広島銀行が「電子マネー方式プレミアム付き商品券」の発行・運営を実施

2015年10月7日7:58

地域の電子マネー「HIROCA(ヒロカ)」により地方創生を目指す

広島銀行は、広島県が公募した「電子マネー方式プレミアム付き商品券発行モデル事業」の事業者として採択され、プレミアム付き商品券「HIROCA(ヒロカ)」(以下:HIROCA)を発行する。「プレミアム付き商品券」の利用期間終了後は、地域の電子マネーとして引き続き利用できるが、「HIROCA」を活用した仕組みを「地方創生」につなげる方針だ。

カード対応の都道府県での実施は全国初
1,000台以上の端末でHIROCAが利用可能に

「HIROCA」は、従来、紙で発行していた「プレミアム付き商品券」を、電子マネーカードで対応するもので、都道府県での実施は全国初となる。購入対象者は18歳以上の広島県内在住者で、チャージ上限額は1人5万円、プレミアム額はチャージ額の25%(1人最大1万2,500円)となる。また、利用期間は、11月下旬~2016年2月28日となっている。

プレミアム総額上限は8億円、商品券発行総額は40億円を予定。カードは、10万枚の販売を目標にしている。プレミアム付き商品券の電子化により、行政や加盟店にとっては、印刷コストの削減、精算システムの簡素化、決済インフラの整備など、多くの利点があるそうだ。

「公募の採択の理由は明らかにされていませんが、今回は“地方創生”の一環のため、地方の企業が結束し、地方銀行独自の取り組みに対して評価していただいたと考えています」(広島銀行 個人営業部 カードビジネス推進室 室長 倉本英一氏)

中央が広島銀行 個人営業部 カードビジネス推進室 室長 倉本英一氏。右の担当課長代理の岩井隆徳氏、左の遠藤良則氏は、「広島の電子マネーと言えばHIROCAと言える存在を目指していきたい」と意気込みを見せる

中央が広島銀行 個人営業部 カードビジネス推進室 室長 倉本英一氏。右の担当課長代理の岩井隆徳氏、左の遠藤良則氏は、「広島の電子マネーと言えばHIROCAと言える存在を目指していきたい」と意気込みを見せる

公募条件の中でハードルが高かったのは、県内全域で利用できる決済環境を整備しなければならかった点だ。広島銀行は、PASPY運営協議会、中国新聞社、教育ネットワーク中国と共同し、各種カードの利用促進やサービスの拡充を図る「ひろしま地域カード連携コンソーシアム」を組成しており、約850社が加盟している。地域の企業が連携し、地域活性化を目指すインフラがあったため、それを活用して公募期間に了解を取り付け、公募条件を満たしたそうだ。

今回の事業は、広島銀行が行う県内での利用環境の整備に加え、各市町も併せて利用環境を整備している。広島銀行では、広島県内でサービスを提供するイズミ、フレスタ、エディオンをはじめ各地の商店街等に「HIROCA」が利用できる環境の整備を実施。また、決済環境の整備に向けては、EMV ICカード対応のクレジットカード決済端末、銀聯、交通系や流通系の非接触電子マネーなど、マルチ決済端末が整備できないかと考えた。端末を置き換える場合は日本カードネットワークの「JET-S端末」、決済インフラが整っている加盟店には「HIROCA」専用端末(ネットアライブのVEGA)を用意している。現在、端末設置を進めている段階だが、補助金を利用して1,000台以上の端末で「HIROCA」が利用できるようになる予定だ。

地域の電子マネー、QUICPayもカードに搭載
地域の店舗を紹介したWebアプリも用意

広島銀行では、クレジットカードの〈ひろぎん〉バリューワンに付随した子カードを新たに発行。未成年者またはバリューワン不要の人などには、キャッシュカードに付随した子カードを発行している。カードに搭載される機能は、「HIROCA」に加え、流通系の前払い型電子マネー機能(ゆめか、スマイルマネー)、後払い型電子マネー機能(QUICPay)となる。

地域の電子マネー「HIROCA(ヒロカ)」

地域の電子マネー「HIROCA(ヒロカ)」

今回の事業終了後も広島銀行はバリューイシュアとなり「HIROCA」の事業を継続。倉本氏は、「現金や口座からのチャージに加えて、クレジットカードチャージなども検討しており、口座の活性化にも期待しています」と話す。

広島銀行発行のエリザベト音楽大学の学生証や向島ドックの社員証などにはすでに電子マネー機能が搭載されているが、「学生証や社員証、クレジットカードの子カードなど、さまざまなカードに『HIROCA』の機能を搭載していきたい」と倉本氏は構想を口にする。また、専用のWebアプリでは、広島県内の店舗情報を紹介。さらに、「HIROCA」をチケットとして利用できる取り組みやマンションの鍵として活用してもらう取り組みなども検討している。

なお、「決済手数料は通常の非接触IC電子マネーの相場の半分程度です。ここまで地場の加盟店の皆様から支持され、1,000店舗以上の加盟店でスタートできるのは、オペレーションコストの強みもあると思います」と倉本氏。今後の事業としての採算については、「HIROCA単体では厳しいと感じていますが、地元の企業として、お金を地域で還流させ、地方活性化につなげることができると考えています」と口にする。

倉本氏は、「地域の電子マネーを、これだけの広さ、これだけの規模でスタートするのは前例がありません。独自に展開するWebのメディアを活用することで、地域に密着した情報をお伝えし、消費を喚起していきたいです」と語り、笑顔を見せる。

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ペイメントナビ編集部

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