非接触IC決済事業者に聞く~イオン「WAON」(1)

2010年12月9日8:05

非接触IC決済事業者に聞く~イオン「WAON」(1)

発行枚数、利用件数ともに堅調な伸びをみせる「WAON」
地域カード化、インターネットでの利用にも注力

「WAON」はイオンが開始した非接触ICカードを使用した電子マネーサービスである。イオングループでの利用はもちろん、コンビニエンスストア、ファーストフード、飲食店、自販機、宅配サービスなど、外部加盟店の開拓も積極的に行っている。また、特定の地域に特化したWAONカードも全国各地で発行している。カード業界内でも“元気がいい”と評判のWAONの取り組みについて紹介する。

月間40万枚のペースで発行枚数が増える

利用件数も前年同月比で30~50%の伸び

イオンが2007年4月からスタートした「WAON」。イオンリテール WAON電子マネープロジェクト プロジェクトリーダー 前川 渉氏は、「WAONの10月末時点での発行枚数は約1,670万枚で、ここ2年間は月間40万枚のペースでコンスタントに増えています。月間利用件数も4,150万件と対前年比でみると30%~50%と堅調な伸びを示しています」と成果を語る。加盟店数は9万5,000店舗。ジャスコやサティ、マックスバリュ、ミニストップなどのイオングループ企業をはじめ、ファミリーマート、マクドナルド、吉野家、ヤマト運輸などの全国チェーンの外部加盟店が名を連ねる。

高い稼働率を誇る無記名のWAONカード

WAONでは200円の利用ごとに1WAON貯まるポイントサービスも実施。イオングループだけではなく、外部加盟店でも同様のポイントが貯まり利用者にとってはWAON加盟店であればどこでも同じポイントを得られるメリットがある。

WAONのカードブランドはイオン、バリューイシュアはイオンリテールとイオン銀行の2社。アクワイアリングはイオンクレジットサービスと三井住友カードとなっている。イオンクレジットサービスによる開拓に加え、最近では三井住友カードが銀聯、iDの導入とセットでWAONの導入を進めるケースも増えているという。

同社では無記名のWAONカード以外にも65歳以上が対象の「ゆうゆうWAON」(ともに発行手数料300円)、JAL ICサービス機能と一体化した「JMB WAON」(発行手数料500円)、「吉野家WAON」などの枚数が増えている。それに加え、徐々にではあるが発行手数料が無料の「モバイル WAON」「モバイルJMB WAON」の会員数が増加傾向にある。同社ではNTTドコモ、KDDIのAndroid OSを搭載したスマートフォンにWAONをいち早く対応。

「まだモバイル会員は数%です。その理由として主婦の方にとって携帯電話は登録の煩わしさがあります。またパケット定額を利用していない場合はアプリのダウンロードに800円近くかかります。その点、Android OSはインターネット環境に接続し続ける状況にありますから、その浸透に伴い会員の増加が期待できます」(前川氏)

月間の稼働率は約3割

WAONカードは5割の利用を誇る

すべてのWAONカードを平均すると月間の稼働率は約3割。これは、「他の電子マネーを含めて非常に高い数値を示している」(前川氏)ということだ。なかでもWAONカードのみに限定すると5割の稼働率に達し、月に約9回の利用がある。

イオンリテール WAON電子マネープロジェクト プロジェクトリーダー 前川 渉氏

カード会員や件数に関しても当面は伸び続けると同社では想定している。また、WAONの特徴としては利用単価が1,700円と他の電子マネーと比べて2倍程度の高い数字を示していることだ。その理由としてはイオンのショッピングセンターやスーパーなどで利用されることが多いことが第一点。

「イオングループ外で複数の電子マネーを導入している加盟店でもWAONの決済単価は高い特徴があります。そもそも私たちのカードは主婦の利用が多いお買い物カードであるため、カード入金している確率が非常に高いです。また主婦が持っているため、家族の決済をまとめてWAONで行うケースが見受けられます」(前川氏)

例えば、WAONを導入している吉野家では、現金決済に比べてWAON利用者の決済単価は断然高いという。

また、イオンで利用できるカードにはイオンクレジットサービスが発行する「イオンカード」がある。

「当初、イオンクレジットサービスではWAONの発行でイオンカードの取り扱いが減ることを懸念していましたが、結果的には両者は上手く使い分けられています。実際、WAON発行前は現金以外の決済が約30%でしたが、現在は50%弱まで非現金の割合が高まっています。入金限度額もお客様の声にお応えし、従来の2万円から5万円に引き上げる結果となりました」(前川氏)

同社では外部加盟店との提携も積極的に展開。現在、イオングループ外の加盟店の割合はショッピングセンターの専門店を除くと約15%だが、「グループ内での導入はほぼ一巡しましたので、今後は外部の加盟店を増やしていきたい」と前川氏も意気込む。例えば、最近ではイオンクレジットサービスが空港周辺エリアの加盟店開拓を積極的に行っている。

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