長崎バス、独自システムを用いた新ICカード乗車券を平成31年度に発行予定 Tポイント導入など地元生活の利便性を追求し、地域発展に貢献へ

2018年4月23日8:00

長崎県下10の社局で使える長崎スマートカードは2002年に導入された交通系ICカードの先駆けである。しかし、導入から15年以上が経ちシステムが老朽化。さらに、電子マネーとして多彩な機能を備えた交通系ICカードの台頭により、新しいICカードへの移行を模索。長崎バスでは平成31年度を目処に、共通ポイント「Tポイント」とも連携するなど、より地元での利便性を追求した地域貢献型ICカードの導入を目指す。 

現カードは年間稼働ベースで約45万枚
新カードは地域創生型カードを目指す

現行のICカード乗車券、長崎スマートカードが発行を開始したのは2002年。交通系共通ICカードの先駆け的存在であり、長崎バスをはじめ、さいかい交通、長崎県営バス、長崎電気軌道など、県内10社局のバスと鉄軌道で利用可能だ。現在、年間稼働ベースで約45万枚が発行されており、約3割の県民が利用している一大ICカードとなっている。

長崎バス情報サービス 常務取締役 高井良肇氏

しかし、導入から時間が経ちシステムの老朽化が進み、現行システムの延命には多額のコストがかかること、後発の交通系ICカードの中には電子マネーとしてさまざまな機能を有したものが登場していることなどから、平成31年度を目処に新しいICカードへと移行する。新カードは交通と生活に有益な地域創生型を目指す。

「長崎スマートカードを発行した当初は、紙製の回数券の代わりになるものという考えがありました。そのため、1,000円チャージすると100円分プレミアがついたり、運賃額に対して1%のポイント付与、30分以内に同じバス停から同事業者のバスに乗り継ぐと、1度目の乗車運賃額と2度目の乗車運賃額の合計の5%(10円単位に四捨五入)を2度目の乗車運賃から割引(1日2回まで)といった、乗車利用に特化した独自のサービスを展開、好評を得ています」(長崎バス情報サービス 常務取締役 高井良肇氏)

単なる交通系カードとも商業系カードとも一線を画す多機能カードを目指す

 

昨今の交通乗車券を取り巻く流れとして、2013年より交通系ICカード全国相互利用サービスがスタート。買い物などで電子マネーが利用されることも多くなり、長崎スマートカードでもショッピングや、学生・社員証等に利用したいといったニーズが増加。その一方で、地元経済界や長崎都市経営戦略推進会議などでは、利用を県下に特化・限定した地域貢献カードにしてほしいとの要望があった。そこで、新ICカードは地域独自の多機能カードとして、地域の人々に対して利便性を提供し、独自の電子マネーの普及を通じて地域経済の好循環を実現させ、カードで得られた情報や知識を地域の発展に役立てるという基本方針を打ち立てた。高井良氏は、「新ICカードは交通系、商業系とも一線を画す多機能カードを想定しています」と話す。

路線バス初のTポイント付与
タクシー利用も可能に

新ICカードは全国初の試みとなる一般路線バスでのTポイントサービスを導入する。Tポイントは全国70万店舗以上での商業利用はもちろん、バスの乗車利用でも付与される予定だ。

また、新ICカードは長崎タクシー共同集金が導入予定であり、これにより同社NTネットワークサービス提携タクシー約1,300台でも利用できるようになる。

その一方で、現在の長崎スマートカード導入事業者で同社とさいかい交通を除く8社局は次期カードに西日本鉄道の「nimoca」を導入する予定であることが発表されている。nimocaは新ICカードとシステムが異なるため、相互利用できなくなる可能性がある。そのため、新ICカードでは従来は対応していなかった、nimocaをはじめ他社局カードの片利用も検討している。

行政サービスやIDカード展開も視野に
2018年4月に事業運営会社を設立

「まだ現在では企画段階ですが、高齢者や障害者の方々に向けた行政サービスでの利用や、企業や学校におけるIDカードとしての活用なども模索しています。行政や企業・学校等でも使えることで、地元の生活における利便性の向上、地域経済への活力をもたらす、そして、カードの使用状況から得た情報や知識をカード加盟事業者に還元することで、長崎の発展に貢献できる、地域創造型のICカードを目指していきます」(高井良氏)

長崎バスでは新ICカードの開発と導入に際し、広く外部の見識を取り入れることを目的に2018年4月に事業運営会社を設立。基本施策の実現やさまざまな課題解決に向けた業務はこの事業運営会社が中心となって行う。導入に際しては既存の長崎スマートカード同様FeliCaの独自規格を採用し、前回と同じく小田原機器に新システムを搭載した運賃箱を作成してもらい、全面交換していく。なお、新ICカードの名称や券面、キャラクターなどは今年前半には決定したい方針という。

新ICカードは平成31年度を目処に導入を予定しており、最終的には現在の長崎スマートカードは使用できなくなるが、長崎スマートカード利用者の混乱を招かないように、適切な併用期間を設ける予定だ。

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