2018年1月15日8:00

2017年11月1日と2日に台湾台北で開催された「第15回JCB世界大会」では、ジェーシービー(JCB)が目指す新たな方向性が示された。現在の決済を取り巻く環境や同社の方向性について、JCBの取締役兼常務執行役員三宮 維光氏に話を聞いた。

世界の決済シーンの潮流は変化しつつある
幅広く利用できるQR決済をワレットの出口として押さえる

前回の「第14回JCB世界大会」では、パキスタンの1LINK、インドのNational Payments Corporation of India、モンゴルのBank of Mongoliaなどとのアライアンスモデル、オーストリアのcard complete Service Bank AG、ドイツのPayCenter GmbHなどとのライセンスモデルの実績が紹介された。

ジェーシービー JCBの取締役兼常務執行役員三宮 維光氏

そこから2年が経過し、世界の決済シーンの潮流は変化しつつあるという。「Alipay(アリペイ)」など、銀行口座直結型で従来の国際カードブランドを介在しない決済が注目を浴びているほか、国内でもモバイル決済が拡大している。今後は、JCBとしてそういった決済とどう連携していくかを模索していきたいという。たとえば、7,000万人以上の利用者を有し、決済サービス「LINE Pay」を提供するLINEなど、JCBの持つ強みを提供できる企業があるのではとした。

QR決済に関しては、標準化団体のEMVCoでの標準仕様の策定が進められているが、「Androidに加え、iOSでも幅広く利用できるQR決済をワレットの出口として押さえていきたい」と三宮氏は話す。日本では、会員がQRコードをスマホに表示して、加盟店が読み取る形が一般的となっているが、アジアの新興国では加盟店のレジにQRコードを張り、消費者側が読み取る方式が主流になる可能性もある。

バッテリー付きの指紋認証カードを発表
非接触決済が浸透している国での普及に期待

また、本人確認技術の世界的リーダー企業である仏・IDEMIA(アイデミア)と提携して、生体認証決済カード「F-Code(エフコード)」を国内の消費者向けに提供していくことも発表した。クレジットカードのテクノロジは、インプリンタ、エンボス、接触EMV、非接触EMVと進化し、セキュリティレベルを高める努力を行ってきた。その一方で、「非接触決済により、会員の利便性は高まるが、一方で高額な買い物をするときにセキュアかという問題がある。非接触決済になった瞬間に利用上限金額の制限をするか、もしくはサイン認証へ戻す必要がある。こういった課題を解決しない限り、本当の意味での安全性は高まらない」と三宮氏は説明する。

F-Codeは、カードにバッテリー付きの指紋認証機能が付いており、利用者自身が決済時に認証して使うことができる。現在の非接触インフラの簡便性とセキュアな取引が実現した。三宮氏は、「台湾のように非接触決済が浸透している国では、こういったデバイスは有効的だと考えている」と説明する。また、バッテリー付きのカードはコストがかさむが、「ユーザー側にメリットがあれば、コストの回収は見込めると考えている」とした。実証実験では、登録方法や業務面での有効性検証、耐久性の確認などを行う予定だ。

Apple Pay国内イシュア31社のうち21社がQUICPayを採用
キャッシュレス社会を先頭に立って先導

非接触決済としては、国内70万の設置台数を誇る電子マネー「QUICPay」、グローバルで利用可能なTypeA/Bベースの「J/Speedy」の2つの方式をサポートしている。現状、国内のApple Payのイシュア31社のうち、21社がQUICPayを採用。また、2017年9月22日からは、Apple PayでJ/Speedy機能の提供を開始した。例えば、台湾などの「J/Speedy」加盟店において、日本のApple Payユーザーが「J/Speedy」による支払いを行える。

なお、台湾では、「J/Speedy」の新たな展開として、台湾の大手決済サービス事業者の臺灣行動支付(TWMP)と、「HCE(Host-based Card Emulation)対応モバイル決済サービス」の取り扱いについて合意している。

三宮氏は最後に、「キャッシュレス化は、社会的使命として認識している。特に、クレジットやデビットといったカードは決済比重が大きいため、国際カードブランドとして先頭に立って頑張っていく」と語り、笑顔を見せた。

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