2014年8月27日 8:00

イオンではイオンカードとWAONはどちらが得か

株式会社ポイ探 代表取締役 菊地崇仁

2014年3月末時点で、クレジットカード「イオンカード」の国内保有者数は2354万人。国民の5人に1人がイオンカード保有者という事になる。一方、電子マネー「WAON」の発行枚数は3980万枚となった。こちらも3人に1人はWAONカードを保有している計算だ。保有者も非常に多いイオンカードとWAON。イオンで利用する場合、どちらがお得なのかを徹底検証する。

イオンカードとWAONの大きな違いは2つある。1つ目はクレジットカードか電子マネーかの違い、2つ目は貯まるポイントの違いだ。

利用可能場所はイオンカードが有利

イオンカードを申し込むと審査がある。審査が通らなければ「イオンカード」を保有することができない。しかし、WAONの保有には審査がない。誰でも持つことができるのがWAONだ。1981年から発行されているジャスコカード(2000年にイオンカードに統合)よりも、2007年から発行されたWAONの方が発行枚数が多いのはこのためだ。

また、イオンカードの場合は、イオングループ以外の国際ブランド加盟店でも利用が可能となる。MasterCardブランドが付いているイオンカードの場合は、世界中の約3810万店のMasterCard加盟店で利用可能だ。WAONの場合は、WAON決済端末が設置されている店舗、国内約18万4000店での利用となるため、利用可能店舗数としてはイオンカードのほうが優れているといえる。

ポイントはWAONが有利

次に、貯まるポイントの違いについて見てみよう。イオンカードで支払った場合のポイントは、「ときめきポイント」だ。一方、WAONでの支払の場合は「WAONポイント」が貯まる。どちらも、200円(税込)につき1ポイント貯まり、1ポイントは1円の価値があるため、どちらも還元率は0.5%となる。

5%OFFの「お客さま感謝デー」、ポイント2倍の「お客さまわくわくデー」、ポイント5倍の「ありが10デー」等の条件はイオンカード、WAONで違いはない。サービスの違いもなく、還元率の違いもないイオンカードとWAONだが、ポイントの使い道で大きな違いがある。

  イオンカード WAON
券面
会員数/発行枚数 2354万人 3980万人
利用可能場所 Visa/MasterCard/JCBカードの加盟店 18万4000箇所
ポイント ときめきポイント WAONポイント
ポイント付与率(税抜) 200円で1ポイント 200円で1ポイント
1ポイントの価値 1円 1円
店舗での還元率 0.5% 0.5%
優待 お客さま感謝デー
(5%OFF)
毎月20日、30日
お客さまわくわくデー
(ポイント2倍)
毎月5日、15日、25日
ありが10デー
(ポイント5倍)
毎月10日

イオンカードで貯まるときめきポイントの場合は、1000ポイントを1000円分のイオン商品券や1000 WAONポイントへの交換が可能だ。1000ポイントは、ボーナスポイントなどを考えなければイオンカードを20万円利用して、ようやく貯まるポイントだ。ときめきポイントの有効期限は2年間。その間に1000ポイントを貯めなければ利用できない事になる。

WAONポイントの場合は100 WAONポイントを100円分のWAONにチャージすることができる。2万円のショッピングで利用できるポイントであり、有効期限はときめきポイントと同様2年間だ。2年間で100ポイントを貯めることは難しくないだろう。

通常時のポイントの貯まり方、特典は同じだが、ポイントの使い道を考えると、イオンではイオンカードよりもWAONを使った方が良いといえるだろう。

WAONはボーナスポイントが魅力

また、WAONでの支払の場合は、ボーナスポイント対象商品を購入すると、ボーナスポイントを獲得できる。以下のようなPOPがある商品をWAONで購入すると数十~数百ポイントをボーナスポイントとして獲得できるのだ。イオンカードには無いサービスだ。

WAONとカタリナを使ってボーナスポイントを獲得

さらに、WAONの場合は、スマートフォンアプリ「カタリナ」(無料)を利用できるメリットもある。2014年7月に開始したカタリナアプリは、アプリにWAONカード番号を登録し、クーポンを事前に選択しておくと、選択した商品を登録したWAONで支払った場合に、クーポン分のポイントを獲得できるアプリだ。レジでクーポンを見せたりスマートフォンを見せたりする必要はない。

少しわかりにくいため、具体的な利用方法を紹介する。

 

 

(1)カタリナアプリをダウンロードし、WAON番号を登録する。
(2)店舗を選択しクーポンを一覧をチェック。購入する商品のクーポンを選択する。
(3)選択した商品を購入する際、(1)で登録したWAONで支払う。レジでスマートフォンやクーポンの提示は不要だ。
(4)数日後に(2)で確認したクーポン分のWAONポイントが(1)で登録したWAONに貯まる。

これらのボーナスポイントやクーポン分のポイントとは別に、通常支払い時の200円につき1 WAONポイントも貯まる。イオンでお得になるには、WAONを使いこなすのがおすすめだ。

WAONのオートチャージでもポイントが付く「イオンカードセレクト」

さらにWAONでお得になる方法を紹介しよう。

プリペイド型電子マネーの多くは、クレジットカードでチャージした時にポイントを貯めることができ、利用するときにポイントを貯めることができる。しかし、WAONについてはクレジットカードチャージでポイントが貯まるクレジットカードはない(JMB WAONを除く)。

しかし、クレジット、電子マネー、銀行の3つの機能が付いている「イオンカードセレクト」の場合、WAONチャージでもポイントを貯めることができるのだ。その仕組を詳しく見てみよう。

3つの機能を1枚に「イオンカードセレクト」

 

 

(1)WAONステーションでWAONのオートチャージ設定を行う。
(2)イオンのレジで支払う。
WAONの残高が足りない場合は(3)から、残高が足りる場合は(5)から
(3)オートチャージはイオン銀行から直接引き落とされる。クレジットカード引き落としではないため、銀行口座にオートチャージ以上の金額が入金されていなければオートチャージはできない。
(4)オートチャージが行われると200円につき1 WAONポイントを獲得できる。
(5)支払い時に200円につき1 WAONポイントが貯まる。
(6)WAONステーションでWAONポイントを受け取る。

オートチャージ時に200円につき1 WAONポイントが貯まり、決済時に200円につき1 WAONポイントが貯まるため、合計200円で2 WAONポイントを獲得可能だ。イオンカードや現金チャージしたWAONで支払うよりも、イオンカードセレクトでオートチャージ設定したWAONで支払うと、0.5%分のポイントが多く貯まるのだ。

イオンカードセレクトでオートチャージ設定したWAONで支払い、ボーナスポイント対象商品やカタリナアプリのクーポンを利用すると一気にWAONポイントを貯めることができる。イオンカードセレクトの保有者は251万人。イオンカード保有者の約9人に1人しか保有していない。イオンの利用率が高いのであれば、イオンカードセレクトに切り替えることをおすすめする。

菊地 崇仁(きくち たかひと)

1998年に法政大学工学部を卒業後、同年日本電信電話株式会社(現NTT東日本)に入社。社内システムの開発、Lモードの料金システム開発、フレッツ網の機器検証等に携わり2002年に退社。同年、友人と共に起業し、システムの設計・開発・運用を行う。2006年、ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年3月代表取締役に就任。ポイント探検倶楽部に掲載されているポイントは約230種類。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られる。

三児の父であり家計のやりくりをすべて担当。ポイントのみならず、クレジットカードや保険なども守備範囲で、近年は投資にも挑戦している。著書は「新かんたんポイント&カード生活(自由国民社)」、「得するポイント(カード)の貯め方・使い方(日本監督協会)」。運営サイトは「ポイント探検倶楽部(ポイ探)」「株式会社ポイ探」「菊地崇仁オフィシャルホームページ」等。

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