「カード決済とCRM/付加サービスの親和性」日本マクドナルド(後篇)

2010年9月21日12:05

「カード決済とCRM/付加サービスの親和性」日本マクドナルド(後篇)

成功の要因はテクノロジーだけではない

大きな要因はQSCとメイド・フォー・ユー

2007年から2008年にかけておサイフケータイの認知が高まってきたのも理由の1つに挙げられるが、萩原氏は会員数増加の要因はテクノロジーだけではないと断言する。実際、「他社が想像するよりもシステム投資にかかったコストは低い」(萩原氏)という。

日本マクドナルド マーケティング本部 マーケティングPR部 統括マネージャー 萩原和之氏

同社は2002年から2003年にかけて低迷期を迎える。同社社長の原田永幸氏はその理由を同社自身に問題があると考え、原点回帰に立ち返り「QSC(クオリティ・サービス・清潔さ)」に徹底的に取り組んだ。2004年に各店舗のキッチンシステムを切り替えて、注文後に商品をつくり始める「メイド・フォー・ユー」を全店に導入。その後、2005年に100円でハンバーガーなどの商品が購入できる「100円マック」、2006年に「えびフィレオ」を期間限定で投入。それらすべての戦略の下地にはQSCやメイド・フォー・ユーの概念がある。

「2004年以降は、お客様にとって日本マクドナルドの商品は美味しいという下地ができました。2002~2003年当時にトクする会員証やかざすクーポンを行っても会員数は伸びなかったと思います」(萩原氏)

また、マクドナルドはファストフードという業態上、来店頻度が高く、「ちょっとした空き時間に継続して利用する傾向が強いこともサービスが受け入れられた要因ではないでしょうか。実際、かざすクーポン利用者の稼働率はかなり高いです」と萩原氏は説明する。

かざす会員証機能を利用したキャンペーンを積極展開

ワン・トゥ・ワン・マーケティングも視野に

同社では今後、900万人のかざすクーポン利用者への販促を強化していきたいとしている。2009年8月の全国導入に合わせて開始したかざす会員証のアプリにはスタンプ機能を搭載。同クーポン利用以外でも携帯電話をリーダにかざすとキャンペーンに応じたスタンプを集めることができる。また対象商品の購買回数に応じた特別クーポンの配信やプレミアムコンテンツのプレゼントなど、スタンプを活用した期間限定キャンペーンも実施可能だ。

同社では今年に入り、かざす会員証を利用したキャンペーンを数多く展開。例えば8月26日からは月見バーガーを購入するとスタンプが貯まり、3個貯まると9月中旬に発売予定の「たまごダブルマックバーガーセット」バリュークーポンをプレゼントするキャンペーンを行っている。また、7月16日から12月23日までの期間中に1円以上(1レシート)購入すると、「かざしてスタンプ」が1個もらえ、貯まったスタンプ数に応じてクーポンやプレゼントが当たるキャンペーンを実施している。

「かざすクーポンの利用者については購買履歴が取れるため、どのお店でどの時間帯にどういったメニューを購入しているのかがわかります。そのため、理論的にはワン・トゥ・ワン・マーケティングが可能であり、例えば特定の会員に新店情報を配信したり、購買履歴を活用して、当該店舗で雨用のクーポンを配信することも将来的には可能かもしれません」(萩原氏)

iD、Edy、WAONの決済も導入

NTTドコモがiDのキャンペーンを展開

同社では2009年8月28日にiD、Edyの決済も全国での導入を完了した。2009年12月からはWAONの決済も開始している。

「かざすクーポンの利用がiD、Edy 、WAONといった決済に結びつくケースもあると思います。ただ、決済はあくまでもお客様の利便性向上の手段であり、割合としてはまだまだ多くはありませんが、今後はさらなる伸びを期待しております」(萩原氏)

NTTドコモでは、店舗での注文前にかざす会員証をかざしてiDで500円以上の決済を行うと「iDプレミアムかざすクーポン」を配信するキャンペーンを展開。利用者数の拡大に努めている。

日本マクドナルドでは「トクするアプリ」や「かざすクーポン」の利用者はまだまだ増加が見込めると考えており、今後もコンテンツやアプリの開発に力を入れ、顧客の楽しさや利便性を追求していきたいとしている。

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