QSAに聞くVersion2.0のポイント~(2)ベライゾン ビジネス

2010年11月25日12:08

QSAに聞くVersion2.0のポイント~(2)ベライゾン ビジネス

――御社がQSAとして活動する上での強みを簡単にお答えください。

弊社は、QSA、PA-QSA、ASVとして毎年300社以上の加盟店やサービスプロバイダ向けにコンサルテーションや審査を実施している世界最大級のPCIサービスプロバイダで、実績とノウハウはトップクラスと自負しています。

同時に、カード情報漏洩事件の発生時に、VisaやMasterCardの認定フォレンジック調査機関(QIRA、QFI) として調査サービスを提供できる国内唯一の企業でもあります。

なお弊社は、PCI DSSが策定される以前、VisaやMasterCardなどの国際カードブランドが独自に加盟店向けセキュリティ基準を運用していた1999年頃から密接なパートナーシップを有しています。

――PCI DSSが新バージョンに移行になりますが、新バージョンをご覧になった感想をお答えください。

個々の項目として劇的な変更はありませんが、全体としてみると着実に基準として洗練が進んだ印象です。Special Interest Group (SIG)と呼ばれる分野ごとのワーキンググループの活動などを通した現場からのフィードバックの吸収が効果的に進んだ結果と考えています。

――新バージョンに移行になり、緩和された部分で特に注目される点につきましてお答えください。

要件3.2 イシュアに限り、ビジネス上の正当性があればオーソライゼーション後のセンシティブ認証データの保持が認められた点

要件8 一時に一件のカード番号を用いたトランザクションしか処理しないレジ担当者などについては、厳格なユーザーアカウント管理の対象外であることが明確にされた点 

要件11.1 不正な無線デバイスの検出方法として、無線アナライザや無線IDS/IPS以外に、ネットワークアクセスコントロール(NAC)システムやその他の物理的/論理的なシステムコンポーネントのチェックについても選択肢に含まれるようになった点

――新バージョンに移行になり、強化された部分で特に注目される点につきましてお答えください。

要件 3.4 カード番号の一部のみを対象としたワンウェイハッシュは認められず、カード番号全体を対象としたハッシュのみが有効と明記された点

要件 6.2 脆弱性の深刻度判断において、単純に CVSSなどの客観的スコアを見るだけでなく、対象環境に応じたリスクランク付けのアプローチが要求されるようになった点

――上記の点を踏まえ、来年以降、QSAとして審査は行いやすくなると考えられますか?また、QSA部会などで議論が必要になる点などがあるようでしたらお答えいただけると助かります。

柔軟性が増した要件については、これまで以上に入念なレビューと評価が必要になるものもあると考えられますが、要件の記述がより明確になったものについては、被審査企業との共通認識が得やすくなると考えられますので、これまでよりは加盟店やサービスプロバイダからの受容性も向上するものと期待します。

要件の記述が明確になったとしても、実環境を想定した具体例まで記載しているわけではないため、引き続きQSA部会において事例に基づく議論が必要になると考えられます。例えば、仮想化環境、エンドツーエンド暗号化、トークナイゼーションについてはまだまだ議論の余地があると考えています。

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