韓国人の約7割が利用する共通ポイントサービス「OKキャッシュバック」とは?

2017年6月19日8:47

日本では、「Tポイント」「Ponta」「dポイント」「楽天ポイントカード」といった複数の企業で利用できる共通ポイントサービスがしのぎを削っているが、世界でも複数の地域で共通ポイントサービスが展開されている。韓国のSK Planetは、韓国最大の共通ポイントプログラム「OK Cashbag(OKキャッシュバック)」を運営。同サービスの現状について、SK Planet ビジネス・デベロップメント・グループ チームリーダーのJeon,Ho Keun氏に話を聞いた。

加盟店は5万で、ブランド数は400
中堅クラスの店舗の参加が増える

――まずはOKキャッシュバックの現在の会員数や加盟店(日本では提携社という場合もある)などの公表数値からお聞かせください。
Jeon,Ho Keun:3,400万の会員を有しており、韓国の7割の方が利用されています。現在は韓国の法律が変わり、1年間利用していない人は会員数に数えないようにしています(韓国には国民の住民登録証がありユニークな番号となる)。また、加盟店は5万で、ブランド数は400となります。

SK Planet ビジネス・デベロップメント・グループ チームリーダーのJeon,Ho Keun氏

――近年の流れとして、加盟店やブランド数は順調に推移していますか? また、韓国では、共通ポイント事業を行う競合はあるのでしょうか。
Jeon,Ho Keun:大手企業は自社でポイントを展開する流れがあるため減っていますが、中堅クラスの加盟店が増えており、横ばいです。韓国では大手の共通ポイント事業者はOKキャッシュバックが唯一です。韓国の企業はグループ規模が大きいので、独立して共通ポイントを行うのは難しい部分もあります。

――韓国は、モバイルを活用したサービスが増えていますが、OKキャッシュバックでもモバイルでのポイント付与・利用も行われているのでしょうか。また、発行したカードの種類はどのくらいありますか?
Jeon,Ho Keun:ポイントの付与・利用は、カードとモバイルともに可能です。モバイルの比率は年々増えていますが、カードの利用が7割くらいを占めています。OKキャッシュバックは、サービスを開始して17年程経ちますので、カードは数千種類あると思います。

――提携先で利用が多い業種についてお聞かせください。
Jeon,Ho Keun:流通店舗、ガソリンスタンド、「11ストリート(オープンマーケット)」などのオンラインとなります。SKグループ外では、「Home plus(ホームプラス)」といったスーパー、オンラインの「GMARKET(ジーマーケット)」、オークションなどとなっています。

OKキャッシュバックのウェブサイト(SK Planet)

データとモバイルを基盤に会員の再来店を促す
「ドゥトゥム」をベースに会員を店舗へ送客

――日本では大手は一業種一社などをベースに契約している共通ポイント事業者もありますが、韓国での契約形態についてお聞かせください。
Jeon,Ho Keun:大手の提携店は先方が競合との提携は嫌がる場合があります。ただ、ファーストフードなどのKFC(ケンタッキー・フライド・チキン)やロッテマート、バーガーキングなどはそういった制約はありません。

――提携先と協力したキャンペーンはどのように行われているのでしょうか。
Jeon,Ho Keun:データと、モバイルを基盤として、そこでしか使えないポイントを提供するキャンペーンを行っています。一度店舗に来た方がもう一度店舗に来店するように働きかけています。来店する頻度数は業種に異なりますが、それにあわせた形で提供しています。OKキャッシュバックはお客様を維持する面では効果がありますが、新しいお客様を送客する、提携先が望んだお客様を送客するのは弱いと考えており、「ドゥトゥム」というデータ基盤をベースにその弱点をカバーしています。

「ドゥトゥム」は、割引券と同様の効果で、SK Planetは手数料をいただくモデルとなります。ただ、OKキャッシュバックの会員をベースに行っていますので、その利用も伸びる効果があります。

――OKキャッシュバックのビジネスモデルについてお聞かせください。また、付与と利用のバランスについてはいかがでしょうか?
Jeon,Ho Keun:OKキャッシュバックはポイントを貯めるときの使用料、利用するときの手数料、また、お客様がベネフィットを使用するときの手数料の3つとなります。日本の共通ポイントなどとビジネスの形は近いと思います。

ポイントは、付与と利用のバランスが崩れていないのが基本で、利用よりも貯める方が多い場合は、キャンペーン、「ドゥトゥム」でのポイントの活用、お客様にメッセージ送るなどにより、利用を促しています。

――オンラインでの利用が増えているとのことですが、現状についてお聞かせ下さい。
Jeon,Ho Keun:まだまだオフライン市場のほうが比率は高いですが、オンラインの方が早く成長しています。オンラインの場合、カードやモバイルを提示する必要もないため、利用率が高いです。
(※韓国はクレジットカードとポイントを複合して決済できる環境が進んでいることも要因としてある)

アプリユーザー数は600万
モバイルを活用したサービスを強化

――アプリユーザー数についてお聞かせさい。
Jeon,Ho Keun:600万人です。提供するサービスの1つである「ロックリワードサービス」は、画面で広告を見るとポイントが付くものです。スタートして1年経ちますが、成果は感じています。どういう風に活用すれば、さらに良くなるかが把握できるようになってきました。今は単純にページの閲覧当たりの金額をいただいています。

今後は、お客様にユニークな情報を届けることに力を入れています。たとえば、ガソリンスタンドの近くにいる方に広告を出したり、ショッピングセンターでメッセージを出せる工夫を行っています。それが洗練されれば、さらに質が高まると思います。

――以前、OKキャッシュバックの活性化に向け、NFCを活用されていましたが、現在も取り組みは行われていますか? また、Shop Kickを買収されましたが、Beacon(ビーコン)を活用された取り組みについての考えをお聞かせください。
Jeon,Ho Keun:以前は、NFCをテストしましたが、最近はNFCよりもモバイルを強化する方向で考えています。NFC以外にもモバイルでできることはたくさんあります。また、BeaconよりもWi-Fiのほうがカバー領域は広く、ユーザーの同意も必要ありません。もちろん、Beaconをあきらめたわけではありませんが、今はWi-Fiの方が効率的であると考えています。

日本ではPontaと提携したサービスを開始
共通ポイント事業から広告プラットフォームに広がる

――OKキャッシュバックとしての海外展開はいかがでしょうか? また、日本で「Ponta」を展開するロイヤリティマーケティングと提携し、OKキャッシュバック会員は訪日時、対象のPonta提携店舗の店頭で、自身のスマートフォン画面を提示するだけで、ポイントを貯めて、使えるようになり、さらに日本で貯めたポイントは帰国後にOKキャッシュバックポイントに移行され、使うことができるサービスを開始されましたね。
Jeon,Ho Keun:OKキャッシュバックとして海外に進出するのは難しい部分もありますが、「ドゥトゥム」は効果があると考えており、海外のマイレージやポイントを展開する企業に提供できればと思います。Pontaとの提携の効果はこれからですが、観光客向けのサービスなので、それに向けて加盟店などに告知していかなければいけないという思いはもっています。また、国内だと何ポイントを貯めたかというデータは残っていますので、どの加盟店で利用したのかはわかりますが、日本人が韓国に来たときにどこで何を貯めたのかがわかりませんが、「ドゥトゥム」であればある程度みえてきます。

――今後の意気込みについてお聞かせください。
Jeon,Ho Keun:OKキャッシュバックはこれまで共通ポイント事業でしたが、「ドゥトゥム」をはじめることにより広告プラットフォームに広がっています。それと同時に、ポイント・マイレージの力も強くなっています。これからは他のポイントでも「ドゥトゥム」を利用したサービスを提供することで、事業領域を広げていきたいですね。

この記事の著者

ペイメントナビ編集部

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