中小企業・個人事業主を対象とした「みずほビジネスデビット」を発行へ(みずほ銀行/Visa)

2017年11月10日8:00

『東京 2020 マーク入りデザインカード』も発行予定

みずほ銀行とビザ・ワールドワイド・ジャパン(Visa)は、2017年11月9日に記者説明会を開催し、中小企業・個人事業主を対象としたビジネスデビットカード「みずほビジネスデビット」を2018年初旬から発行すると発表した。

カードは最大10枚まで発行
1枚ごとに管理責任者が利用上限額設定を設定可能

みずほ銀行が発行を予定する「みずほビジネスデビット」は、原則、同行の銀行口座を保有する中小企業・個人事業主が入会可能だ。「みずほビジネスデビット」は年会費無料で提供する予定。カード発行手数料は1枚1,000円程を想定しているが、幅広く保有してもらう想定しており、「1枚目の発行手数料を無料にするキャンペーンを予定しています」とみずほ銀行 常務執行役員 板橋 宏氏は話す。カードは最大10枚まで発行できるため、法人代表者に加え、従業員も保有可能だ。

左からビザ・ワールドワイド・ジャパン 代表取締役社長 安渕 聖司氏、みずほ銀行 常務執行役員 板橋 宏氏、
Visa Inc. シニアバイスプレジデント 中小企業ビジネス担当 グローバル・ヘッド David Simon(デビット・サイモン)氏

カードは、国内・海外、店舗・インターネット取引を問わず、世界200以上の国と地域のVisaの加盟店で利用できる。事業用の口座残高を上限に即時決済が行える。また、Visaが提供する非接触決済機能「Visa payWave」を搭載し、加盟店に設置された専用リーダー(読み取り端末)にかざすだけで支払うことができる。

なお、カード券面は、ブルーのオリジナルデザインに加え、国際オリンピック委員会(IOC)のワールドワイドスポンサーであるVisaと、東京 2020 ゴールド銀行パートナーであるみずほ銀行の協働により、「デビットカードでは国内で初となる『東京 2020 マーク入りデザインカード』も発行する予定となっています」と板橋氏は語る。

みずほビジネスデビット オリジナルデザイン

みずほ・Visaビジネスデビット 東京2020マーク入りデザイン

中小企業や個人事業主が便利に利用できる機能面も意識しており、入会後に利用可能となる会員専用WEBサイトにおいて、カード使用者ごとに権限を分けることが可能であり、権限を有する“管理責任者”が、その他の人の利用上限額設定などをリアルタイムで設定できる。また、カード利用者は自身の利用明細を、管理責任者はすべてのカードの利用明細を電子ファイルでダウンロードでき、自社会計ソフト等と連携することで、経理業務の効率化につなげることが可能だ。

約5割の中小企業・個人事業主が現金の取り扱いや管理が煩わしいと回答
ビジネスデビットカード発行はリーダシップを発揮する強力なステップ

ビザ・ワールドワイド・ジャパン 代表取締役社長 安渕 聖司氏によると、みずほ銀行では2015年末からビジネスデビットの検討に向けての話し合いを行っていたそうだ。また、今回、大手行初となる中小企業・個人事業主を対象としたビジネスデビットカードを発行することにより、「キャッシュレス化の動きをさらに加速していくマイルストーンであると位置づけています」と安渕氏は話す。

Visaの調査によると、中小企業・個人事業主の業務用支払いにおいて、銀行振り込みが全体の半数を占めるが、件数では3分の1を現金が占めた。また、約5割の中小企業・個人事業主が現金の取り扱いや管理が煩わしいと回答している。一方、カードの利用を行っている企業がカードに対して感じる最大のメリットは「現金を持ち歩かなくて済む」が80%と突出している。

現状、中小企業・個人事業主が法人カードを使っている比率は、4分の1にとどまり、浸透率は他の先進国よりも低い。安渕氏は、「政府が目標とするキャッシュレス化率40%に近づけるためには、法人のキャッシュレス化が重要」とした上で、企業口座の取引となる公私分離ができるビジネスデビットカードの特徴が支持されて、中小企業・個人事業主の3割の方が導入に好意的です」とした。

当日は、Visa Inc. シニアバイスプレジデント 中小企業ビジネス担当 グローバル・ヘッド David Simon(デビット・サイモン)氏も登壇。46%の中小企業は、デビットカードは最も利用する金融機関で発行してもらっている。サイモン氏は、「調査によると、67%のビジネスオーナーの方々が、同じ金融機関でビジネス・パーソナルバンキングを行っています。また、85%のビジネスオーナーの方々が、銀行を変更したときには個人口座も変更すると回答しています。ビジネスデビットを発行することは、中小企業部門でリーダシップを発揮する強力なステップとなります」と話す。

また、Visaはイシュア(カード発行会社)のサポートのために、デジタル機能を開発。その1つとして、モバイルアプリケーションで紙の領収書をキャプチャリングして、既存の会計ソフトに画像をリンクさせる取り組みを行っているが、「ビジネスカードを検討している企業の71%は興味があると回答しています」と説明する。

将来的には、カードに紐付けられたトークン化されたデータを従業員に付与して、モバイルデバイスを利用してもらうことも想定している。また、ペイメントデバイス自体を車両自体に組み込み、給油ポンプが接続された時に、経費を精算するなど、IoTの活用も検討している。

カードの裏面にQRコードを搭載するなど、企業の業務効率化を意識
Visa payWaveは今後の普及を見据えて搭載決定

現在、みずほ銀行の中小企業・個人事業主のユーザーは約80万人。具体的な目標値は定まっていないとしながらも、商品性が認知されれば10万、20万の事業者に保有してもらえる可能性もあるとした。

Visaの調査によると、中小企業・個人事業主は、平均30~40万円を毎月カード決済で使用したいと回答した。ビザ・ワールドワイド・ジャパン ビジネスソリューション部長 加藤靖士氏によると、「中小企業・個人事業主の法人クレジットカードは40万円ほどの限度額が一般的で、業務用のボリュームをまかないきれないことが多い中、デビットカードはクレジットカードでは取り込めなかったボリュームゾーンを取り込む良い商品となっています」と説明する。

国内でのビジネスデビットカードは、Visaブランドでジャパンネット銀行、住信SBI銀行、スルガ銀行、JCBブランドで楽天銀行の4行が発行している。「みずほビジネスデビット」の特徴として、企業の業務効率化が図れることを意識した設計となっていることを挙げた。

たとえば、カードの裏面にはQRコードが付いており、スマートフォンで読み取ることで、管理画面に通じるようになっている。こういった細かい設計も他社にはない強みであるとした。

なお、「みずほビジネスデビット」では、非接触決済機能「Visa payWave」を搭載しているが、現状、国内で利用できる加盟店は少ないものの、インバウンド需要や2020年の東京五輪に向け、普及すると想定して搭載を決めたそうだ。

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