浅草神社がサイモンズポイント機能付き「カード型御守」を頒布 ポイントを神社の護持・運営のみならず、地域活性化のために活用

2017年8月2日8:30

地元に1万戸以上の氏子を持ち、三社祭でも有名な浅草神社では、全国初の試みとして、ポイント機能付き「カード型御守」の頒布を開始した。浅草神社が開催する各種イベントへの参加でポイントが付与され、失効したポイントは神社の護持・運営のための資金として使われる。浅草神社ではこの「カード型御守」を媒介に、神社を訪れる人とのつながりを深め、地域活性化により一層貢献していきたいと考えている。

失効ポイントを地域貢献に役立てるという
サイモンズポイントの理念に賛同し、採用を決定

毎年5月に開催され、3日間で200万人が訪れる三社祭で有名な浅草神社では、2015年1月より、共通ポイントシステム「サイモンズポイント」機能が付いた「カード型御守」の頒布を行っている。

浅草神社 禰宜 矢野幸士氏

浅草神社は明治元年の神仏分離以前、浅草寺と一体だった時代を合わせると約1000年の歴史があり、地元に1万戸以上の氏子を持つ氏神様として、地域に根付き、地域の発展に寄与してきた。しかし今では、浅草と言えば浅草寺のイメージがあまりにも強く、ともすれば浅草神社の存在は忘れられがち。三社祭は知っていても、それが浅草神社の祭りであることを知らない人も少なくないのが現状だ。

人々の生活に寄り添う存在でありたいと考える浅草神社では、三社祭や初詣に限らず、年間を通して日常的に足を運んでもらおうと、さまざまなイベントを企画している。

取り組みの柱は大きく2つ。1つ目の青少年強化育成事業では、七夕飾り制作教室など年間に10以上のプログラムを用意して、数百人の子どもたちを迎え入れている。2つ目の日本伝統文化継承事業では、1月を除く毎月1日に社務所を開放し、寺子屋をもじった社子屋(やしろこや)を開催。毎回、お茶、座禅、和とじ製本、つまみ細工などのテーマを設け、伝統工芸を体験してもらっている。申込不要、参加費無料、遅参早退可と参加のハードルを低くし、老若男女を問わず「毎月1日に時間があいたら浅草神社に行こう、と、神社に行くことを習慣化してもらう」(浅草神社 禰宜 矢野幸士氏)ことを意図している。また、これとは別に不定期で、和食料理教室、川柳教室、百人一首教室、巫女舞教室なども企画・実施している。

このような機会をとらえて神社に来てくださったという証、神社を訪れた人たちとの“つながり”を、何かかたちにできないか――。そう考えていたときに、地域社会への貢献をコンセプトとして掲げる共通ポイントシステム、サイモンズポイントとの出会いがあった。失効ポイントを、三社祭の運営を含む、神社の護持・運営のための資金として使うことができるという点が決め手となり、全国初の、ポイント機能付き「カード型御守」が誕生した。

地域との結び付きをポイントというかたちで表現
全国初のポイント機能付き「カード型御守」

財布などに入れて持ち歩きたいというニーズに応え、カード型の「御守」を頒布している神社はいくつもあるという。ただ、ポイント機能を搭載した「カード型御守」は全国初の試みだ。

ポイント機能付き「カード型御守」

言うまでもなく、宗教活動や信仰活動は一般の商品・サービスとは性格が異なる。例えば「御守」は販売するものではなく、頒布するもの。本来、定価もない。だから、「御守」を買ってもポイントは付かないし、ポイントを「御守」と交換することもできない。御祈祷や御祈願についても同様だ。ただ、神社が実施するプログラムや事業に参加する行為に対してポイントを付与することには問題がない。浅草神社の「カード型御守」は、前述した青少年強化育成事業および日本伝統文化継承事業の一環として実施しているイベントへの参加1回につき5ポイントが付与される仕組みになっている。

「浅草神社やこの地域にかかわる行動を主体的に起こす都度、カードに印を付けていくというイメージです。“ポイント”ではなく“志(こころざし)”という単位にしようか、という議論もあったのですが、それでもしっくりこなかったため、今のところポイントという言葉を使っています」(矢野氏)

ポイント付き「カード型御守」に値段はない。ほしいという人には、「お気持ちを賽銭箱に入れてください」とお願いしている。賽銭箱に入れる額はそれぞれの個人の自由だ。

クチコミで広がり、これまで約1,400枚を頒布。イベント参加者では、大半が保持しているという。矢野氏は、「将来的には浅草の方、浅草神社を訪れる方全員に持っていただけたら嬉しいですね」とほほ笑む。

会員に向けてメルマガを配信
三社祭の運営などにもカード情報を活用したい考え

ポイント付き「カード型御守」の加盟店開拓は、サイモンズの担当だ。加盟店は現在のところ、日本料理店「なおらい料理 浅草みくも」1店舗。神社のポイントカードというコンセプトを誤解なく説明するのは容易ではなく、そのため加盟店開拓も難航していると思われるが、浅草神社では近隣のホテル、レストラン、料亭などに加盟店を拡げたいと渇望している。

というのも、浅草神社では年間320組の結婚式を執り行っており、その披露宴の開催場所として、ポイント付き「カード型御守」でポイントが貯まるという理由から浅草界隈の施設が選ばれれば、地域経済の活性化につながるからだ。しかも結婚を機に浅草と縁をつないだカップルとは、お宮参り、七五三、成人式、その子どもの結婚式と、長いお付き合いになる可能性が高い。ポイント付き「カード型御守」も、繰り返し使っていただけることが期待できるのだ。

また、サイモンズポイントは、共通ポイントカードでありながら、標準サービスとして自社の会員データベースを構築できるのが特徴。浅草神社ではこれを活用し、先日、第1回のメルマガを配信したところだ。

「7月1日から始まる夏詣のご案内をいたしました。これまでFacebook、Twitter、ブログ、ホームページなどで、不特定多数に向けての発信は行ってきましたが、今後はメルマガ会員限定のシークレットな情報発信もできるようになります」(矢野氏)

会員データを把握できるということは、IDカードのような利用も可能だということだ。三社祭を取り仕切る浅草神社では、膨大な数に上る祭りの参加者を把握・管理するためにポイント付き「カード型御守」を活用することを視野に入れている。カードを介して参加申し込みを受け付け、事前に個別に注意事項などの申し送りをするといったことも可能になると構想する。同様に、御祈祷の予約受付などにも活用が期待される。

サイモンズポイントの有効期限は最長2年。毎年大晦日に、前年分のポイントが失効するシステムだ。2015年にスタートした「カード型御守」は、昨年末に初めて失効ポイントが発生。浅草神社に還元された。還元されたポイントが何に使われたか、どのように地域に貢献したかを毎年きちんと報告することによって、「カード型御守」への理解・共感が得られ、少しずつ世の中に浸透していくのだろうと浅草神社は考えている。

矢野氏は最後に、「ほんの20年前までは、神社がホームページで情報発信することにすら眉をひそめる人がいました。しかしもうそれは、当たり前のことになっています。ポイント付きの御守も、きっと数年後には当たり前のものになっているでしょう」と語ってくれた。

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