2015年11月12日8:20

貯まりやすく、使いやすいポイントと加盟店への送客力を武器にサービスを展開

NTTドコモは、2015年12月1日から、新たなポイントサービス「dポイント」を開始する。これまで月々の携帯電話利用料金などに応じて貯まっていた「ドコモポイント」を進化させ、ローソンやマクドナルドなど、ドコモ以外の店舗でポイントを貯めたり、使えるようにした。また、ドコモの回線契約がない人も「dアカウント」を取得すればポイントを利用可能だ。

5,400万人のドコモユーザーに加え、キャリアフリーで使える

11月11日に行われた発表会ではNTTドコモ 代表取締役社長 加藤 薫氏が登壇し、dポイントの特徴を紹介した。「dポイント」は、パートナーとドコモとの協創により、人々に新たな価値を提供する目的で開始するという。2015年4月以降に獲得したドコモポイントは、11月25日から11月30日までの間に、「dポイント」に移行される。また、「ドコモプレミアムクラブ」は「dポイントクラブ」となり、5,400万人のドコモユーザーに加え、キャリアフリーで誰でも使えるのが特徴となっている。

NTTドコモ 代表取締役社長 加藤 薫氏は将来的には億単位の発行枚数を目指したいと説明
NTTドコモ 代表取締役社長 加藤 薫氏は将来的には億単位の発行枚数を目指したいと説明

dポイントの提供にあわせて、ポイントを貯める・使うための専用カード「dポイントカード」(入会金・年会費無料)を12月1日から、全国のドコモショップならびにパートナー企業の店頭で無料配布を開始する。また、ドコモの提供するクレジットサービス「DCMX」をリニューアルし、dポイントカードにクレジット決済機能を搭載した「dカード」(ブランドはVisa/MasterCard)の受付を11月20日からスタートする。クレジット機能を搭載したdカードは、NTTドコモが提供する非接触決済サービスである「iD」の機能も搭載されている(TypeA/Bによる決済機能は非搭載)。DCMXは、2006年に200万会員だったが、2016年上期には1,600万会員を有する規模となっている。dカードは、全世界約3,960万店舗のVisa/MasterCard加盟店や、iD加盟店(リーダライタ設置数約59万台)がクレジット決済の対象店舗となっている。

dポイントカードとdカード
dポイントカードとdカード

 

ローソンに加え、マクドナルドとの提携を発表

dポイントは、店舗などの買い物の際の提示で1~3%のポイントが付与される。また、dカード、dカード(iD)、dカードmini、dケータイ払いプラスでの決済で0.5~11%のポイントが貯まるという(いずれもキャンペーン含む)。さらに、dカード、dカード(iD)、dカードminiの決済利用で3%の割引が適用される。

LAWSONとの取り組み
ローソンとの取り組み

ドコモでは、5月にローソンとの提携を発表。ローソンで買い物する際、ドコモのクレジットサービス「DCMX」「DCMX mini」で支払うと割引が最大5%適用される取り組みがリリースされた。具体的には、ローソン店舗でのDCMX、DCMX miniを利用した決済において、決済金額の3%を割引、12月1日から、ローソン店舗での買い物の際にdカードで決済し、「dポイントカード」を提示することで、買上げ1回につき、購入額100円ごとに提示と決済でそれぞれ1ポイントが貯まるという。加えて、11月12日~2016年3月31日まで、iD決済でポイントが2倍となるため、最大6%相当の還元が受けられる取り組みが今回発表された。

ローソンでの利用イメージ
ローソンでの利用イメージ

また、12月から日本マクドナルドと提携し、都内約100店舗でサービスを開始。ローソンと同様に5%の還元が受けられる。また、12月1日~12月31日まではカードの提示でポイント3倍、iD決済で2%のポイントが付与されるため、8%相当の還元を受けられるそうだ。

日本マクドナルドとの取り組み
日本マクドナルドとの取り組み
マクドナルドでの決済イメージ。dポイントはASPサービスとしてジィ・シィ企画の協力を得ている。マクドナルドではCastles Technology(ネットアライブ)のV5Sを導入予定
マクドナルドでの決済イメージ。dポイントはASPサービスとしてジィ・シィ企画の協力を得ている。マクドナルドではCastles TechnologyのV5Sを導入予定

さらに、JALとの新たな取り組みも発表。JALとは、国内線購入時のdカード(DCMX)によるカード決済で、2%のポイントを付与し、「dポイントクラブ」のサイトから購入すれば1%のポイント付与を行うため、最大3%のポイントが還元される。また、JALのマイルとdポイントの相互交換も可能になるほか、2016年春からは空港内にある店舗「BLUE SKY」でのショッピングでもdポイントが貯まる、使えるサービスを開始する予定だ。

JALとの取り組み
JALとの取り組み
JALのマイルとdポイントの相互交換も可能に
JALのマイルとdポイントの相互交換も可能に

 

2016年春以降は8社でサービスを提供へ

なお、サービス開始時点でのdポイント加盟店は、ローソンとマクドナルドの2社だが、2016年春以降は、JALUX、イオンエンターテイメント、タワーレコード、オリックス自動車、ルネサンス、伊達の牛たん本舗が加わる予定だ。

2016年春以降は8社に加盟店が拡大
2016年春以降は8社に加盟店が拡大

NTTドコモのサービスとしては、「dショッピング」「dゲーム」などで、基本1%のポイントが付与される。また、ドコモの携帯電話料金、ドコモ光の料金でも通常1%のポイントが付与されるが、「dカードゴールド」については10%のポイント付与を行う。

ドコモサービスでもポイント付与
ドコモサービスでもポイント付与

貯まったdポイントは、dマーケットでの買い物に加え、dポイント加盟店やdケータイ払いプラス加盟店での買い物に1ポイント1円として使用できる。また、ドコモ回線の契約者なら、携帯電話機などドコモの商品の購入、グルメカタログなどの商品等への交換に使うことも可能だ。さらに、毎月の携帯電話利用料金への充当も可能としている。

貯まったポイントはドコモサービスで利用可能
貯まったポイントはドコモサービスで利用可能

 

「dカード特約店」や「dカード ポイントUPモール」でお得にポイント付与

dカード加盟店だけではなく、dカードによる決済でより多くのポイントが貯まる「dカード特約店」や「dカード ポイントUPモール」では、dカードの利用額に応じたdポイントが、通常の決済時のポイント以上に付与される。dカード特約店は、スターバックス、中部電力、コナカ、フタタなど、33社、全国1万3,000以上の店舗が対象となる。また、dカード ポイントUPモールは、dカード等の利用額に応じて、通常の決済時のポイント以上にdポイントが貯まるドコモのショッピングモールサイトとなる。楽天市場、ベルメゾンネット、ニッセンオンライン、GROUPON、サントリーウエルネスオンライン、山田養蜂場オンラインショップには、dカード ポイントUPモールのサイトを経由して買い物するだけで、通常の1.5~10.5倍のdポイントが貯まる。

全国1万3,000以上の店舗、300社のネットショップでお得にポイント付与
全国1万3,000以上の店舗、300社のネットショップでお得にポイント付与

 

「dケータイ払いプラス」はドコモ回線契約者以外も利用可能

「dケータイ払いプラス」は、dケータイ払いプラスに対応したサイトでの買い物時に利用できる決済サービス。dケータイ払いプラスで支払った金額に応じてdポイントが100円につき1ポイント付与される。また、dケータイ払いプラスに対応したサイトでは、商品等の代金の支払い時に、dポイントを利用することが可能だ。

「dケータイ払いプラス」を順次サービス開始
「dケータイ払いプラス」を順次サービス開始

従来の「ドコモ ケータイ払い」と同様、月々の携帯電話料金と一緒に支払えるほか、支払い方法を拡充し、dポイントやクレジットカード(dカード含む)での支払いも選択できるようになる。また、ドコモの回線を利用していない人も、dアカウントを登録すれば利用できる。

dケータイ払いプラス加盟店は、開始当初14社でスタート。DHCオンラインショップ、SHOPLIST.com by CROOZ、mu-moショップ、ソニー製品情報・ソニーストアなどで12月から順次利用できる。

12月1日~2016年1月31日までは、dケータイ払いプラスで支払った金額に対して、10%のポイントを還元するキャンペーンも行われる。

「プレミアクラブ」は「dポイントクラブ」として4段階のステージに

これまで「プレミアクラブ」として展開してきた6段階の会員制度は、「dポイントクラブ」として4段階にリニューアル。dポイントクラブは、ドコモの回線を利用していない人も申し込みできる。6カ月間のdポイント獲得数により、ステージが決定。ドコモ回線の長期契約者は、継続利用期間に応じてブロンズステージ(継続利用期間10年以上)またはシルバーステージ(継続利用期間15年以上)に優遇される。また、dカードまたはDCMXの契約者はブロンズステージに、dカード GOLDまたはDCMX GOLDの契約者はゴールドステージに、優遇されるという。

なお、dポイントクラブのステージ情報やポイントの保有数はもちろん、お得なクーポンや、キャンペーン情報などを一元的に確認、利用できる「dポイントクラブアプリ」も12月から提供を開始する予定だ。

「dポイントクラブ」として4段階にリニューアル
「dポイントクラブ」として4段階にリニューアル

 

ソーシャルギフトサービス「ギフトコ」を開始

12月1日からは、ソーシャルギフトサービス「ギフトコ」も開始。「ギフトコ」は、Webまたは専用アプリから、少額のギフトチケットに好きなメッセージを添えて、贈ることができるサービスだ。ギフトを受け取った人は、URLにアクセスし、チケット画面を近くの店舗(コンビニエンスストア、飲食店など)で提示することで、ギフトが受け取れる。支払いは「dケータイ払いプラス」に対応しており、ギフト購入金額100円(税込)につき1ポイントの「dポイント」が付与される。また、貯まった「dポイント」でギフトを贈ることも可能だ。

「ギフトコ」のサイトイメージ
「ギフトコ」のサイトイメージ

取り扱いブランドは、ローソン、スターバックス、クリスピー・クリーム・ドーナツ、タワーレコード、ラフィネ、マリオンクレープとなり、今後はサブウェイの追加も予定している。

「ギフトコ」の特徴
「ギフトコ」の特徴

NTTドコモでは、12月1日から、「友達に無料でローソンプレミアムロールケーキを贈ろう」キャンペーンを実施。キャンペーン期間中に「ギフトコ」にログインした人の中から先着で10万名につき、無料で、ローソンのプレミアムロールケーキをギフトとして贈ることができる取り組みを行う。

「dポイント」は“割引”と“お得”のある新しい共通ポイント

NTTドコモ「dポイント」は、先行する3つの共通ポイント制度とどのような違いがあるのだろうか? 記者会見終了後にNTTドコモ プラットフォームビジネス推進部 担当課長 酒井善三氏に話を聞いた。

NTTドコモ プラットフォームビジネス推進部 担当課長 酒井善三氏
NTTドコモ プラットフォームビジネス推進部 担当課長 酒井善三氏

――すでに国内には3つの共通ポイントが存在しますが、「dポイント」は同じ位置づけと思ってよろしいでしょうか?
酒井:dポイントは、従来の共通ポイントと同じ位置づけではなく、“新しいポイントサービス”と捉えています。これまではいろいろなお店で共通で貯まる・使えるということがコンセプトでしたが、dポイントは新しく2つの要素が入っています。まずは、割引です。ローソン様やマクドナルド様で3%割引が付いているように、お得にポイントを貯めながら割引が適用されます。もう1つは、貯まったポイントに応じてよりお得な特典を提供しています。ドコモの「dビデオ」の新作が無料で閲覧できるなど、弊社のサービスを含め、上位のランクの方はお得な体験をしていただけますので、そういった特徴も新しいと感じています。

――NTTドコモ様は携帯キャリアとなりますが、他のキャリアを利用されるお客様も入会していただける自信はございますか?
酒井:dポイントカードを通じて、他のキャリアをご利用されているお客様も便利にお使いいただけます。たとえば、ローソン様の店頭でもdポイントカードをお配りしていただきますので、アカウント登録をしていただければ便利にお使いいただけます。そういった方々も携帯電話をドコモの契約にされた際には、さらに便利にポイントが貯まるというように、いずれは回線契約に結び付ければと考えています。

――他の共通ポイント事業者に比べても高いポイント還元率、割引率となりますが、収益を圧迫されることはないのでしょうか。また、加盟店については、他の共通ポイントを導入されている店舗でもドコモさんとの契約は可能でしょうか?
酒井:ローソン様やマクドナルド様は基本的に、取扱高の1%のポイント付与になります。ローソン様では、すでに3%割引を提供していますが、現行のDCMXをご利用の2倍の方々がお使いいただいています。これまでカードをお使いいただいていなかった方が使い始めている点と、同じコンビニエンスストアであればお得な特典を受けられる店舗に足を運ばれるため、そういった方々が複合的に増えた結果、2倍の取扱高となっています。こういった送客力が高い点を踏まえ、それに応じた手数料をいただいています。

dポイントは基本的に1ポイント1円の付与となりますが、たとえば1,000円の買い物をすると10ポイント付くため、仮に手数料が20%の加盟店ですと12円請求させていただきます。もちろん、規模に応じて手数料率は変わってきます。

また、dポイント加盟店とは排他契約はしておらず、先方が他の共通ポイントを展開していてもドコモとしては複数のサービスとの相乗りは問題ありません。

――dポイントカードにクレジット決済機能、iD機能を搭載した「dカード」のポイント付与も高還元となっていますね。
酒井:ドコモは、クレジットカードのイシュア(カード発行会社)としては後発ですが、すでに日本のトップ10に入っています。dポイント加盟店やそれ以外の店舗でもメインカードとしてご利用いただくことにより、手数料収入が増えていきますので、その収入が増えればポイント加盟店で高いポイント付与を行っても補えると思います。

また、dカードでは、カード一体型も利用できますし、モバイルでの支払いも可能です。モバイルで支払う「おサイフケータイ」の利点はありますが、携帯電話で決済することがなじまない方もいらっしゃいます。dカードにiDの機能を搭載し、支払いの選択肢を増やすことで、すそ野が広がると感じています。

――世界的に見ても大規模な共通ポイントサービスが4つ並列するのは日本くらいだと思いますが、今後、この市場はどうなると思われますか?
酒井:ドコモとしては、お客様に選ばれるカードになりたいです。その心は、どのような日常使いの加盟店で使えるかに尽きると思いますので、お客様から支持されている加盟店とより多く組ませていただけることが今後の弊社の生き残っていくための道となります。まずは、生活者がどのような加盟店を選んでいるかを理解し、その方々と如何にドコモが提携できるかに尽力していくべきだと考えています。

dポイントの強みは大きく2つあると考えており、「貯まりやすく、使いやすい」と「加盟店への送客力」です。貯まりやすいは、お客様の携帯電話料金の支払いで勝手にポイントが貯まっていきます。その貯まったポイントを外部加盟店でも、携帯電話でも利用できます。また、マイルへの交換も可能なように、選択肢を増やしています。ドコモポイントは、2015年4月分からdポイントに移行しますので、当初からお客様によっては何万ポイントを持ったままでスタートします。そのため、「持っているポイントをどう使うか?」を楽しんでいただきたいです。また、ドコモは携帯キャリアであり、加盟店のサービスや商品をお客様にご案内できることが他の共通ポイントとは違うと考えており、プロモーション力は上回っていると感じています。

dポイント加盟店は、来年の春時点で6社増え、8社で提供される予定です。記者会見では代表の加藤が早期に100社、その後に1,000社の導入を目指すと説明していましたが、まずは先人の共通ポイントに早く追いつくという意味が込められていると思います。

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