非接触IC決済事業者に聞く~イオン「WAON」(2)

2010年12月9日8:10

非接触IC決済事業者に聞く~イオン「WAON」(2)

WAONの「地域カード化」を推進

すでに約20の地域独自のカードを発行

「熊野古道伊勢路WAON」(左上)、「ぎふすまいるWAON」(右上)、「富士宮やきそばWAON」(左下)、「出雲路縁結びWAON」(右下)

地域の加盟店開拓の展開として注力しているのがWAONの「地域カード化」だ。同社ではWAONを通じて、地域の活性化や観光振興などに役立ててもらう取り組みを全国各地で進めている。2010年だけでも隠岐ジオパーク推進協議会と「隠岐ジオパークWAON」、銚子市と「犬吠WAON」、海洋博覧会記念公園管理財団と「首里城WAON」、白川村と「ひだ白川郷WAON」、大阪府と「大阪ミュージアムWAON」、「Hiroshima平和祈念WAON」、姫路市と「姫路城WAON」、名古屋市と「名古屋城WAON」、由布院温泉旅館組合と「ゆふいん湯歩WAON」、三重県と「熊野古道伊勢路WAON」、岐阜県と「ぎふすまいるWAON」、静岡県富士宮市と富士宮やきそば学会と「富士宮やきそばWAON」、社団法人松江観光協会と「出雲路縁結びWAON」の発行を発表している。イオンでは地域独自のカードは20種類に及び、WAON加盟店で利用した金額の一部を寄付するなど地域活動にも貢献していく。こういった活動はWAONの加盟店開拓を展開する上でも役立っているという。

「イオンは全国各地に店舗を持っています。地域で安定的に利用されるためにはイオン独自の取り組みだけでは限界があります。そもそもWAONのコンセプトは生活者のための電子マネーであり、地域に根差したカードを発行することで、消費生活に関わる部分のすべてを網羅していきたいと考えています。できれば、47都道府県に地域カードを広げていきたい」(前川氏)

最近では四国の「めぐりんサービス」、由布院温泉旅館組合と協力して発行したゆふいん湯歩WAONを利用した「ぐるっと」サービスのように、地域カードを利用して独自のサービスを展開するケースも目立ってきた。

まずはイオングループ内でネット決済を推進

来年は1兆円の利用を目指す

そして、同社が今年から来年にかけて注力するのはインターネット決済だ。12月2日からはイオンネットスーパー83店舗でWAON決済が行える仕組みを開始。これは、ネットスーパーの利用者に対し、ドライバーが持参する端末にかざすだけで決済が行えるもの。同社では配達時の決済だけではなく、PCやモバイルで直接決済を行える環境の整備にも力を入れる。

「電子マネーを利用したインターネット決済は、専用のリーダライタが必要になるなど、インフラ面や顧客の利便性などの面で課題が多いことも認識しています。まずは弊社の『イオンショップ』などグループ内で基盤を固めてから、外部加盟店の拡大を考えていきたいです」(前川氏)

前川氏は現状のWAONの事業を振り返り、「弊社が想定した理論値では赤字になっていませんが、まだまだ計画通りの数値に達していません。今後は外部大型加盟店の開拓やWAONの地域カード化、インターネット決済の拡充に力を注ぎ、今期推定の8,300~400億円を来年は1兆円規模にしていきたい」と力強く語ってくれた。

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