アメリカのマルチポイントサービスの動向は?

2017年10月20日8:20

世界でさまざまなマルチポイントプログラム(連合ロイヤリティ・プログラム)が展開されているが、アメリカではこうしたマルチポイントプログラムは乱立していないと言われる。「ポイントカード・ロイヤリティマーケティング市場要覧」の第2章では米国のロイヤリティ・プログラムの動向を紹介している。

単独ブランドのマルチポイントプログラムはアメリカが発祥の地

アメリカでのマルチポイントプログラムは、2015年にアメリカン・エキスプレス(American Express)がPlentiを導入するまで、存在しなかったとするレポートもあるが、実はイギリスで1988年にスタートし、成功していた連合ロイヤリティ・プログラムのAir Milesが1990年にアメリカ、1992年にカナダと相次いで進出している。Air Milesは、カナダではその後成功をおさめ広く普及したものの、アメリカでは数年足らずで撤退を余儀なくされていた。

では、アメリカではマルチポイントプログラムは育たず、スタンドアローンのロイヤリティ・プログラムだけであったかと問われれば、ノーである。確かに、Air Miles撤退後、2015年にアメリカン・エキスプレスの連合ロイヤリティ・プログラムのPlentiがスタートするまでの間、Air Milesのような共通ブランドのマルチポイントプログラムは存在しなかったが、航空会社のFFPやホテルチェーンのFSPなど多くのプログラム・パートナーを擁する単独ブランドのマルチポイントプログラムは多数存在している。そもそも、こうした航空会社のFFPやホテルチェーンのFSPなど、多くのプログラム・パートナーを擁する単独ブランドのマルチポイントプログラムは、アメリカが発祥の地である。

ちなみに、アメリカでクレジットカードのカスタマー・ロイヤリティ・プログラムがブレイクしたのは、1990年代に大手自動車メーカーのGMがコブランディド・クレジットカードのVisaカードやマスターカードを発行し、カード決済金額に応じて新車購入時にインセンティブを提供したことが起因している。

また、アメリカン航空やユナイテッド航空などの航空会社のFFP機能が搭載されたコブランディド・クレジットカードもカード決済金額に応じてマイレージポイントを提供し、人気を得て、ポイントをより多く獲得するために高いクレジットカード利用を生み出している。イシュアであるカード会社(銀行)からもたらされるポイント購入代金が、FFPを運営する航空会社を大いに潤している。

図は、米国のマルチポイントプログラムである。中でも前述のPlentiには、Rite Aidのほか、モバイルフォンなどの通信ビジネスのAT&Tや大手石油会社のEXXON Mobile、全米でデパートを展開するMacy’s、保険と金融サービスのNationwide、電力などのエネルギー会社のDirect Energy、ビデオなどのオンライン配信サービスのHulu、“Alamo”や“National”、“Enterprise”のブランドで全米をネットワークするレンタカーのEnterprise、オンライントラベル大手のExpedia、Plentiの親会社でT&Eカードのアメリカン・エキスプレスがある。このほかに、800社以上のオンラインマーチャントがポイントパートナーとして参加している。

Plentiの特典ポイントは支払金額1ドル(約110円)につき1ポイントを基本に提供される。獲得した特典ポイントは、1ポイント=0.01ドル(1セント)のレートで、AT&TやEXXON Mobile、Macy’s、Rite Aidといったオフィシャルパートナーの店舗などで、200ポイント単位で決済に充てることができる。Plentiの1,000ポイントは、10ドル(約1,100円)に相当する。

(レポート「ポイントカード・ロイヤリティマーケティング市場要覧」より)

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