スマホ決済サービス「Origami Pay」の魅力とは?

2016年10月3日8:00

リアルの世界でモバイルコマースのマーケットを広げる

Origamiは、スマホ決済サービスである「Origami Pay」の正式サービス提供を2016年5月19日 から開始した。同サービスの特徴や目指す世界について、Origamiに話を聞いた。

Beaconで支払いが可能.実店舗での体験をスムーズに

スマホ決済サービス「Origami Pay」は、消費者がスマートフォンをお財布感覚で利用できるサービスだ。利用者は、iPhoneやAndroid搭載のスマートフォンに専用アプリ「Origami」をインストールし、アプリでクレジットカードなど支払い情報を登録。現状はVisaとMasterCardのクレジットカードが利用可能だ。

Origamiマーケティング責任者 古見幸生氏
Origamiマーケティング責任者 古見幸生氏

決済は、店舗のiPad端末から、6桁のワンタイムパスワードが発行され、決済額とともにApple iBeaconで送信される。ユーザーはBluetooth機能をオンにし、そのiPad端末にスマホをかざすことで、送信されているワンタイムパスワードと決済額を受信し、インターネットに登録されたクレジットカードなどの支払い情報で決済が完了する。利用時の決済音は「サカナクション」が制作したことも話題となった。

「Origami Pay」ではBeaconによる決済を採用
「Origami Pay」ではBeaconによる決済を採用
「Origami」アプリに、クレジットカード(Visa、MasterCard)を登録するだけで決済可能
「Origami」アプリに、クレジットカード(Visa、MasterCard)を登録するだけで決済可能

Origamiは、店舗と消費者をより近づけるパイプとなること、また、そのつながりを深くしていくことを目指して設立された。第一弾のサービスとして、2013年4月23日から、eコマースプラットフォーム「Origami」を開始。「Origami」では、ユーザーの趣味嗜好に合った好きなものを、楽しみながらより早く、簡単に見つけられるソーシャルショッピングとしてスタートした。

2015年のECの売上規模は13兆7,000億だが、Origami開始の2013年4月の記者会見において、代表取締役社長 康井義貴氏が「モバイルコマースのマーケットは130兆円の巨大マーケットです。このエクスペリエンスを提供するのがOrigami」とコメントしていたように、当初からオフラインとの連携は強く意識していた。Origamiマーケティング責任者 古見幸生氏は、「スマートフォンの画面でボタンを押して購入するように、お店に入って、ボタンを押すことと同じ行為として、代わりにスマートフォンをかざし、購入できる。このコンセプトは設立当初から考えていました」と説明する。

Origami Payは金融サービスのため、関係省庁やカード会社などとコミュニケーションを図りながら慎重に準備を進めた。また、利用者にとって実店舗での体験がスムーズであり、本当に役に立つのかを考えてサービスを構築したそうだ。

本格展開に先駆け、2015年10月から、「Origami決済(Pay with Origami)」としてβ版を提供。阪急メンズ東京等で検証を重ね、2016年5月に正式サービスとして提供開始に至った。

「Origami for Business」で店舗の導入負荷を軽減
リピート利用は着実に生まれる

改良を重ねた結果、店舗に対しては、既存の環境の中で導入しやすいサービスを構築した。大手加盟店では、POS(Point of Sales)やレジスターをすでに導入しているが、それらとの連動はもちろん、スタンドアロンでの利用を可能とすることで導入の敷居を下げている。

導入店舗は、Origamiへ事前登録を行った後、Origamiが独自に開発したiPadベースのアプリケーション「Origami for Business」をインストールし、設定を行うと同サービスの導入が可能となる。「Origami for Business」は、ユーザーの「Origami」アプリと連携して、決済処理が便利に、セキュアにできるそうだ。決済時にユーザーがスマートフォンをかざすと店舗の「Origami for Business」が発行したワンタイムパスワードと決済額を受信、ネット内で決済を行う。そのため、ユーザーは登録したクレジットカード番号を店舗に送ることはなく、安全に支払いが可能となる。また、クラウド経由での会計処理となるため、返金処理などもスムーズに行うことが可能だ。

なお、β版では、QRコードもしくは6桁のワンタイムパスワードを利用して支払う仕組みであったが、正式サービスにおいても同方式よる支払いには対応している。

サービス開始後は、「L’OCCITANE 」「ロフト」「渋谷モディ」「阪急メンズ東京」「シネチッタ」等に導入。現在は、導入店舗の拡大に力を入れている。店舗には導入に向けた支援を行うとともに、店舗に設置するPOPを制作するなど、PRを支援している。

導入後の指標として、リピートユーザーを如何に獲得できているのかを重視している。古見氏は、「クレジットカードも7~8回の利用があるとファーストカードとして定着していきますが、『Origami Pay』でもリピート利用が生まれています。たとえば、代官山のスポーツジムでは、店舗利用者の約半数が『Origami Pay』を利用しています。スポーツジム内では財布をジム内に持ち込むよりもスマートフォンを持ち込むことのほうが多いことから、そのためスマホ支払いの方が便利であり、いったん使われると繰り返しお使いいただく傾向があるため、お店の方も積極的にオススメされています」と説明する。

決済手数料は3.25%に設定
稼働活性化に向けキャンペーンを積極的に展開

クレジットカード決済については、複数の大手カード会社と提携している。また、店舗が支払う決済手数料は3.25%に設定。Origamiでは、大手を中心に導入店舗の拡大に力を入れているが、オンラインから導入店として登録することも可能であり、大手から中小まで幅広い店舗に利用してもらいたいと考えている。

消費者の認知度向上と稼働活性化については、決済額から5%〜10%オフとなるキャンペーン等を展開。割引の原資はOrigamiが負担している。なお、消費者の決済単価はクレジットカードよりやや高めだ。「おサイフケータイ」をはじめとしたかざす決済の場合、コンビニエンスストアなどでの少額な決済が中心だが、アパレルや百貨店なども導入しているため、クレジットカードのようなイメージで利用されているという。また、利用者の属性は、30代前後を中心に、男女比はほぼ半々となっている。

「日本では古くからモバイルサービスが展開されてきたため、消費者は、かざして商品を購入すること自体の認知は高いのですが、利用経験は少ない。一度利用してもらい、その良さを実感してもらえれば、広がるサービスであると考えています」(古見氏)

決済情報を活用したCRM展開にも力を入れる。
年内に1万店舗の導入を目指す

現在は決済の手数料の収益がメインとなるが、将来的には、決済情報を活用したCRMやマーケティング支援の展開にも力を入れ、新たな収益を目指す方針だ。

今後の予定として、「Origami Pay」は、1,000店舗ほどが利用する見込みだ。大手の場合、一部の店舗でテスト運用を行ってから本格展開というケースが多く、契約は着々と進んでいる。当面の目標として、「年内に1万店舗を目指しています」と古見氏は意気込みを見せる。古見氏は最後に、「決済は日常的な行為ですが、Origamiでは、そんな日常生活がより豊かになるサービスを目指していきたいです」と語り、笑顔を見せた。

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