非接触決済サービス「Visa payWave」の国内展開を強化、マクドナルド以外の大型加盟店も導入を準備

2017年7月31日8:00

ビザ・ワールドワイド(Visa)は、2017年7月27日、メディア・ラウンドテーブルを開催。キャッシュレス化に向けてのVisaの日本市場戦略と今後の展望について、紹介した。Visaでは、国内でのキャッシュレス化の推進に向け、非接触決済サービス「Visa payWave」の展開を強化する。また、決済のデジタル化、カード番号を別の乱数に置き換える「トークナイゼーション」によるセキュリティが進むと、決済のデジタル化が進むとした。

2020年までには世界の全カードの約50%が非接触対応に

Visaが国内で目指すのは、さらなるキャッシュレス化の促進、消費者や加盟店により安全で利便性の高い決済手段の提供、モバイルやウェアラブル、IoTなどのイノベーションの促進などが挙げられる。

Euromonitorの調査によると、個人消費支出に占めるカード決済が占める割合は約17%。政府は、「未来投資戦略2017」において、2027年6月までに国内の消費額に占めるキャッシュレス決済の比率を現行の40%まで高めることを示した。

ビザ・ワールドワイドジャパン 代表取締役 安渕聖司氏

政府では、「世界で最もクレジットカードが使いやすい安心・安全な国 日本」を目指し、改正割賦販売法においてIC化100%を法制化した。また、2020年までに訪日外国人数を2015年の倍となる、4,000人にしたい考えだ。

加盟店では、POS入れ替えのタイミングを見据えつつ、クレジット取引セキュリティ対策協議会の「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画」でのICカード化の期限(2020年)にあわせ、ICカードへの対応が進むと思われる。また、より早く快適な決済手段が求められるとした。

消費者の決済動向を見ると、現状、単価5,000円以下の決済では91%の取引が現金決済となっている。さらに、スマホの普及率は85%に達する見込みだ。グローバルでみると、非接触決済の利用が進んでいる地域もあり、2020年までには世界の全決済カードの約50%が非接触対応となるとした。

また、国内において、ブランドデビットカードの市場は成長を続けており、日本銀行の「最近のデビットカードの動向について」において、発行枚数残高、決済金額、決済件数はいずれも増加を続けている。米国では、デビットに加え、クレジットも成長することでキャッシュレス化につながっている。デビットは、ファストフードやコンビニなど、クレジットカードよりも低額な日常づかいで使われており、すでに枚数や発行枚数、件数はクレジットを上回る。日本でもショッピングで年平均72.7%の成長があり、「現金からデビットへの移行が起こっています」と、ビザ・ワールドワイドジャパン 代表取締役 安渕聖司氏は手応えを口にする。

「Visa payWave」は国内でのVisaのイノベーションの促進策に

そして、国内でのさらなるイノベーションの促進策として、非接触決済サービス「Visa payWave」の普及を挙げた。Visa payWaveはEMVコンタクトレスに準拠しており、クレジット・デビット・プリペイドのそれぞれに対応できる。また、カード、モバイル、ウェアラブルと多彩なツールが利用可能だ。

対面加盟店では、割賦販売法や実行計画などにより、POSや据置端末の接触ICカード対応が行われているが、EMVコンタクトレスと同時対応することにより、投資コストを抑制できるとした。すでに国内では、日本マクドナルドの対応が発表されているが、それ以外にも「大規模な加盟店が準備に入られている」と安渕氏は話す。

Visa payWaveは海外70カ国以上で利用可能だが、普及が進んでいる地域も見受けられる。政府は、観光立国に向けた取り組みを進めているが、訪日外国人トップ10の国すべてでVisa payWaveが導入済みであり、台湾、香港、シンガポール、オーストラリアなどで普及が先行している。

インバウンドビジネスを支える”おもてなし”に向けて

Visa payWaveは世界70カ国以上で利用可能

安渕氏は、「ほとんどの日常使いの加盟店、旅行やエンターテイメントで使える環境を整えていきたい」とした。また、発行側においても機能の搭載を進めることで、すべての消費者が日常利用におけるもっとも一般的なインターフェースとして手にすることが可能なサービスに育てていく方針だ。

「トークナイゼーション」により対面でのデジタル決済が進む

続いて、ビザ・ワールドワイドジャパン デジタル・ソリューション& ディプロイメント 部長 鈴木章五氏が「決済の将来像とFinTech」について紹介。鈴木氏は、決済のデジタル化、カード番号を別の乱数に置き換える「トークナイゼーション」によるセキュリティ対策が進むと、非対面の環境に加え、対面でのデジタル決済も進むとした。

ビザ・ワールドワイドジャパン デジタル・ソリューション& ディプロイメント 部長 鈴木章五氏

Visaでは、API経由でVisaに接続可能な「Visaデベロッパー(Visa Developer)」を展開。各事業者のソリューションに、Visaの機能を組み込み可能なテスト環境を無料で提供している。これまでは、セキュリティ向けのAPIを開放する動きだったが、今後は、イシュアや加盟店向けのAPIを積極的に提供する方針だ。

現在、「Visaデベロッパー」と接続できる「Visaイノベーションセンター」は、サンフランシスコ、マイアミ、ニューヨーク、ロンドン、ベルリン、ドバイ、シンガポール、サンパウロの8カ所に拠点を設けている。日本からはシンガポールに足を運ぶ企業が中心だが、中にはサンフランシスコに訪れるケースもあるそうだ。

また、トークナイゼーションの普及がIoTコマースを加速させるとした。トークン化された番号は、特定のドメインでしか利用できなかったり、利用を制限したり、利用期間を設定できるなど、柔軟性を持った活用が可能だ。

たとえば、トークン化された番号の場合、仮に犯罪者に盗まれたとしても、悪用を防ぐことができるように、高いセキュリティレベルを実現できる。また、既存のインフラの影響は軽微であることに加え、さまざまなスキームで使えるようになる。

Visaでは、トークン化サービスとして、「Visaトークンサービス(VTS)」を提供。事業者は、API接続により、VTSに接続可能となっている。将来的には、決済のデジタル化が進み、IoTとの連携により、さまざまなシーンでキャッシュレス化が進むと期待している。

トークナイゼーションによるIoTコマースの実現

この記事の著者

ペイメントナビ編集部

ペイメントナビ編集部

カード決済、PCI DSS、ICカード・ポイントカードの啓蒙ポータルサイト

page toppagetop