銀行口座と連動した新しいスマホ決済サービス「はまPay」が7月よりスタート 加盟店の販促に役立つサービスを目指す

2017年7月5日8:00

横浜銀行は、銀行口座と連動したスマホ決済サービス「はまPay」を2017年7月に開始した。店舗で決済された金額は利用者の口座から直接引き落とされる。従来加盟店ごとに口座振替契約をしておけばスマホから支払いできるサービスはあったが、はまPayはどこの加盟店でもスマホアプリから即時に口座引き落としによる支払いができるサービスとなっている。利用できる加盟店は、横浜元町商店街のハンドバッグ店キタムラなど9店でスタートし、今年度末までに50店程度まで拡大する予定だ。

銀行口座からの引き落としで支払いが可能
1日分の売上は翌日に入金

「はまPay」は横浜銀行と契約した店舗(加盟店)で支払いをする際に、利用者が専用のスマートフォンアプリを使って、事前に登録した横浜銀行の口座から代金を即時に引き落として決済するサービスだ。利用者は横浜銀行の口座さえ持っていれば、口座引き落としにするために新たにクレジットカードやデビットカードを申し込んだり、事前に電子マネーをチャージしたりする必要がなく、スマートフォンアプリを操作して支払いできる。

右から横浜銀行 営業企画部 業務開発グループグループ長 島山幸晴氏、同部 調査役 小林展房氏

利用者のアプリ操作はシンプルに作り込んだ。支払いする店舗をタップし、スライドしてチェックイン。加盟店から提示された支払金額を確認後、暗証番号(PIN)を入力してタップすれば決済が完了する。

一方、加盟店はタブレット端末にダウンロードした加盟店用アプリに利用者が表示された後、支払金額を入力するだけで請求が可能に。横浜銀行が1日分の売上をまとめて翌営業日に入金するため、早期に資金が回収できる。また、はまPayは専用端末不要で、AndroidやiPadなど既存のタブレットやスマートフォンがあれば導入できる。初期投資を抑えられることも利点である。

横浜銀行 営業企画部 業務開発グループグループ長 島山幸晴氏は、「地元のお客様が横浜銀行に口座を持っていてよかったと思っていただけるようなサービスを展開したい。また、欧米では銀行口座と連動した決済が主流となっております。金融機関として新しい決済手段を提供する、それもFinTechを活用したサービスなら、マンパワーではなかなか深い接点を持つことができなかった中小の企業様とも連携しやすくなることから、はまPayを開始することにしました」と説明する。

スマホ決済サービス「はまPay」の画面イメージ

利用者はアプリでお得な情報を一括管理

これまで日本で展開されているスマートフォン決済サービスは、事前にクレジットカード情報を登録したり、金額をチャージする必要があったが、「はまPayはいわばデビッドカードのスマホ版のようなもの。自分名義の横浜銀行の口座から代金が即時に引き落とされるため、利用者にとってクレジットカードのように使いすぎたり、高額の代金支払いの際、現金を持ち歩いたりしなくていいといったメリットがあります」と島山氏は話す。

また、これまでも加盟店ごとに口座振替契約をしておけば、スマホから支払いができるサービスはあったが、はまPayならどこの加盟店でもスマホで即時支払いが可能。つまり、利用者にとってクレジットカードやデビットカードを持っていなくても、同行の口座とスマートフォンがあれば、はまPayを利用することができる。一方、加盟店サイドで、はまPayを利用する場合、一定の口座振込手数料が必要だが、クレジットカードの売上単価などに応じた手数料より割安になっているため、経費を抑制できるという。

同部 調査役 小林展房氏は、「アプリを介して情報を集積することができるため、利用者は店舗からのクーポン受信やスタンプカード機能などによって、普段よく利用する店舗からのお得な情報等がアプリ上で一元管理できます。また、加盟店では決済した利用者の来店・購入履歴などの情報をデータベースとして活用でき、リピート購入の促進や利用単価の向上につながるマーケティング施策に有効活用いただけます」と強みを口にする。

はまPayの利用促進には加盟店の拡大が欠かせない。加盟店の決済手数料は1件あたり50~150円を想定。また、国際ブランドのネットワークをそのまま利用できるクレジットカード等に比べ加盟店インフラをゼロから整えていく必要がある。その部分は「課題として残っている」としながらも、地銀として最大規模のネットワークを活用していきたいとしている。すでに教育や医療関係など、現金決済が中心であった企業からの問い合わせが寄せられている。今後は、タブレットPOSとの連携など、店舗の設備投資の負担が少ない形での導入も支援していきたいとしている。

なお、利用者が安全に利用するため、新規登録時の「ワンタイムパスワード配信」や、ログイン時・決済時のTouchIDなど「指紋認証」の導入を予定している。

はまPayはGMOペイメントゲートウェイとの共同開発となるが、将来的には他の地方銀行とも連携しながらサービスを展開し、はまPayのインフラを全国各地で使えるようにすることも想定している。実際、2016年10月にリリース発表後、地方銀行や信用金庫等からの問い合わせがあったそうだ(2017年7月には福岡銀行での採用を発表)。また、店舗に加え、公共施設などでも便利に使えるサービスに育てていきたいとしている。

※本記事は3月発行の「カード決済&セキュリティの強化書」に、サービス開始日など最新情報を加えて紹介しています。

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