ポイントカードやデビットカードの発行でカード提示率は4割まで高まる(ファミリーマート)

2016年3月23日8:30

電子マネー「Tマネー」を導入し、Tポイント提携先との連携も強化

全国に約1万1,600店余りを展開するコンビニエンスストアのファミリーマート。近年、Tポイントを貯めやすく使いやすい環境整備を推進しており、2014年7月には「ファミマTカード(ポイントカード)」を店頭で即時発行できる体制を整えた。さらに、電子マネー「Tマネー」導入や、Visaデビット付キャッシュカード発行開始等のサービス拡充により、Tポイントがより便利に効率よく貯まる場所としての魅力がひときわ高まっているという。

店舗で即時発行する「ファミマTカード(ポイントカード)」が好調
ID番号とPOSデータの紐づけで、より多くの顧客に高精度の販促が可能に

ファミリーマートが「ファミマTカード(クレジットカード)」の発行を開始したのは2007年のこと。入会金・年会費無料でTポイントも貯められ、別途手続きすればTSUTAYAの会員証としても利用できる。以前は、ファミマTカードを持ちたいという18歳以上(高校生除く)の顧客にはこのクレジットカードに申し込んでもらい、審査が通らない場合にポイントカードを発行するという手続きを踏んでいた。

ファミリーマート 営業本部 営業推進部付マネジャー 井上博之氏
ファミリーマート 営業本部 営業推進部付マネジャー 井上博之氏

2014年7月にサービス内容を刷新し、新たに「ファミマTカード(ポイントカード)」が登場。ポイントカードは年齢に関係なく、どなたでもレジで即時発行され、その日からポイントを貯めることができる。名前や住所の情報登録は、Webや店内のマルチメディア端末のFamiポートでも行える。入会の敷居が低くなり会員数が伸びているという。ファミリーマート 営業本部 営業推進部付マネジャー 井上博之氏は、「人口減のトレンドにある今ですが、来店客数を右肩上がりに押し上げているのは、ポイントカードの効果が大きいと考えています」と微笑む。

同社では従来から「Tカード」を活用した販売促進に注力しており、ポイントカードにおいても、ID番号とPOSデータの紐づけにより、購買行動や購入履歴のRFM分析に基づくプロモーションが可能となっている。例えば、ワインを購入する顧客には、ワインの新商品の割引券を発行するなど、顧客の消費シーンにより合致した特典やクーポンを提供できるようになった。

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「ファミマTカード」の現金ポイントカード

第3の「ファミマTカード」はVisaデビット付キャッシュカード
Visaデビット決済なら、よりお得にTポイントが貯まる

2015年9月にはさらに、「ファミマTカード」と、ジャパンネット銀行の「Visaデビット付キャッシュカード」の機能を一体化した「ファミマTカード(Visaデビット付キャッシュカード)」を発行。コンビニエンスストア業界において、Tポイント、キャッシュカード、Visaデビット決済機能をオールインワンした初のカードとなった。

「ファミマTカード(Visaデビット付キャッシュカード)」
「ファミマTカード(Visaデビット付キャッシュカード)」

ファミリーマート店頭では、いずれの「Tカード」を提示しても200円(税込)につき1ポイントの基本ショッピングポイントが貯まるが、Visaデビット決済では200円(税込)につき1ポイントのデビットポイントも上乗せされる。また、Tポイント提携先において、現金支払い時でもカードを提示すると100~200円につき1ポイント付与される。

発行に審査を要さず、利用額が銀行口座からその都度引き落とされるデビットカードは、クレジットカードを敬遠する顧客にも好評で、特に女性の利用率が高い傾向にあるという。申し込みはジャパンネット銀行のホームページで可能だ。

なお、2016年2月末現在、全ラインアップを合わせた「ファミマTカード」会員は933万人に上り、ポイントカードの会員数の伸びが特に大きいという。TSUTAYAをはじめとする他の提携先発行のTカードを持つ会員もファミリーマート店頭でTポイントを貯められるものの、「来店率は『ファミマTカード』会員の方が高い」(井上氏)という。

買えば買うほどポイント付与率アップの「ファミランク」
通常ショッピングポイント以外にも多様なポイントアップサービス

同社では2014年7月より、ランクアップサービスの「ファミランク」を導入している。ファミリーマートでの1ヶ月間でのお買い物金額に応じて翌月に受けられるランクのポイントレートが決まる。会計時にTカードを提示するだけでサービスの対象となる。ファミリーマートを繰り返し利用する“お得意様”を優遇する仕組みだ。

ランクはブロンズ・シルバー・ゴールドに分かれており、200円(税込)につき1ポイントの基本付与率となるブロンズに対し、前月のお買い物金額が5,000円~1万4,999円のシルバーは200円につき2ポイント、1万5,000円以上のゴールドは200円につき3ポイントを貯めることができる。現状の買い物ランクは専用のWebサイト「Tサイト」やレシートで確認可能だ。レシートには翌月のランクアップにあといくら必要なのかも表示し、月末の購買を後押しする。

このほかにも、「ファミマTカード」ホルダー向けに多様なサービスを展開。対象商品が会員特別価格でお買い物できる「今お得」や毎週水曜は、「ファミマTカード」の女性ホルダーならば、提示するだけでショッピングポイントが2倍になる「レディースデー」を実施している。

また、「ファミマTカード(クレジットカード、Visaデビット付キャッシュカード)」限定の特典として、火曜と土曜にファミリーマートで買い物するとショッピングポイントが3倍になる「カードの日」も好評だ。さらにクレジット払い・Visaデビット払いのポイント2倍を合わせると最大5倍のポイントが貯められる。

「Tマネー」で毎日の買い物が小銭要らずに
電子マネー決済も、ポイントを貯めるのも一枚で完結

2015年6月30日からは、電子マネーの「Tマネー」を導入。Tマネーは手持ちのほとんどのTカードが手続き不要で電子マネーとしても使えるのが特長で、「ファミマTカード」3種ももちろん対応している。レジで簡単にチャージができ、残高はレシートやTサイトで確認が可能だ。

通常のショッピングポイントとは別に、月間のTマネー決済額500円につき1ポイントが翌月付与される。ひと月分の累計のため切り捨て額が最小化でき、通常商品のほか、タバコも決済可能。またコーヒー1杯など、200円未満の小額商品を日常的に高頻度で購入する“お得意様”にもポイントが貯められると喜ばれている。

サービス開始以来、利用回数もチャージ金額も徐々に増加。「来店率の高いお得意様ほどチャージ率が高くなっています。お得意様の来店がさらに伸びる実績も出てきています」と、井上氏は導入の成果を口にする。電子マネーはもともとSuicaなどの交通系ICが強いというが、Tマネーにもさらに伸びしろはあるとみている。

Tポイントアライアンス間の相互送客でWin-Winの関係構築
Tカードの提示率のアップで商品開発や販促の精度もプラスに

同社では、ファミリーマートから足が遠のいた、いわゆる離反顧客への対応にも力点を置く。こうした顧客へは店頭でアプローチできないため、Tポイントの他の提携先で、ファミリーマートで利用できる割引券等のクーポンを配付している。さらに、よく購入する商品の割引券をレシートクーポンで発行したりなど、再来店後の店頭でのフォローにも配慮している。

2015年11月にはYahoo! JAPAN、ソフトバンク、TSUTAYAと連携し、11月11日を「いい買物の日」と定め、一定期間内にいずれかを利用した顧客1万人に1,111ポイントを抽選でプレゼントするという企画を打ち、好評を博した。インターネットとリアルで同時展開することで、告知効果も高まったという。こうした協働を随時行うことで、他の提携先とWin-Winの関係を構築できているという。

コンビニエンスストア繚乱の時代。“マイコンビニ”の選択において、ポイントサービスは外せない要素となった。井上氏は、「提携企業の数や会員数を比べても、今のところTポイントが最も汎用性があります。お客様にとって、Tポイントが貯められる・使えるという点が差別化になっていると感じます」と矜持をみせる。最近はマルチポイントの流れもあるが、同社としてはTポイントに特化することで、一層の顧客満足度向上に寄与する販促戦略を打ち続けていく構えだ。

同店での「ファミマTカード」を含むTカード提示率は、現在は4割程度の高さだ。「データの誤差が少なくなり、商品開発などに非常に役立っています」と井上氏は語る。T会員の利便性を訴求しつつ、さらなる新規顧客獲得に知恵を絞っていきたいとしている。

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