ビジネスデビットカードとB2B決済で中小企業・個人事業主の支払い業務効率化を目指す(Visa)

2016年12月12日10:10

ビザ・ワールドワイド(Visa)は、2016年12月12日に記者説明会を行い、企業の業務用の支払いにおけるカード決済の活用の現状と今後のニーズに関する調査結果を発表した。その結果、従業員規模300人未満の中小企業・個人事業主(Small and Medium Enterprises:SME)の49.3%が業務用支払いにカードを利用し、全体の27.4%、10人以上のSMEでは37.1%がビジネスデビットカードの導入に前向きであった。同日は、freeeから、会計ソフト等の活用による業務効率化についても紹介された。

SMEの49.3%がカード決済を利用
支払い件数は現金が3分の1を占める

Visaがマクロミルに委託した調査では、インターネットリサーチで25歳~69歳の男女に実施。非法人で50人未満もしくは法人で300人未満の会社に勤める3,345人に対しリサーチを実施した。

まず、SMEで用いられている決済手段を見ると、支払金額では銀行振り込みや口座振替が多い。現金は支払金額では7.5%だが、件数では32.9%と、SMEの支払いの約3分の1を占める。ビザ・ワールドワイド・ジャパン ビジネスソリューション部長 加藤靖士氏は、「現金は管理とリスクが大きい、データの残らない、非常に効率の悪い決済方法であり、紙とマニュアルの処理が間接的なコストとなっています」とした。カード決済は支払件数では27.8%と銀行振込(23.6%)を上回っている。

ビザ・ワールドワイド・ジャパン ビジネスソリューション部長 加藤靖士氏

ビザ・ワールドワイド・ジャパン ビジネスソリューション部長 加藤靖士氏

中小企業の支払い行為で用いられている決済手段

中小企業の支払い行為で用いられている決済手段

業務用支払いへのカードの導入状況については、従業員数が多くなるほど、ビジネス系カードを利用し、逆に少なくなると個人系のカードを使っている傾向がある。小規模な事業者ほど、ビジネスカードやコーポレートカードを保有していないことが要因として挙げられる。

決済手段に関するSMEの意向として、減らしたい決済手段は手形・小切手・現金とすべて非電子決済となった。逆に増やしたい手段は、ビジネス系のクレジットカードおよびデビットカードが高い比率となっている。

SME 全体の27.4%がビジネスデビットカードの導入に前向き
10人以上のSME においては、37.1%と高い導入意向

ビジネスカードを知っているかを尋ねたところ、「ビジネスクレジットカード」は66%、「ビジネスデビットカード」は32%の認知度となった。ビジネスカードを利用しない理由として、申し込みや審査が厳しいという回答が多かった。また、ビジネスカードは、これまで大手企業の導入が中心であり、SMEに対してのリーチができていないため、商品自体の認知が進んでいなかったこともあるだろう。

ビジネスカードを利用していない理由

ビジネスカードを利用していない理由

Visaでは、市場の認知度とカード申し込みルートの改善によって、また即時払いのデビットカードが選択肢に加わることにより、SMEのニーズにより的確に応える余地が大きく残っていると考えている。そのため、ビジネスデビットカードの機能とサービスを説明した上で、導入意向について訪ねたが、全体では27.4%が導入意向を示した。10人以上のSME においては、37.1%と高い導入意向が確認されるなど、より規模の大きい企業の意向が高い結果となった。さらに、クレジットカードの既存利用先の意向が高めだが、非利用企業でも2割超が導入意向を示した。その理由として、「企業口座の取引となるので公私分離ができる」「カード決済の利用が記録される」「利用限度額が口座残高の範囲内」「即時に引き落としされる」といった、ビジネスデビットカード固有の特徴が評価されているものと推察している。

商品性説明後のビジネスデビットカードの導入意向

商品性説明後のビジネスデビットカードの導入意向

ビジネスデビットカードの商品性に対する評価

ビジネスデビットカードの商品性に対する評価

「Visa Business Pay」の認知度は29.4%
概要説明後は42.3%が「興味がある・興味を持った」と回答

Visaでは、2014年からB2B(企業間取引)専用決済システム「Visa Business Pay」を展開しているが、リサーチ先でB2B取引のある2,260社のうち、サービスについて認知度していたのは29.4%だった。これは、Visaにとっても想像以上に高い数字だったそうだ。また、同システムの概要の説明を行ったところ、42.3%の企業がVisa Business Pay に「興味がある・興味を持った」と回答し、利用中・利用検討中と合わせると48.3%が導入に関心がある結果となっている。

「Visa Business Pay」の中小企業の評価

「Visa Business Pay」の中小企業の評価

なお、「Visa Business Pay」は、 販売企業がパソコンにおいて請求書の発行からカード決済を使って代金を回収・管理することができるB2B加盟店用決済システム。買い手企業もスマートフォンがあれば、クラウド環境で請求書データを確認した上でカードでの支払が行える。請求明細データの添付機能や継続自動課金機能なども有している。導入企業は、請求書・領収書などの紙の印刷や郵送コストが不要となる。また、請求データがカードとリンクしているため、消し込み作業が要らなくなる。

カード決済が売上に貢献する理由

カード決済が売上に貢献する理由

クラウド会計・給与支払いでトップシェアのfreee
ビジネスカードとクラウド活用でバックオフィスの生産性を向上へ

続いて、freee 社会インフラ部長 木村康宏氏が「電子決済推進によるスモールビジネスの生産性向上」いついて説明した。freeeはクラウド会計ソフト、クラウド給与計算ソフトを個人事業主や中堅企業等に提供。クラウド会計ソフトは60万事業者以上、給与計算ソフトは10万事業者以上が利用している。現在、3,630の銀行・カードサービスとの同期に対応。また、15の金融機関と個別に業務連携を進めている。

freee 社会インフラ部長 木村康宏氏

freee 社会インフラ部長 木村康宏氏

ビジネスカード連携は効率化の鍵

ビジネスカード連携は効率化の鍵

オンラインバンキングやクレジットカード・デビットカードの明細データを取り込み、財務会計を自動化することにより、個人事業主や企業が創造的な活動にフォーカスできるように事業を運営している。また、人工知能により自動で仕分け作業を行うことで、経理作業を大幅に短縮することが可能となった。

freeeでは、店頭でのカード決済導入に加え、仕入れや経費を効率化し、データ化することが重要であるとしている。請求書の発送は、freeeユーザー間であればWeb上で完結可能であり、すべてがデジタルでつながる世界が実現する。SMEの電子決済における業務効率化やデータ活用のメリットは、freeeのようなソリューションと同時に訴求することで、より際立つとした。

今回のVisa調査からのインサイト

今回のVisa調査からのインサイト

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ペイメントナビ編集部

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