UAEの有力銀行が推進するモバイル決済「Emirates Digital Wallet」の強みとは?

2017年6月8日9:52

Emirates Digital Wallet(エミレーツ・デジタル・ウォレット)は、UAEの有力銀行によって設立されたモバイルウォレットのプラットフォームだ。2017年5月1日と2日にUAEドバイで開催された「Seamless Middle East2017」でサービスが紹介された。

政府の後押しを受け、有力銀行17行が参加
NFC、QR、Beaconなどをカバー

Emirates Digital Wallet は、UAE Banks Federation(UAE銀行連合)の後押しを受け、2014年にプロジェクトがスタート。UAEの有力銀行17行が参加している。同プロジェクトは、デジタル決済を加速させることで、現金のない支払いシーンを構築することだ。また、アラブ首長国連邦中央銀行(Central Bank of United Arab Emirates)によって規制され監督されるそうだ。UAEの17行の協力もあり、相互に決済ができるようになっている。

モバイルでの支払い時は、NFC(Near Field Communication)をはじめ、バーコードやQRコード、Beaconなどの技術が対象となる。Emirates Digital Wallet チーフ・コマーシャル・オフィサーのJassim AL Tamimi氏は、「モバイルで活用できるほとんどの技術をカバーできます」と話す。

Emirates Digital Wallet チーフ・コマーシャル・オフィサーのJassim AL Tamimi氏

ペイメントカード、現金をアカウントに紐付けて利用可能
店舗での決済に加え、アプリ決済に対応

たとえば、スマートフォンやタブレットにEmirates Digital Walletのアプリをダウンロードすれば、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、現金などと、アカウントを紐付けて利用できる。各決済カードは、画像認識により取り込むことが可能だ。

Tamimi氏は、「利用者は、店舗での決済、送金など、さまざまな支払いが行えます。送金では、お互いのメイン銀行が違っても送金が可能です」と説明する。送金時は、セキュリティのため、アカウントを経由して行われるそうだ。

NFCモバイルペイメントは、NBAD、Commercial Bank Of Dubai(コマーシャル・バンク・オブ・ドバイ)など複数の銀行がすでに対応。また、ドバイでは、商品などをデリバリーするケースが多くあるが、アプリでの支払いも可能だ。

秋のイベントで紹介後に正式リリースへ
UAEのキャッシュレス化とデジタル化を推進

今後の予定として、2017年10月8日~10月12日までドバイで行われるICT技術関連商品・サービスのイベント「GITEX Technology Week 2017」で紹介して、リリースされる予定だ。

Emirates Digital Wallet では、今後UAEのキャッシュレス化とデジタル化の推進を目指す。UAEは現金での支払いが多い地域でもあるが、同サービスにより、キャッシュレス化を加速できると期待している。

Tamimi氏は最後に、「モバイルは多くの人々が保有していますし、セントラルバンク、政府の応援もあります。銀行とターミナル(決済端末)をつなげて、2020年までに100%のシェアを目指したいですね」と語り、笑顔を見せた。

※取材は2017年5月1日、2日にUAE ドバイで開催された「Seamless Middle East2017」のEmirates Digital Wallet ブースにて

この記事の著者

株式会社TIプランニング代表取締役 池谷 貴

株式会社TIプランニング代表取締役 池谷 貴

2009年11月にマーケティング、カード・電子決済、IT・通信サービスなどのコンサルティング、調査レポート・書籍の発行、セミナー運営、ポータルサイト運営などのサービスを手掛ける株式会社TIプランニングを設立。現在は、ポータルサイトとして「payment navi(ペイメントナビ)」「PAYMENT WORLD (ペイメントワールド)」を運営しています。
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