インバウンド決済で注目の「WeChat Payment」についてセミナーを開催(新生銀行/アプラス)

2016年8月16日11:55

新生銀行とアプラスフィナンシャルは、中国騰訊控股有限公司(Tencent Holdings Ltd.:テンセント)が運営するSNSサービス「WeChat(微信)」で提供される中国人向けモバイル決済サービス「WeChat Payment(微信支付)」の日本での決済代行サービスを展開している。両社では、2016年7月27日、8月3日に、インバウンドビジネスセミナーを開催。同セミナーでは、インバウンドビジネスの動向や「WeChat Payment」の概要についての紹介が行われた。

中国では全国30万店で利用可能
店舗での決済以外にも送金機能などを実装

アプラスでは、テンセントからライセンスを受けて「WeChat Payment」を提供している。テンセントは急成長している企業で、時価総額は日本のトヨタ自動車や、現地のAlibaba、中国工商銀行などを抜き、中国では№1の22兆円の企業となっている。

WeChat Paymentは、2013年8月から中国でサービスを開始されたモバイル決済サービスだ。コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、飲食店など、全国30万店で利用可能だ。

インバウンドセミナーで講演した、アプラス ペイメント事業開発室 室長 福永耕一氏は、中国で実際にWeChat Paymentを視察したが、「リアル環境でも急速に利用が広がっており、WeChatの使い方が浸透しています」と述べた。

アプラス ペイメント事業開発室 室長 福永耕一氏

アプラス ペイメント事業開発室 室長 福永耕一氏

WeChat Paymentは銀行口座とアカウントを紐づけて利用されているが、中国ではタクシーに乗る際も同決済が利用可能だ。また、中国のレストランに訪れた際、テーブルに張られたQRコードをスキャンするとメニューが表示され、この中で注文および決済が可能になる。さらに、現地で視察した際の実感として、コンビニエンスストアなどでも3人に1人が、WeChat Payment等のQR決済を行っていたという。

中国においてモバイル決済はここ2~3年で急速に普及しており、市場規模はすでに150兆円を超えているそうだ。日本のクレジットカードの決済市場の50兆円弱と比べると、約3倍の規模となる。

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中国でのモバイル決済市場

WeChat Paymentは、複数の銀行口座とアカウントを紐づけて利用できる。また、利用金額の制限は銀行口座ごとに設定されており、30万円から60万円、高い銀行であれば100万円ほどの支払いが可能となっている。さらに、モバイル決済以外にも送金などの機能を有している。利用者は、複数の人にお年玉等を送ることも可能だ。

日本ではラオックスでの導入を開始
POS連動のスキームも準備中

アプラスが日本で同サービスを提供する上で強みとして、まずは簡単な導入となり、スマートフォンやタブレットがあればアプリケーションを導入するだけで、最短2週間ほどでの採用が行える。また、店舗は複雑なオペレーションなく、運用できるという。さらに、新生銀行グループのアプラスは、収納代行取引先数5万2,000社、ショッピングクレジット64万店舗、クレジットカード加盟店41万店と、多くの加盟店と取引があるため、安心感をもって導入してもらえるとしている。そのほか、WeChatのSNSの機能を使い、集客や決済と連動して展開できることも強みとなっている。

アプラスでは8月1日から、ラオックスの秋葉原本店へのWeChat Paymentの導入を実施。ラオックスでは今後、全国の店舗で導入する予定であり、「他の企業からも沖縄から北海道まで導入のご相談をいただいています」と福永氏は話す。現在は、POS連動のスキームを準備しており、12月には家電量販店での採用が決定しているそうだ。

日本では中国よりも決済単価が高い
オンライン決済への引合いも増加

8月3日のセミナーでは、訪日観光客市場最新トレンドと効果的プロモーションと題し、ぴあ 事業統括本部 インバウンド事業開発室 室長 宮崎裕二氏が講演。また、WeChatの活用方法について、ネットスターズ 執行役員 インバウンド事業部長 大竹口隆氏が解説した。

ぴあ 事業統括本部 インバウンド事業開発室 室長 宮崎裕二氏

ぴあ 事業統括本部 インバウンド事業開発室 室長 宮崎裕二氏

なお、アプラスは、ネットスターズと日本でのWeChat Paymentの展開に関して業務提携し、ネットスターズが開発した決済アプリ、決済システムを利用してWeChat Paymentの決済代行サービスの提供を行っている。

同セミナーにおいて大竹口氏は、羽田空港や大丸松坂屋などにおけるWechat Paymentの活用について説明した。羽田空港では、旧正月(春節)にWeChat公式アカウントを開設。店頭でアカウントをフォローすると割引券が取得できるように設定し、買い増し効果を発揮した。また、大丸松坂屋では、中国人旅行客へのサンプル配布の手段としてWeChatの機能を活用。アプリを開いて「シェイク」すると、WeChatを通じてサンプルが手にできるクーポンが取得できる取り組みを実施したそうだ。

ネットスターズ 執行役員 インバウンド事業部長 大竹口隆氏

ネットスターズ 執行役員 インバウンド事業部長 大竹口隆氏

ネットスターズではすでに国内においても500店舗を超えるWeChat Paymentの導入実績があるが、日本での利用の傾向として、中国よりも決済ごとの単価は高くなっている。また、2016年春以降、オンライン決済への引き合いが増加しているという。

セミナー会場はぎっしりと埋まった

セミナー会場はぎっしりと埋まった

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ペイメントナビ編集部

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