デビットカードとスマホアプリの連携で、決済を起点にした貯蓄体験を提供(福岡銀行)

2016年4月19日8:00

地域のパートナーと連携した目的別預金やCLOサービスで消費の活性化につなげる

福岡銀行は、2016年10月に、西日本鉄道グループが発行する交通系ICカード「nimoca」を搭載したJCBデビットカード「福岡銀行 Debit +(デビットプラス)nimoca」(仮称)を発行する予定だ。同サービスでは、デビットカードと夏にリリース予定のスマートフォンアプリ「iBank(仮称)」を組み合わせて利用してもらうことで、日常の買い物時におけるキャッシュレス決済に加え、日々の収支管理やクーポン利用による利便性の向上を図るとともに、銀行ならではの新しい貯蓄体験の提供を目指している。

目的別預金による非日常消費の喚起を図る
趣味嗜好にあったクーポンでパートナー企業へ送客

「福岡銀行 Debit +(デビットプラス)nimoca」は、国内外約2,800万店のJCB加盟店において支払いが可能だ。また、同商品は、デビットカードに交通系ICカード「nimoca」を搭載。交通利用のみならず、電子マネーとして日常のさまざまなシーンで支払いが可能だ。交通系ICカードを搭載したブランドデビットの商品化は国内初の取り組みとなる。

また、デビットカードの発行に加え、スマートフォンアプリ「iBank」も提供。①日々の残高および収支の管理(カード利用情報の取得・表示を含む)、②目的別預金(貯蓄機能)、③カード決済情報と連動したクーポン利用(CLO : Card Linked Offer)、④ポイントサービス(付与・交換)、⑤ライフスタイル&ライフイベントに関する情報コンテンツ配信、などを提供する予定だ。

▲左からふくおかフィナンシャルグループ 営業企画部 部長代理 永吉健一氏、同部 副調査役 坂本宏貴氏
▲左からふくおかフィナンシャルグループ 営業企画部 部長代理 永吉健一氏、同部 副調査役 坂本宏貴氏

福岡銀行では、2015年12月22日に、ビジネスコンテストを開催したが、その席上で「iBank」を使った新しいビジネスを公表した。「iBank」のビジョンの1つはスマートフォンから身近なマネーサービスを作り出すことだ。銀行ではインターネットバンキングなど、PCやスマホで利用できるサービスは提供しているが、窓口で行える業務がネットに移行したに過ぎない。ふくおかフィナンシャルグループ 営業企画部 部長代理 永吉健一氏は、「デビットカードにより日常の決済シーンで消費者との接点を持ったうえで、家計管理やポイントの利用など、新しいスマホ発のサービスとして、日常に密着したサービスの提供を目指します」と意気込む。

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▲スマートフォンアプリ「iBank」のイメージ

また、スマホは肌身離さず持っている人が多いが、金融サービスのみを提供しても月に数回のアクセスに限られる。そのため、小売りなどの異業種と連携・提携することで、生活密着サービスにおいても決済をハブにしたインフラ提供を目指す。永吉氏は、「決済を中心に、小売りと相互送客できるエコシステムの構築を図ります」と話す。大きな視点として、ステークホルダーごとに、消費者、ビジネスパートナーで交流が出てくると地域活性化の動きが加速するため、BtoBtoCの流れで新しいビジネス・ネットワークができないかと考えているそうだ。

デビットカードは、銀行のみが提供できる決済手段であり、口座に直結しているため、利用者は収支の管理が可能だ。

「金融機関のサービスはライフイベントであり、まとまったお金をお預かりしていますが、日常の消費からつなげていくサービスの連関ができないかと考えています。旅行や車といった消費にかかわる情報コンテンツ、ライフイベントを実現するための目的別預金の提供を通じて、お客様のニーズを叶えるお手伝いをしていきたいです。目的別預金は、たとえば『旅行に行きたいから10万円を貯めたい』など、仮想の目的を付けて貯蓄可能です」(永吉氏)

福岡銀行では、パートナーと連動し、目的別預金額に連動したクーポンを提供。利用者のモチベーションアップを図るとともに、パートナーのサービスへの送客を図る。クーポンに関しては、福岡において地域密着で展開する強みを生かし、魅力的なパートナーとの連携を図る予定だ。

また、iBankは当初、福岡銀行が発行するデビットカードのみとの連携となるが、同行発行のクレジットカード「アレコレカード」と組み合わせた展開も視野に入れている。JCBはシングルアクワイアリングのため、CLOを展開するうえでマッチングしやすいメリットがあるが、福岡銀行ではVisaやMasterCardも発行しており、アレコレカードを中心にクレジットカード会員数は55万人を誇る。

福岡で浸透するnimoca一体型のカードを発行
「iCoin」は現金相当額の預金に振り替え可能

なお、カードに関しては、キャッシュカードとの一体型ではなく、分離型を選択。また、nimoca搭載、非搭載をユーザーが選択可能だ。nimocaは福岡で浸透しており、デビットとの一体型にすることで、日常での利用が加速するとみている。年会費は、初年度は無料だが、次年度以降は利用額によっては有料になる。

ポイント制度は、デビット決済に伴うキャッシュバックポイント「iCoin(仮称)」を付与する予定だ。現金相当額の貯蓄預金に振り替えられるほか、nimocaや主要な共通ポイントへの交換も検討中だ。

デビットカードの加盟店に関しては、一部利用を制限する方針だが、「業種によって都度実額オーソリを飛ばしてくれる先であれば、公共料金や携帯電話でも使えるようにする予定です」と、同部 副調査役 坂本宏貴氏は説明する。

今後は、「新規で口座開設する際は、デビットカードも併せて申し込める仕組みを構築していきたいです」と永吉氏は語気を強める。発行目標については非公表だが、「アグレッシブな目標を立てています」(永吉氏)。サービス開始に合わせ、アプリとセットで便利に使えるプロモーションを展開する予定だ。

カード決済&セキュリティの強化書より
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