ロイヤルホールディングス、次世代型飲食店舗でキャッシュレス決済とセルフオーダーを体現

2018年3月26日8:00

顧客サービスの充実、生産性の向上を目指す

ロイヤルホールディングスは、2017年11月、次世代の店舗運営を研究開発していくR&D店舗「GATHERING TABLE PANTRY(ギャザリング テーブル パントリー)」を東京都中央区日本橋馬喰町にオープンした。完全キャッシュレス、セルフオーダーオペレーションを導入し、業務の効率化と顧客サービスの向上の両立を目指す。

ITの活用で現金管理不要に
店長業務を大幅に効率化

GATHERING TABLE PANTRYの特徴は、ITを活用した店長業務の効率化にある。その1つが、完全キャッシュレスで、スマートデバイスと連携する決済端末を利用し、支払いはクレジットカード、「楽天Edy」や交通系ICカードを含む主要電子マネーが利用できる仕組みだ。

右からロイヤルホールディングス 常務取締役 野々村彰人氏、企画開発部 泉詩朗氏

ファミリーレストランなどの飲食店の業務の中で、神経を使うのが売上管理業務だという。レジスターを使った現金決済の場合、釣銭の受け渡しや現金残高の確認など煩雑な作業が必要となるからだ。もし、現金残高が合わなかった場合は、報告書の作成など余計な業務が加わり、労働負担が増す。

オープンから3カ月が経過し、現金管理をなくしたことによる店長業務の軽減には、すでに効果が出始めている。もっとも大きな効果は、売上金を管理するという精神的な重圧から解放されることだ。来店客にとっても、会計時にレジ前で並ぶ必要がなくなるメリットがある。

既存店が抱える、「店長の管理業務の負担が大きく、人材育成の時間が取れない」といった飲食店固有の課題の解決に道筋が見えてきている。スタッフのトレーニングツール、マニュアルを簡単に作成できるツールの導入によって、トレーニングを短時間で行える環境づくりも進んでいる。

GATHERING TABLE PANTRY 馬喰町店の営業時間は、平日15 時から22 時30 分、土日祝日は12 時から21 時30 分に設定している。店舗では、スタッフがイキイキと働くことができる環境づくりとして、ワンシフト(8 時間勤務)制を採用している

iPadを用いたセルフオーダーを構築
働き方改革や生産性向上を目指す

一方、セルフオーダーのオペレーションシステムは、マウント・スクエアとの協業により、店舗システムを共同開発した。タブレット端末のiPadを用いた操作性に優れたオーダーシステムで、ほとんどの来店客がスムーズに使いこなしているという。ホールスタッフはアップルウォッチで情報を確認できる仕組み。

キャッシュレス、セルフオーダーのオペレーションを導入している

来店客にとっては、「GATHERING」という名のとおり、みんなで気軽にワイワイ楽しめる場として会話を楽しんでいる最中にオーダーで中断されるといったストレスがなくなるという心理的なメリットがある。スタッフも業務軽減により、来店客とのコミュニケーションやおもてなしに集中できる。

セルフオーダーについては、顧客は注文の仕方になれている印象があるという。タブレットに触ることに抵抗がなくなってきているからだ。困っている顧客に対しては、すぐにフォローしているため、操作に関するトラブルは発生していない。また、キャッシュレス限定という点も外の看板に表示しており、注文する前にもう一度説明している。

さらに、キッチンオペレーション改革にも取り組む。調理場では、自社のセントラルキッチンのノウハウを最大限に活用した商品ラインナップを作り上げ、それを活かすための最新の調理器を導入し、主に加熱調理においては、マイクロウェーブオーブンを使い、料理ごとにプログラムを調整しながら設定し、シンプルで完成度の高い調理をする。

こうした取り組みは、少子高齢化による生産労働人口の減少や市場変化など外食をはじめとするサービス産業を取り巻く環境が厳しくなる中、テクノロジーを活用して質と価値を向上させる狙いがある。ロイヤルホールディングスが  GATHERING TABLE PANTRYの構想を検討し始めたのは2016年春。店長がイキイキと働くことができる環境にするための業務負担の軽減にフォーカスし、機能的に働けるゾーニングやメニュー開発などの店づくりを検討し、2017年4月には完全キャッシュレスに踏み切ることを決めた。

GATHERING TABLE PANTRYは、働くすべての人が楽しく働ける店舗をR&Dとして検証し、真の働き方改革、生産性の向上を目指している。ロイヤルホールディングス 常務取締役 野々村彰人氏は、「今後起こりうる社会や業界の方向性を見据えて備えていきます」と説明する。

クレジット・電子マネー比率は半々
平均単価はクレジットが2倍

来店客には、最初にキャッシュレス店舗であることについて了解を得るシステムとなっており、これまでに大きな混乱はない。顧客の回転率が高いランチタイムでは、同時に複数人・グループが会計する場合、スタッフが対応できない恐れがある。将来は、来店客が端末を使って自ら会計したり、来店前に決済を済ませてしまうような仕組みも検討課題にあがってくるだろう。

現状について、企画開発部 泉詩朗氏は、「クレジットカードと電子マネーの使用比率は大体半々です。平均単価はクレジットカードが4,000円前後、電子マネーは2,000円前後。一人分は電子マネー、みんなで払うのはクレジットが多い傾向となっています」と語った。

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