Easy Cardを使った台湾の共通ポイントサービス「UUPON」、日本のファミリーマートとの連携も視野に

2017年12月21日13:13

UUPON Inc.(ユーユーポン、點鑽整合行銷股份有限公司)は、台湾の交通カードとして普及している「Easy Card悠游カード」(以下Easy Card)を使って、台湾ファミリーマートや中華電信の携帯電話料金、携帯電話ショップの「Senao」などで利用できる共通ポイントサービス「UUPON」を展開している。同社には、伊藤忠商事の現地法人やTaiwan FamilyMart Co.,Ltd.(台湾ファミリーマート)も出資している。同社の強みについて、董事長(Chairman)のTofar Wang氏に話を聞いた。

台湾ファミリーマートを中心に会員を獲得
7,000万枚のEasy Cardを共通ポイントとして利用可能に

――まずはUUPON Inc.様の概要についてお聞かせください。
Tofar Wang:弊社は台湾で共通ポイント事業を展開しています。設立時の主な株主は、交通カード運営事業者Easy Card(イージーカード)を傘下に持つEasy Card Investment Holding Co., Ltd.(Easy Card)が約40%、台湾伊藤忠股份有限公司や台湾ファミリーマートのグループが約30%、さらにFubon Financial Holding Venture Capital Corp.という銀行系の株主などが連携してサービスを立ち上げました。

UUPONは2015年4月からサービスを開始しましたが、当時の会員募集は台湾国内で3,000店舗を有するファミリーマートが中心でした。最初の1年間で83万人の会員を獲得し、そのうち80%はファミリーマートで獲得しています。

左からUUPON Inc.董事長(Chairman)のTofar Wang氏、Deputy ManagerのJeanie Hu氏、CFOの三浦淳史氏、Brian Kao氏。Jeanie Hu氏は、「小売以外のさまざまな分野の企業とも提携を進め、それをビッグデータとして記録し、分析して、会員によりクオリティの高い生活を提供したい」と意気込みを述べた。また、三浦氏は、「台湾人の行動やビッグデータに興味をお持ちの日本企業は多いので、伊藤忠商事が間に入りサポートしていきたい」と語った

――UUPON以外にも台湾では複数の共通ポイント事業者が存在します。貴社の強みについてお聞かせください。
Tofar Wang:UUPONは、「Easy Card」を使って、いろいろな店舗でポイントを貯めたり、使ったりすることができます。たとえば、小銭を使用するコンビニでの決済、バス、バイクや電車などでも使えます。さらに、Easy Cardは台湾で7,000万枚発行されており、1,000万枚が毎月アクティブに利用されています。Easy Cardは、台湾で一番の交通系ICカード/電子マネー会社であり、それを使用してサービスを提供できる強みがあります。

また、他の3つの共通ポイント(HAPPY GO、得易Ponta、Open Point)はバックに大きな企業グループがあります。その意味で、真のオープンな共通ポイントはUUPONしかありません。UUPONは、複数の会社のチャネルを使えますし、Easy Cardは政府からの投資もあり、社会貢献への取り組みも行っています。

現在の会員数は約300万人
大手3つのコンビニエンスストアと提携

――現在の会員数や加盟店の状況についてはいかがでしょうか?
Tofar Wang:UUPONの現在の会員数は約300万人で、20代~40代までの若者が中心です。会員は、Easy Cardを使って、交通機関に加え、百貨店やコンビニエンスストアなどでもカードを使用できます。コンビニエンスストアでは、ファミリーマートに加え、ハイライフ(Hi-Life)、OK-Martの3つのコンビニエンスストアで使用可能であり、コンビニだけで5,200を有しています。加盟店は上半期は3つのコンビニチェーン店で、台湾ドルで10億元の価値を創出しました。また、最近契約したグローバルモールは、駅ビルの商業施設となっています。

さらに、バックに巨大な財閥・グループがないため、キャンペーンの際に多様性があります。加盟店への送客の効果も高く、ウェルカムスーパー(頂好超市)では、たくさんのお客様を誘導して、客単価や来店回数も高まりました。来年はさらに多くの企業と提携して、1万店舗まで加盟店を増やしたいですね。

また、サービスの対象者は台湾の2,300万人の方々であり、台湾の民間への消費貢献が高いと考えています。UUPONはEasy Cardの番号を登録します。そして、カードは10枚まで登録が可能です。カード以外でも、アプリのバーコードをスキャンすればポイントを利用できます。

たとえば、銀行とのポイント交換、旅行会社とのマイレージの交換、楽天などのECサイトのショッピングや交換も可能です。UUPONのアプリでクーポン券に交換し、コンビニエンスストアでコーヒーやスナックなどと交換することが可能です。さらに、ECサイト、LINEポイント、キャリアの中華電信や銀行のポイント、ANAやJALといった航空会社のマイルとの交換も可能です。中でもエバー航空は人気があり、失効してしまうマイレージをUUPONに交換して、商品の交換や現金にチャージしていただいています。UUPONのポイントは、キャンペーンとして88ポイントを26元でコンビニエンスストアにおいてコーヒー1杯と交換できます。コーヒーは45元ですので価値が高いです。

来年は会員数400万人以上が目標に
日本と台湾で国をまたいでポイントを貯めたり、使ったりすることを目指す

――今後の目標についてお聞かせください。また、ビッグデータなど、会員データの活用についてはいかがでしょうか?
Tofar Wang:来年の目標として、ビッグデータの分析と、そのデータを使って、他のメーカーやブランドに送客することを考えています。また、広告収入も1つの目標です。ビッグデータと広告収入を向上させるために、来年は会員数400万人以上を目指しています。会員を拡大し、いろいろな消費のデータを分析し、さらにそのデータの精度を高め、消費行動の予測を行っていきたいです。そして、さらに多くの加盟店と提携を進めます。たとえば、台湾の新幹線と鉄道でEasy Cardを使って、ポイントを貯めたり、使ったりできればいいですね。加盟店としては、ガソリンスタンドと提携できれば、幅が広がると思います。

――国際展開についてはいかがでしょうか。また、日本のファミリーマートとの展開は検討されていますか?
Tofar Wang:台湾市場は決して大きくはありませんから、国際化はテーマの1つとなります。すでに日本の企業と提携していますので、国際化は行いやすいと思います。伊藤忠商事は、全世界で投資していますので、これからUUPONを連れて日本や東南アジアなど、台湾以外のマーケットで展開できればいいですね。

伊藤忠商事により、日本の航空会社であるJALやANAと提携できていますし、「WAKUWAKU JAPAN」というキャンペーンも実施できました。もともと日本と台湾の関係は親密で、毎年400万人の方が日本に訪れており、逆に日本からも200万人の方が台湾にいらっしゃっています。その600万人がEasy Cardを使ってUUPONのポイントを貯めたり、使ったりすることができれば、台湾と日本の関係はより親密になっていくと考えています。

UUPONのWebサイトでは「WAKU WAKU JAPAN」も告知

日本のファミリーマートとの相互利用は以前から検討しています。昨年、Easy Card Corporationと一緒に日本のファミリーマートに訪問しました。台湾からの観光客が日本のファミリーマートで決済する際、Easy Cardを使ってポイントが貯まることができないか提案しました。また、日本のお客様が台湾に訪れた際、台湾ファミリーマートでポイントが貯まれば便利であると思います。カードリーダーの設置など、さまざまな課題もありますが、引き続き検討していきたいです。また、Easy Cardでは、沖縄のファミリーマートと提携することを考えています。

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