日本でも注目が高まるモバイル財布の類型は?

2018年11月14日7:30

モバイル財布とは、デジタル財布の一種で、スマートフォンやタブレット端末機などのモバイルデバイスを介してアクセスするデジタル財布アプリである。このモバイル財布は、ユーザーが持っているモバイルデバイス上に持つこともできれば、リモートアクセスが可能なウェブ上のセキュアなサーバーコンピュータ上に持つこともできるほか、モバイルデバイスとサーバーコンピュータとの組み合わせもある。「フューチャーペイメント要覧」の第7章では、日本でのさらなる成長が期待されるモバイル財布について紹介している。

多様なアプリケーションを併せ持つモバイル財布

モバイル財布は、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカード、IC電子マネー、IC乗車券などを紐づけし、遠近のモバイルペイメント機能のほかに、クーポン、特典ポイントなどのカスタマー・ロイヤリティ機能や映画やコンサートなどの各種デジタルチケット、アクセスキー、ID機能などの多様なアプリケーションを併せ持つことができる。

“財布”(Wallet)に見立てたアプリケーションを用いて多様なデータを一元的に管理し、リモートまたはNFC(Near Field Communication)やQRコード、Bluetoothなどの近接型のモバイル決済の統合とセキュリティの向上を実現し、ユーザーの利便性を高めるプログラムである。

リアルのVisaカードやMastercardなどのクレジットカードやデビットカードといったペイメントカードをリンクさせることにより、オンラインとオフラインの世界が合流して形成された統合された“マルチチャネル”と言えよう。

デジタル財布のモバイル財布は、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカード、IC電子マネー、IC乗車券などの情報をまとめて一種の“アカウント”(Account)として管理し、オンライン決済の効率化とセキュリティの向上を図るウォレットアプリである。

デジタル財布は、1990年代中頃のインターネットの商業化に伴うEコマースにおけるオンラインペイメントとして生まれ、Eコマースにおけるトランザクションにおいて、実際の財布のようにオンライン決済に用いられる暗号化のソフトウェアである。デジタル財布の中には、財布の持ち主であるユーザーのクレジットカードなどの支払い情報やユーザーを識別するデジタル証明などの情報が含まれており、ユーザーのパソコンまたは決済事業者などのサーバーに置かれている。

こうしたデジタル財布のウォレットソフトウェアは、1990年後半からAmazonのAmazon PaymentやE-BayのPayPalなどのアカウントを用いた代替オンライン決済として、Eコマースにおけるクレジットカードによる安全で効率的な決済方法として広く普及していった。

遠隔(Remote)型と近接(Proximity)型に分類可能

モバイル財布をモバイルペイメントの遠隔(Remote)型と近接(Proximity)型をキーに分類したもので、モバイルコマースのオンライン決済や送金サービスなどの遠隔(Remote)型専用モバイル財布、NFCやQRコード、Bluetoothによる近接(Proximity)型専用モバイル財布、遠隔(Remote)型と近接(Proximity)型の両方のオムニチャネルのモバイル財布の3つに分類している。

遠隔(Remote)型専用モバイル財布(デジタル財布)には、Amazon Payments やP2PのVenmo、VISAのV.me by VISAなどがある。Amazon Paymentsは、モバイルデバイスのほか、パソコンによるアクセスも可能である。

近接(Proximity)型専用モバイル財布にはバーコードによるモバイルペイメントのStarbucksコーヒー、ファストフードのDunkin Donutsなどのクローズドタイプのモバイル財布のほか、Level Upなどのオープン型のモバイル財布があり、デバイスは携帯することが可能な携帯電話やスマートフォン、ウェアラブルなどに限られ、POSなど店舗内の使用に限定される。

Mastercardのデジタル財布であるMasterpassなどは、モバイルデバイスのほか、パソコンなどからもアクセスが可能で、モバイル財布とオムニチャネルのデジタル財布の両方をサポートしている。オムニチャネルのモバイル財布には、Masterpassのほか、アップルのApple Pay、QRコード決済で急速に拡大している中国ベースのAlipay(支付宝)などがある。

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