、現地での事業実施を担当する。パイロット事業と並行して新会社を設立し、銀行ライセンスの取得を行う。

NECは、電気供給やインターネット網が不十分・不安定なエリアでも使用可能な非接触型ICカードを用いた銀行口座管理・POS・商品買い取りシステムの提供を担当する。また、モザンビーク共和国の携帯電話会社、Movitelが送金ネットワーク網を担うという。

現地にある携帯電話事業者3社の中で、Movitelは農村部でのエリアカバー率と顧客数で優位に立っているそうだ。これまでモザンビーク共和国では、近隣のケニアにある携帯電話事業者が提供する送金サービスも利用できたが、それらは金融インフラとしての機能は限定 的だった。

ポイント制度や目的に応じた口座作成など、電子マネーシステムをベースとしたためにフレキシブルなサービス提供が可能な点が、 金融と情報を兼ね備えたインフラを構築する同プロジェクトの特長となっている。

現在、モザンビーク国民の約8割は農村部で生活し、安全なお金の保管・送金ができていなかった。現地でジャトロファバイオ事業を展開するNBFにおいて、自社所有の小売店で現金を取り扱っていると、帳簿・在庫・現金残高が合わず、ひどいときは30%ほどの現金ロスが出ることがあったという。

そのため、現金を直接扱う機会を減らすために、POSとプリペイド式の電子マネーを導入したところ、村人の中で、デポジット機能(預け金)を利用すれば、 より安全にお金を預けられるとの価値に気が付いた人が現れて、「現金を家に隠しておく」のではなく、電子マネーで「預金する」ニーズが生まれたという。

2013年11月からNECとNBFの2社でプレ・パイロット事業として、2か所の村で運営し基礎データを収集した後に、2015年に国際協力機構(JICA)から調査支援を受け、本格的なパイロット事業を行うことになったのが、今回の共同実施に至るまでの流れとなる。

農村部への金融情報サービスが目的である点、単独で全国に支店網を構築するには時間と労力がかかることから、すでにモザンビーク共和国に営業網を持ちサービスを提供しているMovitelと提携することで、金融インフラ事業として一定規模の大きさを持つ目途をつけたそうだ。

今後は、プレ・パイロット事業で得られた結果を元に、ICカードの発行や端末の運用などシステムバージョンアップを行い、2015年10月から3社共同実施のパイロット事業を開始する予定だ。今秋から始まるパイロット事業では1年で10万口座開設、その後の事業化で初年度100万口座開設を目標にしている。

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