Googleの決済サービス「Google Pay」の強みとは?

2018年6月13日8:00

1つのアプリでさまざまな支払い、ポイントサービスを管理可能に

Googleが提供する「Google Pay」 は、電子マネーやクレジットカードによる決済、交通乗車、共通ポイントなど、ユーザーのサイフを1つにまとめ、管理できるサービスだ。2018年5月24日からは、Google PayにSuicaとWAONの機能が加わり、夏からは店頭での支払いにKyash、ジャックス、ジェーシービー(JCB) から発行されたプリペイドカード、デビットカードやクレジットカードにも順次対応を予定する。また、スペースマーケット、全国タクシー、日本美食、バニラエア、minne といったウェブサイトやアプリでも支払い可能だ。Google Payの特徴や目指す世界について、Google Pay プロダクトマネージャー ザック・スターン氏に話を聞いた。

5月24日から「WAON」「Suica」対応がスタート
支払いやお金のやり取りを1つのアプリ上で管理

――Google Payは、電子マネーとして、従来から利用できる「楽天Edy」「nanaco」に加え、「WAON」「Suica」等の支払いを追加されましたが、日本市場における期待からお聞かせください。
ザック・スターン:日本では、まず2016年12月に「Android Pay」としてアプリを出しました。ユーザーの皆様がGoogleアカウントを利用して、簡単に、素早くお支払いができるという構想を元に作りました。2018年2月にGoogle Payとして新しくスタートし、実店舗に加え、オンライン、アプリ上などでお支払いいただくことが可能となっています。その基盤があった中で、このたびSuicaやWAONの機能が対応しました。

Google Pay プロダクトマネージャー ザック・スターン氏

また、このタイミングでSuicaやWAON対応をリリースした理由として、リサーチを通して、使い勝手のよいシステムを作り込みました。さらに、時間をしっかりかけた上で、ユーザーが使いたいと思えるようなサービス形態にすることに注力しました。

Google Payのスキームの考え方として、さまざまな支払い、お金のやり取りを1つのアプリ上で管理できます。ユーザーは、1度登録していただければ、いろいろな決済手段が使えます。また、支払いをサポートするだけではなく、ポイントなどお金にかかわる部分を一目で管理できます。

電子マネーに入金するサービスは日本独自
オンラインの支払いの仕様は海外と同じ仕組み

――NFC(Type A/Bベースの非接触決済)ではなく、日本独自の電子マネーから対応された理由について、お聞かせください。また、海外と日本のUIで異なる点はございますか?
ザック・スターン:日本のユーザーが使いたいと思う決済手段を、さまざまなシーンで、幅広くご利用いただくため、電子マネーへ対応しています。また、ユーザーが個別にアプリを立ち上げることなく、利用できるサービスのすべてを一覧で閲覧できるという、アプリの構造は米国とよく似ています。

利用できるサービスのすべてを一覧で表示(Google Playより)

米国の場合は、デビットカード、クレジットカードから支払いができますが、電子マネーに入金するサービスは日本独自のものです。また、残高が一定額以下になると通知が届くアラートを設定できる仕組みも日本特有となっています。さらに、日本ならではのユニークな機能として、SuicaやWAONなどの電子マネーを新たにアプリ上で発行可能です。

Google Payでは、サードパーティのパートナーのオンラインの支払いとして、スペースマーケット、全国タクシー、日本美食、バニラエア、minne等が入っていますが、パートナーは違えどその仕様は海外同様となっています。アプリやオンライン上での支払いはGoogleアカウントに登録されているカードを使って簡単に行えます。

開発者は、ウェブサイトやスマートフォンアプリに「Google Pay API」を実装することでサービスを利用できます。

ジャックス、JCB、Kyashからクレジット/プリペイドをサポート
海外のGoogle Pay同様にTSPと連携して安全な決済を提供へ

――クレジットカード決済などもサポートされるそうですが、概要についてお聞かせください。海外のGoogle Pay同様にTSP(トークン・サービス・プロバイダ)を定めているのでしょうか?
ザック・スターン:クレジットカードとプリペイドカードは、まずはジャックス、JCB、Kyashから対応しますが、夏から開始予定です。また、世界的にGoogle Payのサービスでは、トークン・サービス・プロバイダと連携して支払いのシステムを構築していますので、QUICPayに関しても同様となります。店舗でQUICPayを使って支払う場合には、カード情報に紐付いたトークンを使いますので、カード情報自体が店頭に渡されることはありません。

――NFC、日本で話題となっているQR・バーコード決済などへの対応についてお聞かせください。また、ポイントサービスの対応についてはいかがでしょうか?
ザック・スターン:今後のNFCやQR・バーコード決済対応は現時点でお伝えできることはありませんが、ポイントとしてはすでに「Tカード」と「dポイント」に対応しています。Google Payの基本的な理念として、ユーザーが簡単、安心にお使いいただけることを掲げていますので、その理念に合うサービスは取り入れていきたいですね。

決済を簡単、便利にすることでモバイル決済の障壁を取り除く
Google Payの収益モデルは?

――Google Payのユーザーに向けた訴求方法についてはいかがでしょうか?
ザック・スターン:6月4日から大々的なマーケティングキャンペーンを開始しました。テレビCMを流したり、渋谷駅をはじめ屋外広告などで告知を行っています。

――日本はモバイルペイメントの展開は世界的に見ても早かったですが、利用者は期待ほど伸びていません。そういった中で、どのように利用を伸ばしていきたいとお考えでしょうか?
ザック・スターン:おっしゃるように、日本は、モバイルでの支払いは遅れているわけではありません。ユーザーが簡単にサービスを使い始めることができるように、障壁を取り除いていきたいと考えています。そのため、時間をかけてアプリやシステムを構築しています。利用者からは、いったん使い始めると、便利だと認識し、継続して使われる方は多いようです。

例えば、Googleアカウントをお持ちの方は、さまざまなフォームに個人情報を入力しなくても数回のクリックで登録が可能です。新しいカードを簡単に作れ、電子マネーをチャージすると、すぐに利用できるスキームとなっています。

――貴社のGoogle Payにおける収益モデルについてはいかがでしょうか?また、目標についてお聞かせください。
ザック・スターン:Googleでは、このサービスからは収益を求めていません。ユーザーの方、(イシュアも含めた)パートナーの方からも一切お金をいただいておらず、無料でお使いいだけます。

また、目標数字は公開していませんが、5月24日の発表後は、順調に利用者が増えています。できれば、今後Googleのサービスを使っている方には全員に、簡単で、安全なGoogle Payのサービスを体験していただきたいですね。

この記事の著者

ペイメントナビ編集部

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